
東京証券取引所スタンダード上場のメタプラネットが3月25日、株主向けの「メタプラネットカード」を今夏に始めると公式Xで明らかにした。公表されたポイントは、株主限定、カード利用額の1.6%相当をビットコインで還元、開始は今夏の3点だ。
まだ発行会社や国際ブランド、年会費、必要保有株数などの細部は出ていない。ただ、還元率の数字だけで見ればインパクトは大きい。国内の主な暗号資産還元カードと比べると、Binance Japan Cardの1.6%と同率で、ビットコイン直接還元型としてはZaifカードの最大1.2%、bitFlyer Platinum Cardの1.0%を上回る水準になるからだ。
現時点で分かっていること
今回の案内はかなりシンプルだ。メタプラネットから示されたのは、「株主さま限定」「1.6%相当をBTCに還元」「今夏開始」という骨格だけ。カードの発行会社、決済ブランド、年会費、審査の有無、付与タイミング、どの取引が対象外になるかなどは、少なくとも今回の投稿では触れられていない。
なお、同社の第27期定時株主総会は3月25日に開催されており、今回の発表はまさに株主向けイベント当日に打ち出された格好だ。同社の株主優待プログラムは現在、2025年12月31日時点で100株以上を参加条件としているが、メタプラネットカードが同じ基準になるかどうかはまだ分からない。現時点では「株主向けカードの構想が今夏スタート予定で出てきた段階」と見るのが自然だろう。
どのくらい強いのか 既存カードと比べる

筆者保有のBinance Japan Card。還元率は1.6%でBNBがBinance口座に入ってくる。
| カード | 還元される暗号資産 | 基本還元率 | 申込できる人 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| メタプラネットカード | BTC | 1.6% | 株主限定 | 今夏開始予定。詳細条件はこれから |
| Binance Japan Card | BNB | 1.6% | Binance Japan口座を持ち、本人確認を完了したユーザー | ライフカード発行、JCBブランド。初年度無料、2年目以降1,650円(税込) |
| Zaifカード | BTC | 通常0.8% Zaifでの暗号資産取引所決済は1.2% | Zaif口座保有者 | ライフカード発行、JCBブランド。通常利用は0.8% |
| bitFlyer Credit Card | BTC | 0.5% | bitFlyer口座保有者 | アプラス発行、Mastercard |
| bitFlyer Platinum Card | BTC | 1.0% | bitFlyer口座保有者 | アプラス発行、Mastercard。2年目以降22,000円(税込) |
数字だけで見ると、メタプラネットカードの1.6%はかなり強い。Binance Japan Cardと同率で、Zaifカードの通常還元0.8%、Zaif内決済1.2%、bitFlyerの0.5〜1.0%を上回る。特にZaifの1.2%はZaif内での暗号資産取引所決済という特殊な条件つきなので、もしメタプラネットが日常の一般的なカード決済で1.6%を維持するなら、主要な国内BTC還元カードの中では頭ひとつ抜けた存在になる。
Binance Japan Cardは同じ1.6%でも、返ってくる資産はBNBであってBTCではない。この違いは小さくない。暗号資産還元カードでは、還元率の高さと同じくらい「何で返ってくるか」が重要だからだ。ビットコインをそのまま積み上げたい人にとっては、メタプラネットの発表はかなり分かりやすい。Binance Japan CardはBNBを受け取り、そのままBinance Japan口座で運用や売却につなげやすい。
「高還元カード」というより「株主向け特典」として見るべき
今回のニュースを普通のクレジットカード競争としてだけ見ると、少し読み違える。Binance Japan Card、Zaifカード、bitFlyerクレカは、対応口座を作って審査に通れば広く申し込める。一方、メタプラネットカードはあくまで株主限定と案内されている。つまり、一般募集の高還元カードというより、株主優待の延長線上にある決済サービスとして出てきたと見るほうが実態に近い。
だからこそ、今回の1.6%は単なる還元率以上の意味を持つ。メタプラネットはこれまで「企業としてビットコインを保有する会社」という色が強かったが、今度は株主の日常決済でもビットコインを積み上げる仕組みを打ち出してきた。保有する、応援する、使う、還元を受ける、という流れを一つにつなげようとしているわけだ。
結論
今回の発表を一言で言えば、「株主限定だが、数字はかなり強い」だ。還元率1.6%は、国内の主要な暗号資産還元カードと比べてもトップ級。しかも受け取り資産はBNBではなくBTCだ。暗号資産還元カードの比較で見ると、かなり目を引く条件だといえる。
その一方で、現時点ではまだ「スペック表」が埋まっていない。発行会社、ブランド、年会費、必要保有株数、対象外取引、付与タイミング、株を手放したらどうなる?などはこれから確認が必要だ。とはいえ、少なくともニュースとしての軸ははっきりしている。メタプラネットは、株主向けに1.6%のBTC還元カードを今夏始める。それだけで、国内の暗号資産還元カードの勢力図に新しい比較軸が一つ増えたと言えそうだ。

