松屋フーズは、創業60周年を記念し、2026年6月1日(月)からコード決済を対象としたキャンペーンを順次実施します。 対象となるのは、PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイの4サービス。松屋フーズ公式アプリや松弁ネットミニアプリでの事前決済、または券売機・セルフレジでの支払いなど、決済サービスごとに対象条件が異なります。 PayPayは最大40%還元 PayPayでは、2026年6月1日(月)0時から6月30日(火)23時59分まで、松屋アプリで使えるPayPayクーポンを配信します。 PayPayアプリでクーポンを取得したうえで、「松屋フーズ公式アプリ」または「松弁ネットミニアプリ」から注文し、税込800円以上をPayPayで事前決済すると、PayPayポイントが最大10%戻ってきます。付与上限は1回あたり200ポイントで、期間中は何度でも利用できます。 さらに、2026年6月15日(月)0時から6月16日(火)23時59分までは、最大40%戻ってくるクーポンも配信されます。こちらは付与上限350ポイントで、期間中1回まで利用可能です。10%クーポンと40%クーポンは別々に取得する必要があります。 d払いは最大+20%還元 d払いでは、2026年6月1日(月)0時から6月20日(土)23時59分まで、「創業記念キャンペーン」を実施します。 期間中にエントリーのうえ、松弁ネット、松屋モバイルオーダー、松弁デリバリー、松弁ネットミニアプリで注文し、税込800円以上をd払いで事前決済すると、最大+15%のdポイントが還元されます。 さらに、初めて利用する人や久しぶりに利用する人は、最大+20%還元の対象となります。付与上限は1回の決済につき300ポイント、期間中合計5,000ポイントまでです。 au PAYは最大300Pontaポイント、ランキング特典も au PAYでは、2026年6月1日(月)から6月30日(火)23時59分まで、「au PAY食べまくりキャンペーン第2弾」を実施します。 期間中にエントリーのうえ、「松屋フーズ公式アプリ」または「松弁ネットミニアプリ」で注文し、au PAYで税込600円以上を事前決済すると60Pontaポイント、税込1,500円以上を事前決済すると300Pontaポイントがプレゼントされます。 なお、進呈されるポイントは60ポイントまたは300ポイントのいずれか一方のみです。さらに、期間中の利用金額合計が多い上位10,000名には、順位に応じたPontaポイントもプレゼントされ、1位には60,000Pontaポイントが進呈されます。 楽天ペイはスタンプラリーで最大10%還元 楽天ペイでは、2026年6月1日(月)0時から6月30日(火)23時59分まで、「松屋60周年創業記念スタンプラリーキャンペーン」を実施します。 期間中にエントリーのうえ、券売機またはセルフレジで税込500円以上を注文すると、スタンプを1個獲得できます。スタンプ数に応じて還元率が上がり、最大10%の楽天ポイント還元を受けられます。 また、期間中の支払い金額合計が上位600名の利用者には、楽天ポイントが最大6,000ポイント付与されます。期間中の付与上限は2,000ポイントです。なお、松屋フーズ公式アプリでの注文、松弁ネット、松屋モバイルオーダー、松弁デリバリーは対象外となります。 キャンペーン早見表 決済サービス 期間 主な特典 主な条件 PayPay 2026年6月1日〜6月30日 40%還元は6月15日・16日 最大10%還元 2日間限定で最大40%還元 クーポン取得、税込800円以上の事前決済 d払い 2026年6月1日〜6月20日 最大+15%還元 初めて・久しぶりの利用は最大+20%還元 エントリー、税込800円以上の事前決済 au PAY 2026年6月1日〜6月30日 60または300Pontaポイント 利用金額ランキング特典あり エントリー、税込600円以上または税込1,500円以上の事前決済 楽天ペイ 2026年6月1日〜6月30日 スタンプ数に応じて最大10%還元 上位600名に最大6,000ポイント エントリー、券売機・セルフレジで税込500円以上の注文 利用前に確認したいポイント 今回のキャンペーンは、決済サービスによって対象となる注文方法が異なります。PayPay、d払い、au PAYは松屋フーズ公式アプリや松弁ネットミニアプリなどでの事前決済が中心ですが、楽天ペイは券売機・セルフレジでの支払いが対象です。 また、PayPayはクーポン取得、d払い・au PAY・楽天ペイはエントリーが必要です。利用前に各決済アプリやキャンペーンページで条件を確認しておきましょう。 まとめ 松屋の創業60周年記念キャンペーンでは、6月1日からPayPay、d払い、au PAY、楽天ペイの4つのコード決済でお得な特典が用意されています。 最大還元率で見ると、6月15日・16日のPayPay最大40%還元が目立ちます。一方、au PAYはポイントプレゼントとランキング特典、楽天ペイは券売機・セルフレジ利用者向けのスタンプラリー、d払いは初めて・久しぶりの利用者向けの上乗せ還元が特徴です。 松屋を利用する予定がある人は、普段使っている決済サービスの条件を確認して、キャンペーン期間中に活用してみてはいかがでしょうか。
Olive Infiniteは高還元カードではない SMBCが狙う富裕層向け金融プラットフォーム化

三井住友銀行と三井住友カードが、個人向け総合金融サービス「Olive」の最上位ランクとして「Olive Infinite」の提供を開始した。年会費は税込9万9000円。Visaの最上位ランク「Visa Infinite」を搭載し、基本還元率1.0%、対象コンビニ・飲食店で最大20.0%還元、三井住友カードつみたて投資で最大6.0%のポイント付与など、表面上は“高還元・高ステータスカード”として見えやすい。 しかし、今回の本質はそこではない。Olive Infiniteの本命は、カード単体のスペックではなく、銀行口座、カード決済、SBI証券、資産管理、有人コンサルティングをひとつのサービス圏にまとめる点にある。特に重要なのが、SMBCグループとSBIグループが連携して展開する「Oliveコンサルティング」だ。 つまりOlive Infiniteは、単なる「Oliveの最上位カード」ではなく、Oliveを富裕層・準富裕層向けのウェルスマネジメントサービスへ引き上げるための入口と見るべきだ。 Olive Infiniteで何が変わるのか Olive Infiniteの決済面では、「Olive フレキシブルペイ Visa Infinite」が提供される。基本還元率はクレジットモード・デビットモードで1.0%、ポイント払いモードで0.5%。買物利用枠は300万円から9999万円までとされ、入会後の利用特典として、入会月の3カ月後末までに税込100万円以上を利用すると10万ポイントが進呈される。継続特典は、年間400万円以上利用で4万ポイント、年間700万円以上利用で11万ポイントという設計だ。 プレミアムカードとしての特典も厚い。24時間365日対応のコンシェルジュサービス、世界1700カ所以上の空港ラウンジを利用できるプライオリティ・パス、毎月4枚のSHARE LOUNGEギフトチケット、ホテルステータスマッチ、ミュージアム・パス、ファインダイニング by 招待日和、4DX・ScreenXアップグレード、会員限定貸切上映会、Oliveヘルスケアなどが並ぶ。 ただし、これだけなら「三井住友カード Visa Infinite」と大きく重なる部分もある。Olive Infiniteならではの差別化は、Oliveコンサルティングを軸にした資産運用サービス、銀行口座特典、Olive残高に応じた優遇にある。 同時発表の中核機能:Oliveコンサルティング Oliveコンサルティングは、SMBCグループとSBIグループの連携によって展開される資産運用サービスの担い手だ。SBI証券のネット証券機能に、SMBC日興証券や三井住友銀行の知見を持つアドバイザーによるコンサルティング機能を組み合わせる。 サービスの入口になるのが、三井住友銀行アプリ内の「資産管理」だ。マネーフォワード MEとの連携により、預金、有価証券、保険などを含めた資産全体を見える化し、現状のポートフォリオを把握できる。さらに、専門家が設計したモデル・ポートフォリオとの比較、資産配分の診断、将来の評価額シミュレーション、SBI証券で取り扱う商品の確認・取引までをスマホ上でつなげる。 これまでのOliveは、決済・口座・証券をアプリでまとめる利便性が中心だった。これに対してOlive Infiniteでは、「資産を見える化する」「課題を発見する」「相談する」「取引する」という流れまで一体化する。ここが、従来のプレミアムカードと大きく違う。 フレキシブルコンサルティングとは何か Oliveコンサルティングの中でも注目すべきなのが、「フレキシブルコンサルティング」だ。資産運用に関する相談を、オンライン面談、対面、チャット、電話など、利用者の都合に合わせて選べる。初回はオンライン面談が基本となるが、2回目以降は相談内容や条件に応じて、チャット、電話、オンライン面談、対面相談を組み合わせられる。 さらに、アドバイザーを自分で選べる点も特徴だ。アドバイザーのプロフィールや得意分野を見ながら相談相手を選択でき、2回目以降は同じアドバイザーを継続して指名することもできる。条件を満たす利用者は、より専門性の高い「プレミアムアドバイザー」も選択可能になる。 この設計は、従来の銀行窓口とは違う。銀行側が担当者を割り当てるのではなく、利用者がアプリ上で相談相手や相談手段を選ぶ。いわば「ネット証券の自由さ」と「対面金融の安心感」を折衷したモデルだ。 Oliveコンサルティングの5つの特典 Olive Infiniteを語るうえで、Oliveコンサルティング側の特典も外せない。特典はカード還元だけでなく、資産残高やOliveアカウントランクと結びついている。 特典 内容 ポイント アドバイザー相談 資産運用に関する悩みをアドバイザーへ相談可能 条件を満たすとアドバイザー選択やプレミアムアドバイザーも利用可能 IPOチャレンジポイント Olive残高水準やアカウントランクに応じてSBI証券のIPOチャレンジポイントを付与 カード利用だけでなく資産残高が特典に反映される SBI証券専用コールデスク Olive残高水準またはアカウントランクに応じて専用窓口を案内 証券取引まわりのサポートを優先化 クレカ積立ポイント上乗せ 三井住友カードつみたて投資のポイント付与率をランク別に上乗せ Olive Infiniteは最大6.0% 年会費無料特典 条件達成でOlive フレキシブルペイ Visa Infiniteやプラチナプリファードの年会費が無料 残高条件と利用条件を満たす人ほど価値が出る ここで重要なのは、特典の評価軸が「カードをいくら使ったか」だけではないことだ。三井住友銀行の円普通預金残高、SBI証券残高、Olive残高などが関係する。つまり、Olive Infiniteは“決済額の大きい人”だけでなく、“資産をSMBC・SBI経済圏に置く人”を優遇する仕組みになっている。 他のOliveランクと比較すると違いが見える Olive Infiniteを単体で見ると、年会費9万9000円の高さが目立つ。しかし、他のOliveランクと並べると、どこが本当の差別化ポイントなのかが見えてくる。 ランク 年会費 通常還元率 クレジット・デビット クレカ積立 最大付与率 主な位置づけ Olive 一般 無料 0.5% 最大2.5% 年会費をかけずにOliveを使いたい人向け Olive ゴールド 通常5500円 年間100万円利用で翌年以降無料 0.5% 最大3.0% 日常決済を集約すればコスパが出やすい Olive プラチナプリファード 3万3000円 1.0% 最大5.0% ポイント還元とクレカ積立を重視する高利用者向け Olive Infinite 9万9000円 条件達成で無料 1.0% 最大6.0% 決済・預金・証券・相談をまとめたい富裕層向け この比較で分かる通り、Olive Infiniteは通常還元率だけで見ると、プラチナプリファードと同じ1.0%だ。クレカ積立の最大付与率も、プラチナプリファードの最大5.0%に対してInfiniteは最大6.0%で、差は1ポイントにとどまる。 つまり、ポイント還元だけを目的にOlive Infiniteを選ぶのは合理的とは言い切れない。年会費差を考えると、日常決済とポイント重視ならプラチナプリファードやゴールドの方が分かりやすい選択肢になる。 一方で、Olive Infiniteは、資産運用相談、アドバイザー選択、銀行口座特典、SBI証券連携、Visa Infiniteの体験価値をまとめて使う人に向いている。単なるカードではなく、金融生活全体をひとつのアプリとグループ内サービスに寄せる人ほどメリットが大きくなる。 銀行口座特典もInfiniteだけ上位仕様 Olive Infiniteでは、銀行口座まわりの特典も強化される。SMBCダイレクトの他行あて振込手数料は月10回まで無料、コンビニATM手数料も月10回まで無料。三井住友銀行本支店ATM、定額自動入金、定額自動送金「きちんと振込」は何回でも手数料無料となる。また、Oliveの「選べる特典」は3個選択できる。 この銀行特典は派手ではないが、意味は大きい。Olive Infiniteは、カード決済だけでなく、三井住友銀行口座をメイン口座として使わせる設計になっている。振込、ATM、定額入金、定額送金の手数料を抑えることで、給与受取、生活費管理、証券口座への資金移動までをOlive内に集約しやすくする。 三井住友カード Visa Infiniteとの違い…
pring(プリン)がサービス終了へ。「1円から送れる」送金アプリは、なぜ終わるのか

送金アプリ「pring(プリン)」が、サービス終了を発表しました。 pringは、2026年8月24日に資金移動業を廃止し、2026年12月1日にカスタマーサポートを含むすべてのサービスを終了する予定です。チャージ、セブン銀行ATMでの出金、加盟店決済、個人間送金などの主要機能は、2026年8月17日から順次停止されます。 pringは、単なるQRコード決済アプリではありませんでした。むしろ記憶に残っている人にとっては、「お金を送る」という行為を、銀行振込でも現金手渡しでもなく、メッセージの延長に置いたアプリだったのではないでしょうか。 割り勘、立て替え、お小遣い、ちょっとしたお礼。そうした日常の小さなお金のやりとりを、スマホ上で軽く済ませられる。しかも1円から送れる。pringは、そんな「お金コミュニケーション」を前面に出したサービスでした。 銀行口座直結のウォレットとして始まったpring pringの原点は、2017年に始まった銀行口座直結型のウォレット構想にあります。 みずほフィナンシャルグループ、みずほ銀行、メタップス、WiLが新たな決済サービスを目的に提携し、その流れの中でpringの実証実験が進められました。2017年10月には、みずほ銀行の口座から電子マネーへチャージし、SNSや電話番号を使った送金、加盟店でのQRコード決済などを検証する取り組みが始まっています。 つまりpringは、最初から「銀行口座とスマホアプリをなめらかにつなぐ」ことを狙ったサービスでした。キャッシュレス決済が一気に広がる直前の時期に、銀行系の安心感と、スタートアップらしい使いやすさを組み合わせようとしていたのです。 ローンチ当初の魅力は「無料」と「戻せる」こと pringの正式版は、2018年3月にiOS版とAndroid版がリリースされました。 当時の売り文句は、とてもわかりやすいものでした。 おくる、もらう、はらう、チャージ、口座に戻す。これらをすべて無料で使える。 この「全部無料」という設計は、当時のユーザーにとって大きな魅力でした。友人に送金するだけで手数料がかかる銀行振込と比べると、pringははるかに気軽でした。飲み会の割り勘や、誰かが立て替えた少額のお金を返す場面では、数百円、数十円、あるいは1円単位のやりとりが自然にできました。 もうひとつ大きかったのが、「チャージしたお金を銀行口座に戻せる」ことです。 多くの電子マネーは、一度チャージすると現金や銀行口座に戻しにくいものです。ところがpringは、銀行口座からチャージし、アプリ内で使ったり送ったりしたあと、必要に応じて銀行口座へ戻すことができました。 この設計は、ユーザーにとって安心感がありました。アプリ内にお金が閉じ込められるのではなく、自分の銀行口座と行き来できる。そこがpringらしさでした。 「お金から、なかよく。」という発想 pringが面白かったのは、お金のやりとりを単なる決済処理として見ていなかったことです。 ローンチ当初から、pringは「お金コミュニケーションアプリ」を掲げていました。たとえば、立て替えていたお金を返してもらうとき、相手にメッセージを送るような感覚でお金をやりとりできる。対面ならQRコードを見せて読み取ってもらうだけ。アプリを使っていない相手にも、LINEやSMS経由で送金のきっかけを作れる。 お金の催促は、どれだけ親しい相手でも少し気まずいものです。飲み会の幹事をしたあと、まだ払っていない人に声をかける。家族に立て替え分を返してもらう。友人に数百円を請求する。こうした場面で、pringは「言いにくさ」を減らす道具になっていました。 「1円から送れる」という機能は、実用面だけでなく、サービスの思想をよく表していました。お金を送ることを、もっと軽く、もっと日常的なコミュニケーションにする。その発想が、pringの初期の魅力でした。 Googleによる買収で高まった期待 pringが大きく注目されたのは、2021年のGoogleによる買収です。 2021年7月、pringはGoogleによる株式取得に向けた契約を締結したと発表しました。当時、pringの主要株主だったメタップス、ミロク情報サービス、日本瓦斯などが株式をGoogleへ売却することになり、Googleが日本の送金・決済領域に本格的に踏み込むのではないかと話題になりました。 pringには、資金移動業者としての送金機能、銀行口座との接続、個人間送金、加盟店決済、法人送金といった要素がありました。Googleにとっては、日本で金融サービスを展開するうえでの足場になると見られたのです。 買収発表時点では、pringのサービスに変更はないと案内されていました。そのため、当時は「Google PayやGoogle Walletとどう連携するのか」「日本のキャッシュレス市場でGoogleがどのような戦略を取るのか」といった期待がありました。 しかし、その期待は、少なくともpringというブランドの消費者向けアプリにおいては、大きな形では実現しませんでした。 なぜpringは衰退したのか pringの衰退の理由はいくつか考えられます。 まず大きいのは、個人間送金アプリにおけるネットワーク効果の難しさです。 送金アプリは、自分だけが使っていても価値が出にくいサービスです。お金を送りたい相手も同じアプリを使っている必要があります。どれだけ使いやすくても、周囲の友人、家族、同僚が使っていなければ、結局は別の手段に戻ってしまいます。 この点で、pringはPayPay、楽天ペイ、d払い、au PAY、LINE Payのような巨大なユーザー基盤を持つサービスと競争することになりました。特にPayPayは、加盟店開拓、大規模キャンペーン、ポイント還元、金融サービス連携を通じて、日常決済の中に強く入り込んでいきました。 送金だけでなく、買い物、ポイント、クーポン、請求書支払い、投資、ローン、保険などをまとめて提供する巨大経済圏に対して、pringのような送金特化型アプリが単独で存在感を保つのは難しくなっていきました。 次に、pringの初期の強みだった「無料」が、ビジネスとしては重荷になった可能性があります。 ユーザーから見ると、送金無料、出金しやすい、銀行口座に戻せるという設計は非常に便利です。しかし事業者側から見ると、銀行接続、本人確認、不正利用対策、カスタマーサポート、ATM連携、システム運用にはコストがかかります。 手数料無料の個人間送金を維持するには、十分な決済利用、加盟店手数料、法人送金、あるいは別の金融サービスとの連携で収益を作る必要があります。ところが市場では、より大きな資本力を持つ決済アプリがポイント還元や加盟店網を武器にユーザーを囲い込んでいました。 また、銀行口座直結という便利さは、同時に規制対応やセキュリティ対応の重さも伴います。2020年以降、資金移動業者と銀行口座を連携した不正出金問題が社会的に注目され、本人確認や認証の厳格化が進みました。これは業界全体にとって必要な対応でしたが、小さな送金アプリにとっては、サービス維持の負担を増やす要素にもなりました。 実際、pringは2024年に一部銀行との接続を終了し、同年6月には新規アカウント登録の受付も終了しました。さらに入金、送金、出金、残高上限の見直しや、公式アカウント、投げ銭、メンバーシップカードの終了も発表されました。 新規ユーザーの入口を閉じた時点で、pringの消費者向けアプリは「成長させるサービス」から「縮小・整理するサービス」へと変わっていたと見るのが自然です。 そして最後に、Google買収後の位置づけの問題があります。 Googleによる買収は、pringにとって大きな転機でした。しかし、買収後にpringブランドのアプリが大規模に再成長することはありませんでした。Googleにとって重要だったのは、pringというアプリそのものよりも、日本での資金移動業、銀行接続、決済・送金関連の知見や基盤だった可能性があります。 もちろん、これは外部からの推測にすぎません。ただ、買収後もpringアプリがGoogleの主要プロダクトとして前面に出ることはなく、最終的には新規登録停止、機能縮小、そしてサービス終了へと向かいました。 キャッシュレス市場が伸びても、すべてのサービスが残るわけではない pringの終了は、キャッシュレス市場が縮小したから起きたわけではありません。むしろ日本のキャッシュレス決済は拡大を続けています。 しかし、市場が伸びることと、すべてのサービスが生き残ることは別です。キャッシュレス決済の世界では、ユーザー数、加盟店数、ポイント経済圏、金融サービスとの連携、セキュリティ対応、運用コストが重要になります。 象徴的なのは、LINE Payです。LINE Payは国内登録者数が4,400万人を超える規模を持っていましたが、それでも日本国内ではPayPayに一本化される形でサービス終了が決まりました。これほど大きなサービスですら整理される市場環境の中で、pringが単独アプリとして存在感を保つのは、かなり難しかったと考えられます。 つまり、pringの衰退は「サービスが悪かったから」というより、キャッシュレス決済・送金市場の競争構造が変わった結果と見るべきでしょう。 初期のpringは、送金を軽く、やさしく、日常的なものにするという点で優れていました。しかし市場が成熟するにつれ、ユーザーは「送金ができるアプリ」ではなく、「普段の買い物でも使える」「ポイントが貯まる」「周りの人も使っている」「金融サービスともつながっている」アプリを選ぶようになりました。 その変化の中で、pringの良さは徐々に埋もれていったのです。 pringが残したもの pringは、PayPayのように巨大な日常決済圏を築いたわけではありません。LINE Payのようにメッセンジャーアプリと一体化した大規模サービスでもありませんでした。 それでもpringは、日本のキャッシュレス史の中で記憶に残るサービスです。 1円から送れる。メッセージ感覚で請求できる。チャージしたお金を銀行口座へ戻せる。セブン銀行ATMで現金化できる。法人から個人への送金にも使える。 これらの機能は、単に便利だっただけではありません。お金のやりとりを、もっと気軽で、もっと人間関係に寄り添ったものにしようとしていました。 「お金から、なかよく。」 この言葉は、pringというサービスの本質をよく表していました。 サービスは終わります。しかし、pringが試みた「お金をコミュニケーションにする」という発想は、今後の送金サービスや金融アプリにも受け継がれていくはずです。 残高を持っているユーザーは、公式案内に従って、銀行口座への出金や払い戻しのスケジュールを確認しておく必要があります。特に、登録銀行口座の情報に不備がある場合や、口座登録が済んでいない場合は、返金手続きに支障が出る可能性があります。 pringは終わりますが、キャッシュレスの歴史の中で、送金を「決済」ではなく「コミュニケーション」として見せたサービスとして、ひとつの役割を果たしたと言えるでしょう。
ファミリーマートが楽天SPU対象に、2026年7月から楽天市場の最大倍率は18.5倍へ

ファミリーマート、楽天グループ、楽天ペイメントは2026年5月22日、楽天市場のポイントアッププログラム「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」に、コンビニエンスストア「ファミリーマート」が参加すると発表した。開始日は2026年7月1日。楽天グループ外の企業がSPU対象サービスに加わるのは初めてとなる。 今回の追加により、楽天市場のSPU最大倍率は現在の最大18倍から、2026年7月1日以降は最大18.5倍に引き上げられる。楽天市場を日常的に利用しているユーザーにとっては、ファミリーマートでの買い物が楽天市場の還元率に影響する新たな仕組みとなる。 ファミマSPUの条件は「月3,000円以上」 新たに追加される「楽天ポイントカード+ファミリーマート」のSPUでは、ファミリーマートで楽天ポイントカードを提示し、月間3,000円(税込)以上買い物をすると、条件達成月の楽天市場での買い物に対してポイントが+0.5倍となる。エントリーは不要だ。 項目 内容 開始日 2026年7月1日(水) 対象サービス 楽天ポイントカード+ファミリーマート SPU倍率 +0.5倍 達成条件 ファミリーマートで楽天ポイントカードを提示し、月間3,000円(税込)以上購入 エントリー 不要 月間獲得上限 500ポイント ポイント付与予定日 楽天市場での買い物月の翌々月15日 ポイント種別 期間限定ポイント 注意したいのは、条件達成には「楽天ポイントカードの提示」が必要な点だ。楽天ペイや楽天カードで支払っていても、楽天ポイントカードを提示していなければ集計対象外となる。楽天ポイントカードを連携したファミマのアプリ「ファミペイ」を提示した買い物は対象となる。 また、たばこ、公共料金、収納代行、金券類、マルチコピー機を使用したサービスなどは、購入金額の集計対象外となる。条件達成後、SPU対象として反映されるまでには2〜4日程度かかる。 楽天SPUはどう変わるのか 今回のファミリーマート追加により、楽天SPUは「楽天グループ内サービスを使うほど楽天市場の還元率が上がる仕組み」から、外部企業のリアル店舗利用も組み込む形へ広がることになる。 これまでのSPUは、楽天モバイル、楽天カード、楽天銀行、楽天証券、楽天トラベル、楽天ブックス、楽天Kobo、楽天ラクマなど、基本的には楽天グループ内のサービス利用が中心だった。そこに全国展開するコンビニであるファミリーマートが加わることで、楽天市場と実店舗の購買行動がより強く結びつく。 ただし、倍率は+0.5倍、月間獲得上限は500ポイントである。楽天市場で月10万円前後の買い物をすると上限に到達するため、インパクトとしては大きな還元強化というより、日常利用で拾いやすい小幅な上乗せと見るのが現実的だ。 楽天市場での月間購入額(税抜) ファミマSPUで増えるポイント目安 10,000円 50ポイント 30,000円 150ポイント 50,000円 250ポイント 100,000円 500ポイント(上限) 直近の楽天SPUは「最大倍率アップ」でも改悪が目立った 今回のファミリーマート追加は、ユーザーにとってプラスの変更だ。しかし、ここ数年の楽天SPUを振り返ると、最大倍率が上がる一方で、獲得上限の引き下げや条件の厳格化も続いてきた。 時期 主な変更 ユーザーへの影響 2023年9月 楽天市場アプリ利用によるSPU特典が終了 最大倍率が16倍から15.5倍へ低下 2023年12月 SPUの大幅改定。楽天モバイル関連の倍率は上がった一方、複数サービスで獲得上限が引き下げられた モバイル利用者にはプラス面があるが、高額購入者には改悪色が強い変更 2024年4月 楽天でんきがSPU対象に追加 最大倍率が16.5倍から17倍へ上昇 2024年11月 楽天KドリームスがSPU対象に追加 最大倍率が17倍から17.5倍へ上昇。ただし万人向けの条件とは言いにくい 2025年2月 楽天モバイル、楽天モバイルキャリア決済、Rakuten Turbo/楽天ひかりでエントリーが必要に 条件達成の手間が増え、エントリー漏れのリスクが発生 2025年4月 楽天ラクマがSPU対象に追加 最大倍率が17.5倍から18倍へ上昇。ただし販売・発送通知完了が条件 2025年10月 楽天ふるさと納税での寄付が、原則として楽天ポイント付与対象外に 楽天ふるさと納税でポイント還元を狙っていたユーザーには大きな改悪 2026年7月 ファミリーマートがSPU対象に追加 最大倍率が18倍から18.5倍へ上昇。日常利用で達成しやすい条件 特に大きかったのは2023年12月の改定だ。楽天モバイル契約者向けの倍率は上がったものの、楽天銀行+楽天カードの倍率は最大+1倍から最大+0.5倍に下がり、楽天ブックスと楽天Koboは1,000円以上購入から3,000円以上購入へ、Rakuten Fashionアプリはアプリ購入から5,000円以上購入へと条件が厳しくなった。 また、2025年2月には楽天モバイル関連の3サービスがエントリー必須となった。従来はSPU全サービスがエントリー不要だったため、ユーザーにとっては見落としやすい変更だった。 さらに、2025年10月には楽天ふるさと納税での寄付が原則として楽天ポイント付与対象外となった。楽天市場の買いまわりやSPUと組み合わせてふるさと納税を利用していたユーザーにとっては、こちらも影響の大きい改悪だった。 今回のファミマ追加は「改善」だが、過去の改悪を埋めるほどではない 今回のファミリーマート追加は、条件の達成しやすさという点では評価できる。楽天ラクマのように販売実績が必要なものや、楽天証券・楽天銀行のように金融サービスの利用が必要なものと比べると、コンビニで月3,000円の買い物という条件は日常生活の中で達成しやすい。 一方で、上限は月500ポイントにとどまる。楽天市場で高額購入するユーザーにとっては、2023年以降に続いた獲得上限の引き下げや、楽天ふるさと納税のポイント対象外化を補うほどのインパクトはない。 つまり今回の変更は、楽天SPU全体が大きく改善したというより、生活圏にあるファミリーマートを通じて、楽天ポイント経済圏への接点を増やす施策と見た方がよい。 ファミマを普段使いしている楽天ユーザーは取りに行く価値あり ファミリーマートを日常的に使っている楽天ユーザーにとって、今回のSPU追加は素直にプラスだ。月3,000円以上の購入で+0.5倍が取れるため、飲料、軽食、日用品などの購入で自然に条件を満たせる人は多いだろう。 ただし、SPUのために不要な買い物を増やす必要はない。+0.5倍の上限は500ポイントであり、ファミマで3,000円以上使うために支出を増やしてしまうと本末転倒になる。 結論としては、ファミマを普段使いしている人は確実に拾いたい+0.5倍。ただし、楽天SPU全体としては「最大倍率が上がった」という見た目ほどの大幅改善ではない。近年のSPUは、追加サービスで最大倍率を押し上げる一方、上限や条件の面では厳しくなる傾向が続いている。今回のファミマ追加も、その流れの中で見る必要がある。 まとめ ファミリーマートのSPU参加により、楽天市場のSPU最大倍率は2026年7月から18.5倍となる。条件は、ファミリーマートで楽天ポイントカードを提示し、月間3,000円(税込)以上購入すること。エントリーは不要で、月間獲得上限は500ポイントだ。 楽天グループ外企業がSPU対象サービスに加わるのは初めてであり、楽天市場とリアル店舗をつなぐ新しい取り組みとして注目される。一方で、近年のSPUは獲得上限の引き下げや条件厳格化も多く、今回の追加だけで過去の改悪感が払拭されるわけではない。 ファミマをよく使う人にとっては取りやすい改善、使わない人にとっては無理に追う必要のない小幅な上乗せ。今回のファミマSPUは、そう位置づけるのが現実的だ。
りそな、JCBの「J-POINT」導入へ 2027年度にポイントサービス刷新予定

りそなグループは2026年5月18日、第一ライフグループおよびジェーシービー(JCB)と、個人向けビジネスに関する協業に向けた基本合意を締結したと発表した。これにあわせて、くらしを起点とした個人向け新サービス「りそなプラス」を2026年9月下旬を目途に開始する。 今回の取り組みでは、JCBが提供するポイントサービス「J-POINT」を活用し、りそなグループのポイントサービスをリニューアルする予定だ。銀行取引に応じて「J-POINT」が付与される仕組みを構築し、JCBカードを持っていない利用者にも「J-POINT」ブランドの新たなポイントを提供することを計画している。 リニューアル対象となるのは、りそな銀行・埼玉りそな銀行の「りそなクラブ」、関西みらい銀行の「関西みらいクラブ」、みなと銀行の「みなとクラブ」。ポイントは決済での利用に加え、さまざまな商品・景品などへの交換が可能なプログラムとして導入される予定で、詳細は現在検討中としている。 「りそなプラス」は、銀行取引にとどまらず、日々の生活の中で「便利さ」「お得さ」「安心感」を提供することを目指す個人向けサービス。第一弾として、2026年9月下旬から、りそなグループアプリを通じて「くらしの優待」の提供を開始する予定だ。 「くらしの優待」では、りそなグループの口座を開設した利用者が、第一ライフグループ子会社のベネフィット・ワンが提供する国内外最大140万件以上の優待コンテンツを利用できるようになる。今後は、位置情報や利用者の趣味・志向に応じた優待案内、アプリを持っているだけで割引優待が自然に適用されるサービスの実現も目指す。 りそなグループは、キャッシュレス決済や共通ポイント、デジタルサービスの進展を背景に、従来の金融商品提供にとどまらない生活密着型サービスの必要性が高まっていると説明している。今回の協業により、第一ライフグループの生活サービス領域の知見と、JCBの決済・ポイント領域の基盤や加盟店ネットワークを組み合わせる。 ポイントサービス刷新は2027年度を予定しており、金融・決済・生活サービスを横断した新たなリテールサービスの展開が注目される。
三菱UFJニコス、海外事務手数料を最大4.50%に引き上げ 主要クレカで初の4%台入り 対策は?

三菱UFJニコスは2026年5月15日、外貨建てショッピング利用時に円換算するための事務処理手数料を引き上げると発表した。改定後の手数料は税抜4.09%。税込ではVisaとMastercardが4.50%、JCBが4.34%、アメリカン・エキスプレスが4.30%となる。 適用開始は、三菱UFJカード会員およびフランチャイジー各社発行カードが2026年11月16日利用分から、NICOSカード会員が2026年11月6日利用分から。ただし、実際の適用は加盟店からカード会社へ売上データが届くタイミングによって前後する場合がある。 海外でクレジットカードを使う人にとって、今回の改定は大きい。国内の主要クレジットカードでは、ここ数年で海外事務手数料の引き上げが相次いできたが、多くは税込3.63%または3.85%が上限に近い水準だった。三菱UFJニコスの新料率は、その一段上となる「4%台」に入る。 改定内容:Visa/Mastercardは税込4.50%へ 国際ブランド 改定前 改定後 Visa 3.50%(税込3.85%) 4.09%(税込4.50%) Mastercard 3.50%(税込3.85%) 4.09%(税込4.50%) JCB 2.00%(税込2.04%) 4.09%(税込4.34%) American Express 2.00%(税抜・税込同一) 4.09%(税込4.30%) 10万円を外貨建てで決済した場合、Visa/Mastercardでは事務処理手数料だけで約4,500円となる。3.85%のカードなら約3,850円、3.63%なら約3,630円、1.60%のカードなら約1,600円だ。海外旅行や海外通販でまとまった金額を使う人ほど、カード選びによる差は大きくなる。 「クレカの海外事務手数料4%台」は初めてのインパクト 今回のポイントは、単なる値上げではなく、主要クレジットカードの海外事務手数料が4%台に入ったことだ。 近年、楽天カードや三井住友カードは税込3.63%、エポスカード、セゾンカード、PayPayカード、dカードなどは税込3.85%へ引き上げている。つまり、国内主要カードの高めの水準はおおむね3%台後半だった。 その中で、三菱UFJニコスのVisa/Mastercardは税込4.50%、JCBとアメリカン・エキスプレスも税込4.30%台となる。すべての提携カードや特殊カードまで網羅して「国内初」と断定するのは慎重であるべきだが、少なくとも大手カード会社の一般的な海外ショッピング手数料としては、かなり異例の4%台入りといえる。 プリペイドカードより高い、または同水準に 今回の改定で気になるのは、クレジットカードでありながら、海外利用時の手数料が一部のプリペイドカードより高くなる点だ。 カード・サービス 海外利用時の主な手数料 比較 三菱UFJニコス Visa/Mastercard 税込4.50% 今回の改定後水準 三菱UFJニコス JCB 税込4.34% 4%台 三菱UFJニコス American Express 税込4.30% 4%台 au PAY プリペイドカード 4.00% 三菱UFJニコスの改定後のほうが高い dカード プリペイド 3.63% 三菱UFJニコスの改定後のほうが高い JAL Pay 取扱15通貨以外は4.00% 三菱UFJニコスの改定後のほうが高い Kyash Card 4.50% Visa/Mastercardは同水準 Vプリカ 4.50% Visa/Mastercardは同水準 プリペイドカードは与信がないぶん、海外利用時の手数料が高めに設定されることがある。それでも、今回の三菱UFJニコスの新料率は、au PAYプリペイドカードやdカード プリペイドを上回り、Kyash CardやVプリカと同水準になる。海外決済コストだけを見れば、「クレジットカードだからプリペイドより有利」とは言いにくくなってきた。 どれを選ぶのがおすすめか 結論からいえば、海外で使うカードは「手数料の低さ」「使える場所の多さ」「補償・保険」「デポジット対応」の4点で選びたい。 1. 手数料重視なら、低料率のクレカまたはデビット系を検討 海外事務手数料を抑えたいなら、まずは1.60%前後のカードが候補になる。たとえばJCBグループ発行カードでは、海外利用時に基準レートへ1.60%を加えた換算レートが適用される。イオンカードも海外ショッピング利用時の手数料は1.60%としている。 ただし、JCBはハワイ、台湾、韓国などでは使いやすい一方、欧米や一部地域ではVisa/Mastercardより加盟店網が弱いことがある。JCBをメインにする場合でも、VisaまたはMastercardをサブで持つのが現実的だ。 2. Wise、Revolut、Sony Bank WALLETは海外決済の有力候補 海外通販や旅行中の通常決済では、Wiseデビットカード、Revolut、Sony Bank WALLETのようなデビット・送金系サービスも候補になる。 Wise:同じ通貨の残高から支払う場合はカード決済手数料が無料。通貨を両替する場合は通貨ごとの両替手数料がかかる。 Revolut:海外事務手数料0%をうたうが、無料プランでは月間無料枠、週末手数料、チャージ方法による手数料に注意が必要。 Sony Bank WALLET:対象10通貨の外貨口座に残高があれば、海外ショッピング時の事務処理経費なしで外貨残高から支払える。対象外通貨や外貨口座未開設時は1.79%の事務処理経費がかかる。 ただし、これらはクレジットカードではない。ホテルやレンタカーのデポジット、航空券購入時の補償、旅行保険の利用条件などでは、クレジットカードのほうが使いやすい場面もある。 3. 三菱UFJニコスのカードは「海外メイン決済」からは外しやすく・・・ 今回の改定後、三菱UFJニコスのカードを海外でメイン決済にするメリットは、手数料面では薄くなる。国内利用、特典、ポイント、保険、カードランクのメリットがある人は引き続き保有する価値があるが、海外旅行や海外通販で大きな金額を使う場合は、別の低コスト決済手段を用意したほうがよい。 特に、外貨建てで航空券、ホテル、海外EC、サブスクリプションを支払う人は、毎回の手数料差が積み上がる。年に数十万円以上の海外利用があるなら、カードの見直し効果は大きい。 選び方のポイント 国際ブランドだけでなく発行会社を見る VisaやMastercardだから一律ではない。手数料はカード会社ごとに違う。 ポイント還元率を差し引いた実質コストで見る たとえば手数料4.50%で還元率0.5%なら、実質負担は約4.0%。それでも低料率カードとの差は大きい。 現地では必ず「現地通貨建て」で払う 海外店舗やATMで「日本円で払うか」と聞かれた場合、日本円建て決済は独自の高い為替レートが使われることがある。原則として現地通貨建てを選びたい。 ホテル・レンタカー用にクレカは1枚残す デビットカードやプリペイドカードは、デポジットや本人確認で使いにくい場合がある。 旅行保険の条件を確認する 海外旅行保険が利用付帯の場合、旅行代金をそのカードで支払う必要がある。手数料だけでなく、保険の発動条件も確認しておきたい。 まとめ:海外利用者はカードの持ち替えを検討する時期 三菱UFJニコスの海外事務手数料引き上げは、クレジットカードの海外利用コストが新たな段階に入ったことを示している。税込4.50%という水準は、もはや一部プリペイドカードより高く、プリペイドカード上位の手数料とも同等だ。 海外利用が少ない人にとっては大きな影響がないかもしれない。しかし、海外旅行、海外通販、外貨建てサブスク、留学、出張などで継続的に外貨決済をする人は、手数料の低いクレジットカード、WiseやRevolut、Sony Bank WALLETなどを組み合わせることで、年間の決済コストを抑えられる。 これからの海外決済は、「いつものクレカ1枚」ではなく、用途別にカードを使い分ける時代になりそうだ。
JCB、タッチ決済乗車で10%還元 先行する三井住友カードに対抗

ジェーシービー(JCB)は、JCB ORIGINALシリーズ会員向けのポイントアップサービス「J-POINTパートナー」に、公共交通機関のタッチ決済乗車「クレカ乗車」を追加する。2026年5月16日利用分から1年間、対象の電車やバスなどでJCBのタッチ決済対応カード、またはJCBカードを設定したスマートフォンなどを使って乗車すると、通常ポイントを含めて合計10%相当のJ-POINTが還元される。 今回の施策は、クレジットカードのタッチ決済による公共交通機関の利用拡大を背景にしたものだ。JCBによると、対象となる公共交通機関は全国約190事業者。鉄道や路線バスに加え、空港連絡バス、都市間高速バス、フェリー、ロープウェイなども含まれる。 利用には、JCB ORIGINALシリーズ会員向けのポイントアップ登録が必要となる。J-POINTパートナーは、事前にポイントアップ登録をしたうえで対象店舗を利用すると、通常より多くポイントがたまるサービス。今回、「クレカ乗車」が10%還元対象に加わった。 また、JCBカード W、JCBカード W plus L、JCB Biz ONEを持つ会員は、今回の還元率にさらに0.5%分が上乗せされる。対象カードを日常的に使っている利用者にとっては、通勤や通学、買い物、旅行などの移動でポイントをためやすくなる。 タッチ決済乗車をめぐっては、三井住友カードもすでに優待を展開している。三井住友カードは2026年4月13日から、対象の公共交通機関で「スマホのタッチ決済乗車」を利用した場合に、最大8%相当を還元するサービスを開始している。 三井住友カード発行のVポイント対象カードでは7%相当、Oliveフレキシブルペイのクレジットモードでは8%相当のVポイントが還元される。一方で、三井住友カードの通常特典はスマートフォンでのタッチ決済乗車が対象で、カード現物によるタッチ決済乗車は対象外となっている。 JCBと三井住友カードの主な違いは以下の通り。 比較項目 JCB「クレカ乗車」 三井住友カード「スマホのタッチ決済乗車」 還元率 合計10%相当のJ-POINT還元 通常7%相当。Oliveフレキシブルペイのクレジットモードは8%相当 開始日・期間 2026年5月16日利用分から1年間 2026年4月13日開始。終了日は公式ページ上では明記されていない 対象の乗車方法 JCBのタッチ決済対応カード、またはJCBカードを設定したスマートフォンなど 対象カードを設定したスマートフォンでのタッチ決済乗車 カード現物での利用 対象 対象外 対象交通機関 電車、バスなど全国約190事業者 全国の対象鉄道・バス事業者 対象カード JCB ORIGINALシリーズ対象カード 三井住友カード発行のVポイントが貯まる個人クレジットカードなど 事前登録・条件 J-POINTパートナーでポイントアップ登録が必要 対象カードをスマートフォンに設定し、対象路線でスマホのタッチ決済乗車を利用 特典上限 JCBの発表上、上限の明記は確認できない カード券種ごとに毎月1,000ポイント、または1,000円 特徴 還元率が10%と高く、カード現物でも利用できる OliveやVポイント利用者と相性がよく、スマホ決済利用者向け 比較すると、日常的な通勤・通学で継続して使う場合は、JCBの10%還元が三井住友カードの通常7〜8%還元を上回る。さらにJCBは、タッチ決済対応カード現物でも利用できる点が大きい。スマートフォン決済を使わない人でも、カードを改札機や運賃箱の専用端末にかざすだけで対象になるため、利用のハードルは低い。 一方、三井住友カードはOliveやVポイントを日常的に使っている利用者にとって相性がよい。対象カードをスマートフォンに設定しておけば、対象の鉄道・バスで乗車するだけでポイント還元を受けられるため、すでに三井住友カードやOliveをメインカードとして使っている人には使いやすい仕組みだ。 ただし、三井住友カードの通常特典では、カード現物によるタッチ決済乗車は対象外となる。Apple Pay、Google Pay、Samsung PayのVisaのタッチ決済、またはApple PayのMastercardのタッチ決済など、スマートフォンでの利用が前提だ。この点では、カード現物でも対象になるJCBのほうが幅広い利用者に対応している。 また、対象外となる取引にも注意が必要だ。三井住友カードでは、オンラインショッピング、交通系ICカードへのチャージ、駅構内や停留所内の売店利用、定期券購入などは対象外とされている。JCBについても、一部対象外の事業者や路線があるため、実際に利用する交通機関が対象かどうかを事前に確認する必要がある。 公共交通機関でのクレジットカードタッチ決済は、訪日外国人向けの利便性向上だけでなく、国内利用者の普段使いにも広がり始めている。JCBによると、2026年3月以降は関東の主要鉄道事業者も新たに参画し、首都圏でも事業者をまたいだ利用が広がっている。 JCBの10%還元は、こうした流れを後押しする施策といえる。三井住友カードが先行して展開してきたタッチ決済乗車の優待に対し、JCBはより高い還元率と、カード現物でも使える利便性を打ち出した。今後、公共交通機関でのタッチ決済乗車をめぐるカード会社間の競争は、さらに活発になりそうだ。
Wiseデビットカード、日本発行カードがApple Payに対応 iD/QUICPayではなくMastercardのタッチ決済で利用可能に

Wiseデビットカードが、日本発行カードでもApple Payに対応した。 これにより、日本のWiseユーザーは、物理カードを取り出さずにApple PayでWiseカード決済を利用できる。Apple Payへの追加はWiseアプリまたはAppleウォレットから行える。Wiseアプリでは「カード」タブから追加したいカードを選び、「Appleウォレットに追加」を選択する。Appleウォレットから追加する場合は、ウォレット右上の追加ボタンから「クレジットカードなど」を選び、必要に応じて認証を行う。 特徴:iD/QUICPayではなく「Mastercardのタッチ決済」 今回の対応で特に注目されるのは、日本発行のWiseカードが、iDやQUICPayではなく、国際ブランドのMastercardのタッチ決済としてのみ使う形になる点だ。おそらく日本において、一般的に利用可能なカードの中で、Apple PayでiD・QUICPayの付帯がなくMastercardのタッチ決済のみのカードはこれが初となる(Visaのタッチ決済のみのカードはKyashなど複数存在する)。 Wise公式ヘルプでも、Apple Payでの利用場所について「タッチ決済のロゴがある場所」と説明している。つまり、日本の一般的なApple Pay対応カードのようにiD/QUICPayで支払うのではなく、WiseカードはMastercardのタッチ決済対応端末で使う前提となる。 iDやQUICPayしか受け付けていない店舗では利用できないため、レジや決済端末にタッチ決済、またはMastercardのタッチ決済のマークがあるか確認したい。 Apple Pay利用時の手数料は無料 Apple Payの利用自体に手数料はかからない。カードをApple Payに追加する際、カードの動作確認のために少額の請求が行われる場合があるが、通常は0円で、請求があった場合も返金されるとしている。 Google Payは日本発行カードではまだ非対応 一方で、Android向けのGoogle Payについては、現時点で日本発行のWiseデビットカードは利用できない。Wise公式ヘルプセンターでも、Google Payに追加できるカードの発行国一覧を掲載したうえで、「現在、日本発行のカードはGoogle Payでご利用いただけません」と明記しているため、Androidユーザーは今後の対応を待つ形になる。 Samsung Payも日本発行カードは対象外 Samsung Payについても、日本発行のWiseデビットカードは追加対象外だ。Wise公式ヘルプでも、日本、フィリピン、ニュージーランドで発行されたカードを除き、WiseデビットカードをSamsung Payに追加できると案内されている。 まとめ 日本発行のWiseデビットカードがApple Payに対応したことで、iPhoneやApple WatchユーザーはWiseカードをより身軽に使えるようになった。特に海外旅行や外貨決済でWiseを使っているユーザーにとって、カードをAppleウォレットに追加できるメリットは大きい。 一方で、日本国内での使い方はiD/QUICPayではなく、Mastercardのタッチ決済が中心となる。Google PayやSamsung Payについては、日本発行のWiseカードではまだ利用できない。iPhoneユーザーには大きな前進だが、Androidユーザーにとっては今後の対応が待たれる状況だ。
ニューオータニ×ダイナースの新プレミアムカードは、「高還元」より“定宿化”を売る一枚

三井住友トラストクラブとニュー・オータニは、招待制カード「ニューオータニクラブ ダイナース プレミアムカード」の申込受付を2026年5月18日から開始する。年会費は本会員181,500円(税込)、家族会員は無料。入会はホテルニューオータニまたはダイナースクラブからの招待、もしくは既存の「ニューオータニクラブ ダイナースカード」からのアップグレードが基本となる。 このカードで最も注目すべきなのは、単に「黒い高級カードが増えた」という話ではない。ホテルニューオータニ東京の「エグゼクティブハウス 禅」に年1回泊まれるフリーステイ特典が付く点だ。対象はスタンダードダブル/ツイン36㎡で、同施設は「フォーブス・トラベルガイド」で7年連続5つ星を受賞している。 つまり、このカードの価値はポイント還元率やステータス感だけでは測りにくい。毎年ニューオータニの上位宿泊体験を使う前提なら、年会費の見え方が大きく変わる。一方で、ニューオータニをほとんど使わない人にとっては、特典の魅力がかなり限定されるカードでもある。 通常のダイナースプレミアムとの差額は16,500円 通常の「ダイナースクラブ プレミアムカード」の年会費は本会員165,000円(税込)、家族会員無料。今回のニューオータニクラブ ダイナース プレミアムカードは181,500円(税込)なので、差額は16,500円だ。 この差額で、エグゼクティブハウス 禅の年1回フリーステイ、ホテルニューオータニ東京・幕張・大阪・博多での客室アップグレード、ホテルイベントの優先予約、国内グループホテル利用時のポイント優遇などが追加されると考えると、ニューオータニ利用者にはかなり強い設計に見える。 逆に言えば、このカードは「どこでも使える万能カード」ではなく、「ニューオータニをよく使う人ほど得をしやすいカード」だ。ここを間違えると、年会費181,500円という数字だけが重く見えてしまう。 似たカードと比較すると、立ち位置がかなり違う カード 年会費(税込) 主な強み 向いている人 ニューオータニクラブ ダイナース プレミアムカード 181,500円 エグゼクティブハウス 禅の年1回フリーステイ、ニューオータニ各ホテルでの優待、ダイナースプレミアム特典 ニューオータニを定宿・会食・記念日利用で使う人 ダイナースクラブ プレミアムカード 165,000円 24時間コンシェルジュ、プレミアムラウンジ、レストラン優待、旅行・保険系サービス ホテル特化より、幅広いプレミアムサービスを使いたい人 Marriott Bonvoy アメックス・プレミアム 82,500円 条件達成でMarriott Bonvoy参加ホテルの無料宿泊特典、ホテルポイント、ゴールドエリート資格 国内外のマリオット系列ホテルを広く使う人 ヒルトン・オナーズ アメックス・プレミアム 66,000円 継続時のウィークエンド無料宿泊特典、ヒルトン系ホテルでの優待、ダイヤモンドステータス獲得を狙える設計 ヒルトン系列をよく使い、週末宿泊や朝食・ラウンジ特典を重視する人 ラグジュアリーカード Mastercard Black Card 110,000円 金属製カード、コンシェルジュ、ダイニング・ライフスタイル優待、ポイント還元 特定ホテルより、会食・接待・日常の上質感を重視する人 これは「ホテル版・固定ファン向けカード」 Marriott Bonvoyやヒルトンのカードは、ホテルチェーン全体を横断して使うイメージが強い。旅行先や出張先に応じて、国内外の対象ホテルを選べる柔軟さがある。ポイントを貯めて、どのホテルで使うかを後から決められるのも強みだ。 それに対して、ニューオータニクラブ ダイナース プレミアムカードは、もっと“場所が決まっている”カードだ。価値の中心は、ホテルニューオータニ東京のエグゼクティブハウス 禅、そしてニューオータニ各ホテルでの宿泊・食事・イベント利用にある。 これは弱点でもあり、強みでもある。使う場所が限定されるぶん、ニューオータニをよく使う人にとっては特典の輪郭がはっきりしている。ポイントを貯めてから使い道を探すのではなく、「毎年、禅に泊まる」「会食や記念日をニューオータニで使う」という生活動線がある人向けのカードだ。 発行記念キャンペーンも、ニューオータニ利用者向けに振り切っている 2026年11月17日申込分までは、発行記念キャンペーンも実施される。内容は、フリーステイ利用時の「エグゼクティブハウス 禅」限定「ピエール・エルメ・パリ」アフタヌーンティープレゼント、ホテルニューオータニ東京・幕張・大阪・博多で使える30,000円分のレストラン利用券、入会から3カ月以内に150万円以上利用した場合の30,000リワードポイント付与などだ。 ここでも特徴は明確だ。キャンペーン内容が、単なるポイントばらまきではなく、ニューオータニでの滞在・食事体験に寄せられている。カードの世界観を考えると、これはかなり自然な設計といえる。 このカードが向いている人・向いていない人 向いているのは、ホテルニューオータニを年に複数回使う人、エグゼクティブハウス 禅に毎年泊まりたい人、会食や記念日をニューオータニで過ごすことが多い人だ。通常のダイナースプレミアム特典に加えて、ホテル特化の上乗せを求める人にも合っている。 一方で、ニューオータニの利用頻度が低い人、ホテルをマリオット・ヒルトン・外資系ラグジュアリーホテルなどで幅広く選びたい人、年会費をポイント還元だけで回収したい人には向きにくい。特典の価値がニューオータニに集中しているため、使わなければ魅力は薄れる。 年会費の高さより、「ニューオータニを使う前提」があるか ニューオータニクラブ ダイナース プレミアムカードは、万人向けの高還元カードではない。むしろ、ニューオータニを日常の食事、記念日、宿泊、イベント利用の中心に置く人のためのカードだ。 通常のダイナースクラブ プレミアムカードとの差額は16,500円。その差額で、エグゼクティブハウス 禅の年1回フリーステイやニューオータニ独自のホテル特典が乗ると考えると、対象ユーザーにはかなり合理的に見える。 このカードの価値は、「どれだけポイントが貯まるか」よりも、「毎年ニューオータニに帰る理由があるか」で決まる。ホテルを選ぶカードではなく、ホテルを決めている人のためのカード。そこが、他のホテル系プレミアムカードとの一番大きな違いだ。
韓国旅行の決済を1枚に集約?「Travel Wallet」日本版が正式開始、Revolutとの違いは韓国の交通IC対応

韓国発の外貨交換・決済アプリ「Travel Wallet(トラベルウォレット)」が、日本市場で本格展開を始めた。株式会社トラベルウォレットJAPANは、スマートフォンアプリとプリペイドカード「Travel Payカード」を組み合わせた日本版サービスを2026年4月27日から正式提供している。 最大の特徴は、外貨両替、Visa加盟店での決済、韓国の地下鉄・市内バスで使える交通系IC機能を1枚のカードにまとめた点だ。韓国旅行では、現地でのカード決済に加えて、地下鉄やバス用に交通カードを用意するケースが多い。Travel Walletは、この「買い物用カード」と「移動用カード」を分けて管理する手間を減らすサービスとして打ち出されている。 46通貨に対応、韓国ウォン以外の旅行にも利用可能 Travel Walletでは、日本円から韓国ウォン、米ドル、ユーロ、タイバーツなど世界46通貨への交換に対応する。アプリ上で外貨建てのプリペイド残高に交換し、Travel Payカードで現地通貨決済を行う仕組みだ。 同社によると、韓国ウォンおよび基軸通貨の両替手数料は0%。その他の通貨については、通貨や取引条件、市場状況に応じて0.25%〜2.5%の両替手数料が適用される場合がある。海外決済手数料についても無料とうたっており、クレジットカードの海外事務手数料が気になる旅行者にとっては、比較対象になりそうだ。 ただし、Travel Walletは「現金への両替」やATMでの現金引き出しを主目的にしたサービスではない。韓国旅行中の屋台、市場、地方の小規模店舗など、現金が必要な場面がある場合は、別途現金の用意も考えておきたい。 韓国交通系ICとして使える点が最大の差別化ポイント Travel Payカードは、韓国の地下鉄・バスでタッチ乗車できる韓国交通系IC機能を備える。公式サイトでは、韓国交通系カードを別途購入する必要がなく、Travel Payカード1枚で韓国の地下鉄・バスに乗車できると説明されている。 特にソウルや釜山など、地下鉄とバスを組み合わせて移動する旅行では、交通カードの購入、チャージ、残高管理が地味なストレスになる。Travel Walletは、こうした移動まわりの不便を決済アプリ側で吸収しようとしている点で、一般的な海外プリペイドカードとは狙いが異なる。 なお、日本国内の交通系ICとしては利用できないため、SuicaやPASMOの代替にはならない。韓国旅行向けの交通・決済カードとして考えるのが自然だ。 Revolutとの違いは?広さのRevolut、韓国特化のTravel Wallet 海外旅行向けの多通貨カードとしては、Revolutを思い浮かべる人も多いだろう。Revolutは150以上の通貨でのカード決済に対応し、アプリ上での両替、バーチャルカード、Apple PayやGoogle Payとの連携、ATM出金などを強みとしている。 一方で、Travel Walletは対応通貨数ではRevolutより少ないものの、韓国交通系IC機能をカードに組み込んでいる点が大きな違いだ。韓国旅行、とくに公共交通機関を多用する旅行者にとっては、単なる「海外決済カード」ではなく「交通カード一体型の旅行用ウォレット」として使える可能性がある。 比較項目 Travel Wallet Revolut 主な用途 外貨交換、Visa決済、韓国交通系IC 多通貨決済、両替、送金、ATM出金など 対応通貨 46通貨 カード決済は150以上の通貨に対応 韓国の地下鉄・バス 韓国交通系ICとして利用可能 韓国交通系IC一体型サービスとしては案内されていない ATM出金 現金化・現金両替用途には不向き プランごとの無料枠あり。超過後は手数料が発生 向いている人 韓国旅行で交通と決済を1枚にまとめたい人 複数国を旅行し、幅広い通貨・ATM・バーチャルカードを使いたい人 どちらを選ぶべきか 韓国旅行がメインで、地下鉄やバスを頻繁に使うなら、Travel Walletの交通IC対応は分かりやすいメリットになる。特に初めて韓国に行く人や、現地で交通カードを買う手間を省きたい人には相性が良い。 一方、韓国だけでなく欧米、東南アジア、オセアニアなど複数地域を旅行する人、ATMで現金を引き出す機会が多い人、バーチャルカードやスマホ決済を重視する人は、Revolutのほうが使い勝手が良い場面もある。 注意したいのは、どちらも手数料体系や利用条件がプラン、通貨、曜日、利用国によって変わる点だ。Revolutでは、スタンダードプランの場合、月間の無料両替枠を超えると追加手数料が発生し、週末の為替取引にも手数料がかかる。Travel Walletも、無料対象外の通貨では両替手数料が発生する可能性がある。旅行前にアプリや公式サイトで最新条件を確認しておきたい。 訪韓旅行の回復が追い風に 日本から韓国への旅行需要は回復基調にある。2025年の日本人訪韓旅行者数は約365万人に達し、13年ぶりに過去最高を更新した。K-POP、韓国コスメ、グルメ、美容医療、地方観光など、訪韓目的が多様化するなかで、決済と交通をまとめるサービスへのニーズも広がりそうだ。 Travel Walletは、累計900万枚を発行してきた韓国発サービスの日本版として登場した。海外決済カード市場ではRevolutやWiseなどの選択肢も存在するが、韓国交通系IC機能を前面に出した点は、韓国旅行者向けサービスとして独自性がある。今後は、チャージ手段の拡充や提携サービスの広がりによって、日本の旅行者にどこまで定着するかが注目される。 まとめ Travel Walletは、単に外貨を安く両替するためのアプリというより、韓国旅行中の「支払い」と「移動」をまとめるためのプリペイド型ウォレットだ。Revolutがグローバルに幅広く使える多通貨サービスだとすれば、Travel Walletは韓国旅行に寄せた実用性が強い。 韓国旅行で地下鉄やバスをよく使う人はTravel Wallet、複数国をまたいで幅広く使いたい人はRevolut。旅行スタイルに合わせて使い分けるのが、現時点では最も現実的な選び方になりそうだ。
楽天キャッシュ残高の総称が「楽天ペイ残高」に 各タイプの名称・機能は維持

楽天グループ株式会社と楽天Edy株式会社は2026年5月8日、電子マネー「楽天キャッシュ」の残高について、楽天グループ各サービス上で表示する総称を「楽天ペイ残高」に順次変更すると発表した。まずは5月18日(月)から「楽天ペイ」アプリ内の残高表示を切り替える予定で、今後は「楽天市場」「楽天ラクマ」などの楽天グループ各サービスでも順次変更される。 「楽天キャッシュ」がなくなるわけではない 今回の変更は、楽天キャッシュ残高の「総称」やサービス上の見え方を「楽天ペイ残高」に整理するものだ。楽天によると、ユーザーが保有している電子マネー「楽天キャッシュ【基本型】」「楽天キャッシュ【プレミアム型】」「楽天キャッシュ【プレミアム型】(給与)」の名称や、サービス利用規約などに変更はない。 つまり、「楽天キャッシュ」という各残高の仕組み自体が廃止されるわけではなく、楽天グループ内の各サービスで表示される残高の総称が「楽天ペイ残高」に変わる、という位置づけだ。変更後も、それぞれのタイプで利用できる機能や利用方法は従来通りとなる。 「楽天ペイ残高」は3種類の楽天キャッシュの総称 楽天の発表では、「楽天ペイ残高」は以下3種類の楽天キャッシュの総称および総額とされている。 楽天キャッシュ【基本型】 楽天キャッシュ【プレミアム型】 楽天キャッシュ【プレミアム型】(給与) このため、ユーザーから見ると「楽天ペイ残高」という表示の中に、これまでの楽天キャッシュ各種残高が含まれる形になる。残高の呼び方を楽天ペイに寄せることで、楽天ペイアプリや楽天グループ内外での決済利用をより直感的に見せる狙いがあるとみられる。 楽天キャッシュはどこで使える? 楽天キャッシュは、2008年2月にオンライン電子マネーとして開始されたサービス。現在は「楽天市場」「楽天トラベル」「楽天モバイル」などの楽天グループサービスのほか、「楽天証券」での投信積立、「楽天ペイ」「楽天ポイントカード」加盟店での支払い、国税・地方税の納付、公共料金の支払いなどにも利用できる。 また、楽天キャッシュには、家族や友人への送付、受け取り、請求といった機能も用意されている。今回の表示変更後も、これらの機能や使い方に変更はない。 楽天キャッシュ【基本型】・【プレミアム型】・【プレミアム型】(給与)の違い 名前が似ているため分かりにくいが、3タイプの違いは大きく分けて「本人確認の有無」「出金できるか」「給与受取用か」の3点だ。 項目 楽天キャッシュ【基本型】 楽天キャッシュ【プレミアム型】 楽天キャッシュ【プレミアム型】(給与) 主な位置づけ 通常の楽天キャッシュ残高 出金機能が使える楽天キャッシュ残高 給与デジタル払いで受け取る楽天キャッシュ残高 本人確認 不要 必要 必要。楽天ペイ給与受取の利用手続きも必要 できること チャージ、支払い、送付、受け取り 基本型の機能に加え、銀行口座への出金 給与として受け取り、支払い・送付・出金などに利用 銀行口座への出金 不可 可 可。毎月初回の出金は無料 保有上限 通常の楽天キャッシュとして各種上限あり 通常の楽天キャッシュとして各種上限あり 給与残高の保有上限は10万円 注意点 出金はできない 本人確認をしても、すでに持っている基本型残高が自動でプレミアム型に変わるわけではない 10万円を超える分は、登録した本人名義の銀行口座へ自動的に出金される 楽天キャッシュ【基本型】とは 楽天キャッシュ【基本型】は、本人確認なしで利用できるタイプの楽天キャッシュだ。チャージ、支払い、送付、受け取りに対応しており、日常的な楽天キャッシュ利用の基本となる。 一方で、基本型の残高は銀行口座に出金できない。楽天ペイや楽天市場などで支払いに使うことを前提にした残高と考えると分かりやすい。 楽天キャッシュ【プレミアム型】とは 楽天キャッシュ【プレミアム型】は、基本型の機能に加えて、残高を自身の銀行口座に出金できるタイプだ。利用するには、事前に楽天キャッシュの本人確認手続きを済ませる必要がある。 注意したいのは、本人確認が完了しても、それまで保有していた楽天キャッシュ【基本型】の残高が自動的にプレミアム型へ切り替わるわけではない点だ。プレミアム型として残高を保有するには、楽天側が指定する方法でチャージまたは付与を受ける必要がある。 楽天キャッシュ【プレミアム型】(給与)とは 楽天キャッシュ【プレミアム型】(給与)は、「楽天ペイ給与受取」によって給与デジタル払いとして受け取る残高だ。通常のプレミアム型と同じく出金できるが、給与受取用の残高として別に管理される。 給与型の大きな特徴は、保有上限が10万円に設定されていること。新たに受け取る給与と、すでに保有している給与残高の合計が10万円を超える場合、超過分は利用者が登録した本人名義の銀行口座へ自動的に出金される。 また、楽天キャッシュ【プレミアム型】(給与)の出金は、毎月初回であれば自動出金・手動出金にかかわらず無料。2回目以降は、出金先の金融機関や金額に応じて手数料が発生する場合がある。 支払い時はプレミアム型が優先される場合も 楽天キャッシュ【基本型】と【プレミアム型】の両方を保有している場合、支払い時にはプレミアム型の残高が優先して利用される。プレミアム型の残高がなくなった後に、基本型の残高が使われる仕組みだ。 そのため、複数タイプの残高を持っているユーザーは、「楽天ペイ残高」という合計表示だけでなく、残高の内訳も確認しておくと安心だ。 今回の変更でユーザーが確認すべきポイント 「楽天ペイ残高」は、楽天キャッシュ各タイプの総称・総額を示す新しい表示名 楽天キャッシュ【基本型】、【プレミアム型】、【プレミアム型】(給与)の名称は変わらない 利用規約や各機能、利用方法にも変更はない 5月18日から楽天ペイアプリ内の残高表示が順次変更予定 楽天市場や楽天ラクマなどでも、今後順次表示が変更される予定 まとめ 今回の発表は、楽天キャッシュの仕組みそのものを変更するものではなく、楽天グループ各サービスで表示される残高の総称を「楽天ペイ残高」に統一していく取り組みだ。 ユーザーにとって重要なのは、「楽天ペイ残高」という表示の中に、従来の楽天キャッシュ【基本型】、楽天キャッシュ【プレミアム型】、楽天キャッシュ【プレミアム型】(給与)が含まれるという点だ。特に、出金できるかどうか、本人確認が必要かどうか、給与受取用の残高かどうかはタイプによって異なるため、使い分けを理解しておきたい。

