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USDCをVisa加盟店で使える「Slash Card」が日本で発行開始 ステーブルコイン決済は日常利用へ進むか

SLASH CARD

SLASH VISION PTE. LTD.、株式会社アイキタス、株式会社オリエントコーポレーション(オリコ)の3社は、米ドル連動型ステーブルコイン「USDC」を決済原資として利用できるカード「Slash Card」を、2026年4月20日より日本国内での先行申し込みを開始した。

Slash Cardは、ユーザーが保有するUSDCをチャージし、国内外のVisa加盟店で決済できるカード。ユーザー側は、決済のたびにUSDCを日本円などの法定通貨へ交換する手続きを行う必要がなく、加盟店側には従来のカード決済と同じように日本円などの法定通貨で支払いが行われる。

暗号資産やステーブルコインは、これまで取引所やウォレット、Web3サービスの中で使われるイメージが強かった。しかしSlash Cardの登場により、コンビニ、飲食店、オンラインショップなど、Visa加盟店での買い物にUSDCを使える可能性が広がる。ステーブルコインを「保有するもの」から「日常で使うもの」へ近づけるサービスとして注目される。

Slash Cardとは

Slash Cardは、USDCをチャージしてVisa加盟店で支払いに使えるカードだ。公式サイトでは「ステーブルコインを日常の支払いに」とうたっており、物理カードとバーチャルカードの2種類が用意されている。

物理カードは実店舗での決済に向いており、全国配送に対応する。バーチャルカードはオンライン決済向けで、発行後すぐにカード情報を確認できればECサイトなどで利用できる。

サービスは現在β版として順次案内中。事前登録または先行利用の申し込みをしたユーザーから案内メールが送られ、アカウント作成、本人確認、USDCのチャージを経て利用開始となる。PR TIMESの発表では、一般ユーザー向けの申し込み受付は2026年8月ごろを予定している。

USDCとは?

USDCとは、米ドルに価値が連動するように設計されたステーブルコインの一種だ。発行体は米Circleで、1USDCがおおむね1米ドルに連動することを目指している。

ビットコインやイーサリアムのような暗号資産は価格変動が大きい。一方、USDCのようなステーブルコインは、米ドルなどの法定通貨と価値を連動させることで、価格の安定性を高めることを目的としている。Circleは、USDCについて、現金および現金同等資産に100%裏付けられ、米ドルと1対1で償還可能なデジタルドルだと説明している。

ただし、USDCは「日本円に連動するコイン」ではない。米ドル連動型であるため、日本円で見た価値は米ドル円の為替レートによって変動する。たとえば1USDCが1米ドル相当でも、1ドル150円のときと140円のときでは、日本円換算の価値が変わる。

USDCはどのように使うのか

USDCは、対応する暗号資産取引所、ウォレット、決済サービスなどで取得・保管し、ブロックチェーン上で送金できる。一般的な用途としては、個人間送金、海外送金、オンライン決済、Web3サービス、DeFi、そして今回のようなカード決済などがある。

Slash Cardで使う場合の流れは、次のようになる。

  1. Slash Cardの事前登録または先行利用申し込みを行う
  2. 案内メールを受け取り、アカウントを作成する
  3. マイナンバーカードを使って本人確認を行う
  4. 対応するUSDCを用意する
  5. ウォレットからSlash Cardアプリ内の接続元ウォレットへUSDCを入金する
  6. 接続元ウォレットからカード残高へUSDCをチャージする
  7. Visa加盟店でカード決済を行う

公式FAQによると、現時点でチャージできるステーブルコインはSolanaチェーンのUSDC。異なるネットワークから送金すると資産を失う可能性があるため、送金時にはネットワークと送金先アドレスを必ず確認する必要がある。

カード利用時の仕組み

Slash Cardには「接続元ウォレット残高」と「カード残高」の2種類がある。接続元ウォレット残高は、ユーザーがSlash Cardに接続しているウォレット内のUSDCなどの残高を指す。一方、カード残高は、接続元ウォレットからSlash Cardへチャージされ、実際にカード決済に使える残高だ。

つまり、ウォレットにUSDCを入れただけではカード決済には使えない。カードで支払うには、接続元ウォレットからカード残高へUSDCをチャージしておく必要がある。

実店舗では、タッチ決済対応端末での非接触決済や、ICチップを使った接触決済に対応する。オンラインでは、バーチャルカードのカード番号を使ってECサイトなどで支払いができる。

費用と対象ユーザー

Slash Cardの対象は、18歳以上の日本在住者。本人確認にはマイナンバーカードが必要だ。

カード発行手数料は、物理カードが70USDC、バーチャルカードが20USDC。年会費は初年度無料、2年目以降は20USDCと案内されている。

また、現時点では1カ月のカード利用上限が50万円まで。チャージ金額自体に上限はない一方、カード決済として使える金額には月間上限がある点に注意したい。

利用前に注意したいポイント

Slash Cardを使ううえで最も注意したいのは、ブロックチェーン送金の取り消しができない点だ。送金先アドレスやネットワークを間違えると、資産を失う可能性がある。初めて送金する場合は、少額でテスト送金を行ってから本送金するのが安全だ。

また、Slash Card側のチャージ手数料は無料とされているが、ブロックチェーン上の送金ではネットワーク手数料、いわゆるガス代が発生する場合がある。SolanaチェーンのUSDCを扱う場合、ネットワーク手数料としてSOLが必要になることがある。

さらに、カードへチャージしたUSDCの出金機能は現在準備中と案内されている。接続元ウォレットから外部アドレスへの出金は可能だが、カード残高にチャージした分を自由に戻せるわけではない点も確認しておきたい。

公共料金やサブスクリプションなどの継続課金には、現時点でSlash Cardは利用できない。日常の単発決済には使える場面が広がる一方、すべてのカード払いに対応するわけではない。

なぜ注目されるのか

今回のポイントは、ステーブルコインを「暗号資産の世界の中だけ」で使うのではなく、Visa加盟店という既存の決済網につなげる点にある。

ユーザーはUSDCを保有したまま、カード決済という慣れた方法で支払いができる。加盟店側はステーブルコインを直接扱う必要がなく、従来のカード決済と同じように法定通貨で受け取れる。つまり、ユーザーには新しい決済手段を提供しつつ、加盟店側の導入負担を抑える仕組みといえる。

日本では、暗号資産やステーブルコインの利用はまだ投資・送金・Web3領域に偏っている。Slash Cardのようなサービスが広がれば、ステーブルコインが日常の支払い手段として認識されるきっかけになる可能性がある。

まとめ

Slash Cardは、米ドル連動型ステーブルコインUSDCをチャージし、Visa加盟店で使えるカードとして日本で発行が始まった。決済時にユーザーが毎回USDCを法定通貨へ交換する必要がなく、加盟店側には円などの法定通貨で支払われる点が特徴だ。

一方で、対応チェーン、送金ミス、ガス代、カード残高からの出金、利用上限、継続課金への非対応など、利用前に確認すべき点も多い。USDCは米ドル連動型であり、日本円ベースでは為替変動の影響も受ける。

それでも、ステーブルコインを日常決済に近づける取り組みとして、Slash Cardは日本のデジタル決済市場における新しい一歩となりそうだ。


出典・参考:

現金いらず.com 運営チーム
著者:現金いらず制作チーム
2014年から9年以上の間、日々キャッシュレスの情報を集め、店舗やサービスで試しては情報を共有し続けている現金いらず(旧 現金いらず.com)運営チームです。Xアカウント:@nogenkin(フォロワー2.5万人)、動画で理解したい方はYouTubeでも日々情報を共有しています。