
つくばエクスプレス(TX)で、クレジットカード等のタッチ決済乗車を活用した早朝割引キャンペーンが始まる。
首都圏新都市鉄道、三井住友カード、ジェーシービー、QUADRACの4社は、2026年5月11日(月)から「クレカタッチでゆとり通勤キャンペーン」を実施すると発表した。平日の始発から午前6時30分までに対象駅から入場し、都心側の対象駅で出場すると、大人普通旅客運賃から20%が割り引かれる。
実施期間は2026年7月31日(金)まで。期間中の平日が対象で、7月20日(月・祝)の「海の日」も対象に含まれる。
始発から午前6時30分までの入場が条件
今回のキャンペーンは、朝の混雑時間帯より前に都心方面へ移動する利用者を増やし、朝ラッシュの混雑緩和につなげる狙いがある。
対象となるのは、対象入場駅からタッチ決済乗車サービス対応改札機で入場し、対象出場駅で出場した場合。対象出場駅以外で降りた場合や、対象入場駅同士の移動は割引対象外となる。
| 区分 | 対象駅 |
|---|---|
| 対象入場駅 | 青井、六町、八潮、三郷中央、南流山、流山セントラルパーク、流山おおたかの森、柏の葉キャンパス、柏たなか、守谷、みらい平、みどりの、万博記念公園、研究学園、つくば |
| 対象出場駅 | 秋葉原、新御徒町、浅草、南千住、北千住 |
事前登録なし、カードやスマホをタッチするだけ
利用方法は、対象のクレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、またはそれらを設定したスマートフォン等を、改札機の専用端末にタッチするだけ。事前登録は不要で、条件を満たせば自動的に割引が適用される。
対象ブランドはVisa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discover、銀聯。入場時と出場時は、同じカードまたは同じスマートフォンなど、同一の媒体を使う必要がある。
なお、改札機の表示には割引前の運賃が表示される。実際の決済時には割引後の運賃が適用され、割引後の金額はQUADRACの「Q-move」マイページで確認できる。
いくら安くなる?具体例
割引額は、普通旅客運賃から20%を差し引き、10円未満の端数を切り上げて計算される。たとえば、つくば駅から秋葉原駅までの利用では、通常1,280円が1,030円となり、1回あたり250円安くなる。
| 利用例 | 通常運賃 | 割引後 | 1回あたりの割引額 | 朝の片道を月20回使った場合 |
|---|---|---|---|---|
| つくば → 秋葉原 | 1,280円 | 1,030円 | 250円 | 5,000円お得 |
| 流山おおたかの森 → 北千住 | 580円 | 470円 | 110円 | 2,200円お得 |
| 八潮 → 秋葉原 | 520円 | 420円 | 100円 | 2,000円お得 |
| 南流山 → 秋葉原 | 630円 | 510円 | 120円 | 2,400円お得 |
| 流山おおたかの森 → 秋葉原 | 690円 | 560円 | 130円 | 2,600円お得 |
| 守谷 → 秋葉原 | 920円 | 740円 | 180円 | 3,600円お得 |
朝の片道だけが対象となるため、帰宅時の運賃は通常通りとなる。それでも、週に数回出社する人や、定期券を持たないハイブリッド勤務の利用者にとっては、出社日の交通費を抑えやすい仕組みだ。
利用シーンの例
つくば・研究学園方面から秋葉原へ出社する場合
つくば駅から秋葉原駅まで利用する場合、キャンペーン適用後は1,030円となる。通常より250円安く、月20回利用すれば朝の片道だけで5,000円の差になる。始発駅に近い区間では、早朝時間帯に移動することで座れる可能性も高まり、出社前に都心で朝食や作業時間を確保しやすくなる。
流山おおたかの森から北千住で乗り換える場合
流山おおたかの森駅から北千住駅までの利用では、通常580円が470円となる。北千住でJR線や東京メトロ、東武線などに乗り換える利用者にとっては、ピーク前に移動することで乗り換え時の混雑も避けやすい。
守谷・柏の葉キャンパス・南流山方面から都心へ向かう場合
守谷、柏の葉キャンパス、南流山など、沿線の住宅地側から秋葉原、新御徒町、浅草、南千住、北千住方面へ向かう通勤・通学前の移動も対象になる。勤務開始時間が比較的早い人や、フレックスタイム制を使える人には、運賃面と混雑回避の両方でメリットが出やすい。
TXのタッチ決済乗車サービスを混雑緩和に活用
今回のポイントは、単にクレジットカードで乗れるだけでなく、タッチ決済乗車のデータを活用して早朝利用者に自動で割引を適用する点にある。三井住友カードの公共交通機関向けソリューション「stera transit」による「クレカ乗車」サービスの乗車データを使った早朝割引として、首都圏の鉄道事業者では初の取り組みだという。
TXでは、2025年8月31日に先行5駅でタッチ決済乗車サービスの実証実験を開始し、2026年2月7日に全20駅への導入を完了した。現在は全駅で利用でき、改札機全体の約4割でタッチ決済乗車サービスが使える。
タッチ決済乗車は、交通系ICカードのチャージやきっぷ購入をせずに、対応カードやスマートフォンを改札機にタッチして乗車できる仕組み。沿線住民だけでなく、出張者や観光客など、普段TXを使わない人にも使いやすい。
利用時の注意点
- 対象は大人普通旅客運賃の10円単位運賃。
- 小児がタッチ決済で乗車する場合も、大人片道普通旅客運賃となる。
- 入場時と出場時は同じカード、同じスマートフォンなど、同一媒体を使う必要がある。
- カードの名義人以外は利用できない。
- タッチ決済で乗車した場合、振替輸送の対象外となる。
- 新御徒町駅B3階の都営大江戸線のりかえ専用改札、流山おおたかの森駅こかげテラス口改札はタッチ決済乗車サービスの対象外。
早朝移動の定着につながるか
TX沿線では、住宅開発や人口増加により、朝ラッシュ時の混雑が課題となっている。今回のキャンペーンは、運賃割引によって利用時間を前倒しする人を増やし、混雑の平準化につなげる狙いがある。
特に、フレックスタイム制や在宅勤務を組み合わせる働き方が広がる中で、毎日定期券で通勤する人だけでなく、週数回だけ出社する人への訴求も大きい。タッチ決済乗車を使った柔軟な割引が、今後の鉄道サービスの新しい選択肢になるか注目される。


