QRコード決済とは、スマーフォンでQRコードを読み取ってスマホ上で決済、もしくは画面に表示されたQRコードを読み取ってもらって決済といういずれかの手順で、紐付けられたクレジットカードや事前にチャージした電子マネーなどで支払うこと。キャッシュレス化が進んだ中国のWeChat PayやAliPayがこのQRコード決済です。
このページでは日本でローンチされているQRコード決済サービス、される予定のサービスを一覧でご紹介しているのでぜひ目を通してみてください。まずはこのページの長さをご覧いただければ、日本のQRコード決済の現状がなんとなく察して頂けるかと思います。
※QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
2017年から現在まで新しいサービスが発表され次第、随時更新しています(一部FamiPayなど、QRではなくバーコード決済も同じコード決済という括りで含まれます)。
使い続けるかどうかはともかく、まだ使ったことがない方はよく目にするものの中からいずれかをキャンペーン中にでもまずは触ってみることをおすすめします。
概要
LINE Pay
運営会社 | LINE株式会社 |
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ポイント還元率 | 0%Visa LINE Payクレジットカード保有者なら最大3%還元 |
利用可能カード(支払い) | Visa LINE Pay クレジットカードのみ可 |
支払いタイプ | チャージ残高から決済 / Visa LINE Payクレジットカードから決済 |
Smart Code | 対応 |
LINE PayはLINEが提供するQRコード決済です。基本的に小規模な店舗よりも大型チェーン店に導入されていることが多いです。
店舗側のQRコード決済の手数料は2018年8月から3年間0円。
LINE Payアカウントの残高から支払う形です。
LINEが発行しているVisa LINE Payクレジットカードを紐付けて支払うと、ランク(マイランク)に応じて最大3%のポイントが貯まるというシステムです。銀行口座などでチャージ残高してから支払ってもポイントは貯まりません。
福岡など一部の地域では地域に根ざしているのでお住まいの方は導入してみることをおすすめします。
LINE Pay専用アプリもリリースされています。
PayPay
運営会社 | PayPay株式会社 |
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ポイント還元率 | 実店舗での支払い完了時に0.5%+αのPayPayボーナスが付与される |
利用可能カード(支払い) | VISA/MasterCard/Yahoo! JAPANカード(JCB含む) |
支払いタイプ | クレジットカード決済/チャージ残高から決済(銀行口座かヤフーカードからチャージ可能) |
Smart Code | 未対応 |
ソフトバンクとYahoo! JAPANが手を組んで発表されたQRコード決済サービス。2018年の10月からサービスが開始されています。
使っているテクノロジーはインドのPaytm。
支払いは、銀行口座かYahoo! JAPANカードからチャージをしたチャージ残高(PayPay残高)から支払う方法、クレジットカードと紐づけてチャージをしてそこから支払う方法があります。
PayPayで支払った際には利用分の0.5%+αがポイントとして付与されます(PayPayボーナス)。クレジットカード払いも可能ですが、Yahoo! JAPANカード以外のクレジットカードで支払った際にはポイントは付与されないのでご注意ください。
店舗側の手数料はユーザーがQRコード決済を読み取る方式の場合、3年間0円です。
PayPay専用アプリ、Yahoo! JAPANアプリから利用可能なので利便性が高いといえます。
また、お店側のメリットとしてPayPay加盟店では中国の主要QRコード決済であるAliPayなども利用可能にできるのでインバウンド需要も狙えます。
楽天ペイ
運営会社 | 楽天株式会社 |
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ポイント還元率 | なし楽天カード利用の場合のみ200円で1ポイントの加算ポイントあり。 |
利用可能カード(支払い) | VISA/MasterCard/JCB/American Express |
支払いタイプ | クレジットカード決済 |
Smart Code対応 | 未対応 |
楽天ペイは楽天が提供している決済サービスの総称ですが、QRコード決済も提供されています。
支払いは楽天のアカウントに紐付いたクレジットカードなので、各種カードが利用可能です。楽天ポイントから自動的に支払うようにも設定できます。
しっかりとした加盟店審査があるので、個人間の決済に気軽に利用できませんが、ローソンの他に、楽天ペイの端末を利用している多くの小売店で利用可能です(アプリ上から近くの利用可能なお店を検索できます)。
d払い
運営会社 | NTT DOCOMO |
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ポイント還元率 | 基本的に200円で1dポイント |
利用可能カード(支払い) | dカード/VISA/MasterCard/JCB/American Express |
支払いタイプ | クレジットカード決済 |
Smart Code | 未対応 |
d払いはNTT docomoが提供するQRコード(バーコード)決済サービスです。2018年4月から提供開始で後発のサービスとなります。d払いで支払えば200円で1ポイントのdポイントが貯まります。専用のd払いアプリをインストールする必要があります。
似た名前のサービスとしてドコモ払いがありますが、ドコモ払いはdocomoユーザーのみが使えて、ケータイ料金と合算して請求されるサービスで別物です。
支払うときには店頭で「d払いで」と伝えて↑の画面を表示しましょう。この画面上で利用ポイントを設定して、dポイントを使って支払うことも出来ます。
ちなみにd払いアプリではdカードのポイントカード機能も付いているので支払いに使わないときでも使えます。
au PAY
運営会社 | au |
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ポイント還元率 | 200円で1ポイント、au スマートパスプレミアム会員なら200円で3ポイント |
利用可能カード(支払い) | – |
支払いタイプ | チャージ残高から決済 |
Smart Code | 対応 |
auは楽天と提携した独自のQRコード決済としてau PAYを2019年4月9日にリリース。
auWALLETアプリから利用できるQRコード決済です。
通常の還元率は200円で1ポイントで還元率は0.5%です。
auスマートパスプレミアム会員なら200円で3ポイントで還元率は1.5%です。
楽天ペイが利用可能な場所(QRコードを読み取るタイプの場合)で、同じQRコードでau PAYも利用可能となっています(2019年6月25日から)。
加盟店手数料は2021年7月31日までの期間限定で0円です。
メルペイ
運営会社 | 株式会社メルペイ(メルカリの子会社) |
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ポイント還元率 | なし |
利用可能カード(支払い) | – |
Smart Code | 対応 |
メルペイは2019年3月からQRコード決済のサービスを開始。
メルペイでは、設定したApple PayのiD、おサイフケータイのiDで支払うか、もしくはQRコード決済で支払うという形でメルカリの売上金、チャージ金額を利用できます。
メルペイスマート払いという後払いの仕組みをプッシュしている決済サービスです。
pring
運営会社 | pring(メタップス子会社) |
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ポイント還元率 | – |
利用可能カード(支払い) | 三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、地方銀行5行 |
支払いタイプ | チャージ残高から決済 |
Smart Code | 対応 |
従来のQRコード決済サービスはいずれも3%以上なので3分の1となり、加盟店側も導入しやすいはず。期間限定手数料0のサービスも多々出現しているので影が薄くなっていますが優秀です。
チャージのための口座には三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、ゆうちょ銀行、地方銀行などが利用可能です。
Amazon Pay
運営会社 | 株式会社Amazon |
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ポイント還元率 | なし |
利用可能カード(支払い) | VISA/MasterCard/JCB/American Express/Diners |
支払いタイプ | クレジットカード決済 |
Smart Code | 未対応 |
Amazon PayはAmazonが2018年8月29日から開始した実店舗のQRコード決済(それ以前もWEBでAmazon Payはありました)。
AmazonのアプリからQRコードを表示して、NIPPON PAYが店舗に提供する専用端末で読み取ることで決済が可能になります。店舗はNIPPON PAYから専用端末NIPPON Tabletを無料でレンタルできます。
このAmazon Payの強みはなんといっても、すでにAmazonに登録してあるクレジットカードでそのまま支払うことができるという点。1-Click 設定に設定してあるカードで支払いが行われます。
ANA Pay
運営会社 | 全日本空輸株式会社 |
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ポイント還元率 | 200円で1マイル |
利用可能カード(支払い) | VISA/MasterCard/JCB/American Express/Diners |
支払いタイプ | チャージ残高から決済 |
Smart Code | 対応 |
ANA PayはANAが2020年12月11日から開始したQRコード決済サービス。
チャージできるのはJCBブランドのクレジットカードのみ。
決済時に200円で1マイルが貯まります。ANA JCBカード(プレミアム・ゴールド・一般)ならチャージ時にもマイルが貯まります。
Pay ID
運営会社 | BASE株式会社 |
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利用可能カード(支払い) | VISA/MasterCard |
支払いタイプ | クレジットカード決済 |
Smart Code | 未対応 |
無料でオンラインショップを開設することができるBASEを運営している株式会社BASEはPay.jpという決済用のサービスも提供しており、そのサービスの1つでQRコード決済提供しています。
BASEを使っている個人店や各種イベントの他に、ライフカードの社食などでも導入されているようです。
Smash Pay
運営会社 | 株式会社ラッセル |
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チャージ方法 | クレジットカード(本人認証サービスに登録済みのセゾンカード(VISA/MasterCard/JCB)のみ)/コンビニ/ネットバンキング/ATM/ポイント交換(永久不滅ポイント) |
支払いタイプ | チャージ残高から決済 |
Smart Code | 未対応 |
Smash Payは2017年夏のコミケで大々的に宣伝されてデビューしたサービス。筆者も2017年の夏のコミケに行きましたがかなり大々的に宣伝されていました。
QRコード決済ですが、クレジットカードから直接払うわけではなく、あくまでチャージ式の電子マネーです。なので、チャージの手間がかかるのが残念。
ポイントを購入して、QRコードを読み取って、そのポイント(電子マネー)から支払います。
クレジットカードでチャージをする場合でもセゾンカードしか使えないので現状だと使い勝手はそこまでよくありません。
貯まっている永久不滅ポイントをSmash-Payのポイントに交換することが出来るのでコミケ前に使い道に困っている方には良いかも。
EPOS Pay
運営会社 | 株式会社エポスカード |
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ポイント還元率 | 0.5%- |
利用可能カード(支払い) | エポスカード |
支払いタイプ | クレジットカード決済 |
Smart Code | 対応 |
EPOS Payはエポスカードのアプリから起動できる丸井グループのQRコード決済。
2018年8月28日から一般向けに機能が開放されています。
自分で金額を入力して店舗が読み取るタイプのQRコードコード決済。
エポスポイントを支払いに充当することが可能です(エポスポイントを実店舗で使える)。
現在は東京都中野区の飲食店や店舗などで導入されていて、味玉無料といった優待がついています。
&Pay
運営会社 | 株式会社エムティーアイ |
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ポイント還元率 | – |
利用可能カード(支払い) | – |
支払いタイプ | 銀行口座から決済 |
Smart Code | 未対応 |
&PayはルナルナやMusic.jpなどを運営する株式会社エムティーアイが運営するQRコード決済。
2018年10月末からサービス開始。登録した銀行口座から利用額が引き落とされるタイプのQRコード決済です。
決済手数料は1.8%でQRコード決済としては中間くらいの手数料です。
現在登録できるのは常陽銀行、北洋銀行、山梨中央銀行のみ。
atone(アトネ)
運営会社 | 株式会社ネットプロテクションズ |
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ポイント還元率 | 0.5%(200円につき1ポイント)分のNPポイント |
1回当たりの限度額 | 注文金額の合計が50,000円まで |
支払いタイプ | 1ヶ月後にコンビニで支払い、もしくは毎月指定日に口座振替で引き落とし |
Smart Code | 対応 |
atone(QRコード決済)は料金後払いサービスのNP後払いなどを提供するネットプロテクションズが提供するQRコード決済。
2018年10月末からサービス開始。QRコード決済でも後払いという仕組みを採用しています。
導入しているお店でQRコード決済をしたら、1ヶ月後に請求書が届くのでその請求書を持ってコンビニで現金払いをする、もしくは、引き落とし口座を設定してクレジットカードのように口座振替で支払います(毎月27日)。
決済をするたびに200円で1ポイントのNPポイントが貯まり、貯まったポイントは次回の決済に1ポイント=1円で利用可能です(ポイント値引き)。
QUOカードPay
運営会社 | 株式会社クオカード |
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ポイント還元率 | なし |
利用可能カード(支払い) | – |
支払いタイプ | チャージ残高から決済 |
Smart Code | 未対応 |
ギフトカードとして有名なQUOカードが2019年3月に開始したQRコード決済サービス。
プリペイド式の電子マネーで、残高分のみ利用できます。
残高が足りない分は現金とのみ併用が可能です。
個人で購入して利用するというよりは、贈答品として送られてきて利用する方がメインになるかと思います。
J-Coin Pay
運営会社 | 株式会社みずほ銀行 |
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ポイント還元率 | なし |
利用可能カード(支払い) | みずほ銀行、その他60以上の金融機関 |
支払いタイプ | 登録した銀行口座から引き落とし |
Smart Code | 未対応 |
約60の金融機関(みずほ銀行、地方銀行が中心)と連携されています。
ユーザー間での送金も無料で可能。
また、アリペイと提供して、Jコインペイが使えるところではアリペイが使えるようになる模様。
銀行Pay(GMOペイメントゲートウェイのOEM)
GMOペイメントゲートウェイが提供するQRコード決済サービスを各銀行がOEMという形で提供しています。
メガバンクが提供しているBANK Payとは別物です。
- 横浜銀行が提供するはまPay
- ふくおかフィナンシャルグループ(福岡銀行、熊本銀行、親和銀行)のYOKA!Pay
- 沖縄銀行が提供するOKI Pay
- りそな銀行、埼玉りそな銀行のりそなウォレット
- ゆうちょPay
などがすでに導入済みです。
FamiPay
運営会社 | 株式会社ファミリーマート |
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ポイント還元率 | 200円ごとに1FamiPayボーナス |
支払いタイプ | チャージ残高からの支払いレジでチャージ(現金)、クレジットカード(ファミマTカード)でチャージ、オートチャージ、FamiPayボーナスでチャージ |
Smart Code | 対応 |
200円で1ポイントのFamiPayボーナスを得ることができます。
また、クーポンを選択して、FamiPayで支払うことで、決済とクーポン適応が同時に行われます。
チャージ方法はファミマTカードからのチャージ、レジでの現金チャージ、貯まったボーナスからのチャージです。
Tポイント、楽天ポイント、dポイントとも連携して利用者が好きなポイントを貯めることができます。
2020年10月からSmart Codeに対応したので、ファミリーマート以外でも使えるようになりました。
Bank Pay
運営会社 | 日本電子決済推進機構 |
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ポイント還元率 | なし |
利用可能カード(支払い) | みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行等最大1,000行が参加予定 |
支払いタイプ | 登録した銀行口座から引き落とし |
Smart Code | 未対応 |
J-Debitを発行している日本電子決済推進機構の提供するQRコード決済です。三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行の3大メガバンクを中心にしたメガバンク連合が参画しています。
QRコードを読み取って金額を入力して決済を完了させるMPM方式のみの提供となっています。
最大1,000行が参加予定とのことです。手数料は1%台(詳細は要問合せ)。
GMOペイメントゲートウェイが提供している銀行Payとは別物ですが、加盟店相互開放などで連携していくかもしれないという発表をしています。
イオンペイ(予定)
イオンはイオンペイというアプリ(QRコード決済)をリリース予定となっています。
イオングループ各店共通で使えるQRコード決済となれば、やはり便利です。
GEO Pay(2020年秋開始予定だったが延期中)
GEOとJCBは提携して2020年秋にQRコード決済、兼、バーチャルカードのGEO Payを提供することを発表しています。
GEO PayはJCBが提供するQRコード決済のおまとめサービスであるSmart Codeに対応して、GEO以外のお店でも利用可能になる予定とのことです。
その他
↑で挙げたファミペイなど以外にもQRコード決済には会社が独自に作ったものもあります。
代表的なのは日本交通グループが提供しているタクシー配車アプリのJAPAN TAXI WALLET。タクシー内でQRコードを読み取れば、登録しておいたクレジットカードから決済ができます。
他にもコーナンが出しているコーナンPay。また、鹿児島銀行が提供しているPayどんもあります。
まとめ
↑のデメリットで挙げた通り、日本国内ではSuicaなどのソニーが開発したFeliCa方式の電子マネーが主流で種類も豊富、決済の選択肢が多岐に渡っています。そこにQRコード決済まで合わさったときに果たして使われるのかというと、筆者は少し懐疑的な立場です。
このページの長さをご覧いただければわかる通り、QRコード決済サービスが増えすぎて、店舗ごとに使えるサービスが違うし(店舗側も何を導入したらいいのか正解が見えないし)、ユーザーが何を使ったら良いのかわからなくなりつつある、のが現状かなと・・・。
それと日本ではQRコード決済といっても、LINE Payのように加盟店審査がしっかりと行われるタイプのものが多く、送金機能を決済に応用しているアリペイやウィーチャットペイのようにお店側が気軽に導入できないタイプのQRコード決済が多いのも広まらない理由の1つかなと思います。
いちユーザーとして、早い段階での規格の統一、サービスの統廃合による利便性の向上を期待したいです。