
楽天グループ株式会社と楽天Edy株式会社は2026年5月8日、電子マネー「楽天キャッシュ」の残高について、楽天グループ各サービス上で表示する総称を「楽天ペイ残高」に順次変更すると発表した。まずは5月18日(月)から「楽天ペイ」アプリ内の残高表示を切り替える予定で、今後は「楽天市場」「楽天ラクマ」などの楽天グループ各サービスでも順次変更される。
「楽天キャッシュ」がなくなるわけではない
今回の変更は、楽天キャッシュ残高の「総称」やサービス上の見え方を「楽天ペイ残高」に整理するものだ。楽天によると、ユーザーが保有している電子マネー「楽天キャッシュ【基本型】」「楽天キャッシュ【プレミアム型】」「楽天キャッシュ【プレミアム型】(給与)」の名称や、サービス利用規約などに変更はない。
つまり、「楽天キャッシュ」という各残高の仕組み自体が廃止されるわけではなく、楽天グループ内の各サービスで表示される残高の総称が「楽天ペイ残高」に変わる、という位置づけだ。変更後も、それぞれのタイプで利用できる機能や利用方法は従来通りとなる。
「楽天ペイ残高」は3種類の楽天キャッシュの総称
楽天の発表では、「楽天ペイ残高」は以下3種類の楽天キャッシュの総称および総額とされている。
- 楽天キャッシュ【基本型】
- 楽天キャッシュ【プレミアム型】
- 楽天キャッシュ【プレミアム型】(給与)
このため、ユーザーから見ると「楽天ペイ残高」という表示の中に、これまでの楽天キャッシュ各種残高が含まれる形になる。残高の呼び方を楽天ペイに寄せることで、楽天ペイアプリや楽天グループ内外での決済利用をより直感的に見せる狙いがあるとみられる。
楽天キャッシュはどこで使える?
楽天キャッシュは、2008年2月にオンライン電子マネーとして開始されたサービス。現在は「楽天市場」「楽天トラベル」「楽天モバイル」などの楽天グループサービスのほか、「楽天証券」での投信積立、「楽天ペイ」「楽天ポイントカード」加盟店での支払い、国税・地方税の納付、公共料金の支払いなどにも利用できる。
また、楽天キャッシュには、家族や友人への送付、受け取り、請求といった機能も用意されている。今回の表示変更後も、これらの機能や使い方に変更はない。
楽天キャッシュ【基本型】・【プレミアム型】・【プレミアム型】(給与)の違い
名前が似ているため分かりにくいが、3タイプの違いは大きく分けて「本人確認の有無」「出金できるか」「給与受取用か」の3点だ。
| 項目 | 楽天キャッシュ【基本型】 | 楽天キャッシュ【プレミアム型】 | 楽天キャッシュ【プレミアム型】(給与) |
|---|---|---|---|
| 主な位置づけ | 通常の楽天キャッシュ残高 | 出金機能が使える楽天キャッシュ残高 | 給与デジタル払いで受け取る楽天キャッシュ残高 |
| 本人確認 | 不要 | 必要 | 必要。楽天ペイ給与受取の利用手続きも必要 |
| できること | チャージ、支払い、送付、受け取り | 基本型の機能に加え、銀行口座への出金 | 給与として受け取り、支払い・送付・出金などに利用 |
| 銀行口座への出金 | 不可 | 可 | 可。毎月初回の出金は無料 |
| 保有上限 | 通常の楽天キャッシュとして各種上限あり | 通常の楽天キャッシュとして各種上限あり | 給与残高の保有上限は10万円 |
| 注意点 | 出金はできない | 本人確認をしても、すでに持っている基本型残高が自動でプレミアム型に変わるわけではない | 10万円を超える分は、登録した本人名義の銀行口座へ自動的に出金される |
楽天キャッシュ【基本型】とは
楽天キャッシュ【基本型】は、本人確認なしで利用できるタイプの楽天キャッシュだ。チャージ、支払い、送付、受け取りに対応しており、日常的な楽天キャッシュ利用の基本となる。
一方で、基本型の残高は銀行口座に出金できない。楽天ペイや楽天市場などで支払いに使うことを前提にした残高と考えると分かりやすい。
楽天キャッシュ【プレミアム型】とは
楽天キャッシュ【プレミアム型】は、基本型の機能に加えて、残高を自身の銀行口座に出金できるタイプだ。利用するには、事前に楽天キャッシュの本人確認手続きを済ませる必要がある。
注意したいのは、本人確認が完了しても、それまで保有していた楽天キャッシュ【基本型】の残高が自動的にプレミアム型へ切り替わるわけではない点だ。プレミアム型として残高を保有するには、楽天側が指定する方法でチャージまたは付与を受ける必要がある。
楽天キャッシュ【プレミアム型】(給与)とは
楽天キャッシュ【プレミアム型】(給与)は、「楽天ペイ給与受取」によって給与デジタル払いとして受け取る残高だ。通常のプレミアム型と同じく出金できるが、給与受取用の残高として別に管理される。
給与型の大きな特徴は、保有上限が10万円に設定されていること。新たに受け取る給与と、すでに保有している給与残高の合計が10万円を超える場合、超過分は利用者が登録した本人名義の銀行口座へ自動的に出金される。
また、楽天キャッシュ【プレミアム型】(給与)の出金は、毎月初回であれば自動出金・手動出金にかかわらず無料。2回目以降は、出金先の金融機関や金額に応じて手数料が発生する場合がある。
支払い時はプレミアム型が優先される場合も
楽天キャッシュ【基本型】と【プレミアム型】の両方を保有している場合、支払い時にはプレミアム型の残高が優先して利用される。プレミアム型の残高がなくなった後に、基本型の残高が使われる仕組みだ。
そのため、複数タイプの残高を持っているユーザーは、「楽天ペイ残高」という合計表示だけでなく、残高の内訳も確認しておくと安心だ。
今回の変更でユーザーが確認すべきポイント
- 「楽天ペイ残高」は、楽天キャッシュ各タイプの総称・総額を示す新しい表示名
- 楽天キャッシュ【基本型】、【プレミアム型】、【プレミアム型】(給与)の名称は変わらない
- 利用規約や各機能、利用方法にも変更はない
- 5月18日から楽天ペイアプリ内の残高表示が順次変更予定
- 楽天市場や楽天ラクマなどでも、今後順次表示が変更される予定
まとめ
今回の発表は、楽天キャッシュの仕組みそのものを変更するものではなく、楽天グループ各サービスで表示される残高の総称を「楽天ペイ残高」に統一していく取り組みだ。
ユーザーにとって重要なのは、「楽天ペイ残高」という表示の中に、従来の楽天キャッシュ【基本型】、楽天キャッシュ【プレミアム型】、楽天キャッシュ【プレミアム型】(給与)が含まれるという点だ。特に、出金できるかどうか、本人確認が必要かどうか、給与受取用の残高かどうかはタイプによって異なるため、使い分けを理解しておきたい。

