
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は2026年8月26日、富裕層向けの新たな会員組織「エムット Excellent Club」を2027年3月に開始すると発表しました。
特に注目したいのが、会員だけが申し込める「エムット Excellent Club カード プラチナ アメリカン・エキスプレス®・カード」です。本人会員・家族会員ともに年会費無料で、三菱UFJ銀行の預かり金融資産残高に応じてポイント還元率が上がります。
ただし、クラブの入会には原則として三菱UFJ銀行の預かり金融資産残高3,000万円以上、または資産運用残高1,000万円以上という条件があります。誰でも申し込める無料のプラチナカードではありません。
「エムット Excellent Club」は2027年3月に開始
エムット Excellent Clubは、MUFGの金融サービスブランド「エムット」を富裕層向けに拡大する会員制サービスです。三菱UFJ銀行だけでなく、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどのグループ各社が連携し、金融・非金融の両面から会員本人と家族を支援します。
| サービス名 | エムット Excellent Club |
|---|---|
| 開始時期 | 2027年3月予定 |
| 本人会員の入会資格 | 三菱UFJ銀行の預かり金融資産残高3,000万円以上、または資産運用残高1,000万円以上 |
| 家族会員 | 本人会員の配偶者および3親等以内の個人 |
| 入会金・年会費 | 無料 |
| 入会方法 | 本人からの申し込み、または三菱UFJ銀行から対象者への招待 |
預かり金融資産残高は、資産運用残高と円預金残高の合計です。資産運用残高には投資信託、MUFGファンドラップ、国債などの公共債、外貨預金、対象となる証券取引、生命保険などが含まれ、円預金は含まれません。
入会資格は現在の「三菱UFJ銀行 エクセレント倶楽部」と同じです。MUFGは対象者を順次招待するオプトアウト方式も予定していますが、具体的な入会手続きや意思確認の方法は今後の案内を確認する必要があります。
年会費無料のプラチナ・アメックスを発行

「エムット Excellent Club カード プラチナ アメリカン・エキスプレス®・カード」は、エムット Excellent Clubの本人会員だけが申し込める会員限定カードです。
最大の特徴は、一般的なプラチナカードのような高額な年会費がかからないことです。本人カードだけでなく家族カードも年会費無料で、会員資格を維持している限り、複雑な年間利用条件なしで無料となる予定です。
| カード名 | エムット Excellent Club カード プラチナ アメリカン・エキスプレス®・カード |
|---|---|
| 国際ブランド | American Express |
| 申込対象 | エムット Excellent Clubの本人会員で、日本国内に住む20歳以上の個人 |
| 本人カード年会費 | 無料 |
| 家族カード年会費 | 無料 |
| ポイント還元率 | 預かり金融資産残高3,000万円以上で1.0%、残高に応じて最大1.6%予定 |
| 対象店での還元 | ポイントアッププログラムにより最大20%予定 |
| クレカ積立 | 最大7.0%還元予定 |
| 付帯サービス | トラベル、グルメ、保険などを予定 |
| 発行時期 | 2027年度上期予定 |
クラブ自体は2027年3月に始まりますが、カードの発行は2027年度上期ごろの予定です。
預かり金融資産残高3,000万円で1.0%、最大1.6%還元
このカードは、三菱UFJ銀行によると国内初の本格的な銀行預金残高連動型クレジットカードです。特許も出願中とされています。
預かり金融資産残高が3,000万円以上なら、通常の買い物で1.0%還元となり、残高が増えるほど還元率も上がって最大1.6%になる予定です。年会費無料のプラチナカードとして、通常還元率1.0%の時点でも十分に高く、最大1.6%が広い範囲の支払いに適用されるのであれば非常に強力です。
- 3,000万円を超えた後の残高区分と還元率は未公表
- 最大1.6%になるために必要な残高は未公表
- ポイントの付与単位、月間・年間上限、対象外取引は未公表
- 3,000万円未満の還元率は未公表
なお、資産運用残高1,000万円以上でもクラブの本人会員になれますが、預かり金融資産残高が3,000万円未満の場合にカードが何%還元になるのかは、今回の発表では明らかにされていません。
対象店で最大20%、クレカ積立で最大7.0%還元
対象店舗で利用すると、ポイントアッププログラムにより最大20%還元となる予定です。また、クレジットカードによる投資信託などの積立では最大7.0%還元が予定されています。
どちらも「最大」の数字であり、すべての支払いや積立が20%・7.0%還元になるわけではありません。対象店舗、積立の対象サービス、利用条件、上限金額などはまだ公表されていないため、現時点では数字だけでカードの実質的な価値を判断しないほうがよいでしょう。
トラベル、グルメ、保険などのプラチナサービスも予定されていますが、空港ラウンジやコンシェルジュを含むかどうかなど、具体的な内容は未発表です。
「エムット Excellent Club」の主な会員特典
エムット Excellent Clubでは、クレジットカード以外にも、専門家への相談、預金・ローンの優遇、会員限定体験などが用意されます。
| サービス | 主な内容 |
|---|---|
| 会員限定カード | 年会費無料のプラチナ・アメリカン・エキスプレス®・カード |
| エムット Excellent Brains | 金融、資産運用、資産管理、相続、不動産、税務の専門家にオンラインで相談 |
| 預金金利の優遇 | 円定期預金と投資信託のセット、外貨定期預金、退職金向け円定期預金などの優遇プラン |
| ローン金利の優遇 | 住宅ローン、ネットDEマイカーローン、カードローン「バンクイック」の金利優遇 |
| 銀行窓口の優遇 | 来店・相談予約の優先枠、会員専用の紙袋や封筒 |
| 家族への資格承継 | 本人会員の死亡後、家族会員は入会資格を満たさなくても1年間会員資格を継続可能 |
| 会員限定体験 | 人気スポーツのVIP席、学芸員の解説付き美術館貸切、旅行や文化体験など |
| Club Off | 飲食店、宿泊、映画、旅行、レジャー施設など全国約20万種類の優待 |
6分野の専門家にオンラインで相談できる
会員限定サービス「エムット Excellent Brains」では、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に加え、外部の税理士法人とも連携します。
相談できる分野は、ファイナンシャルプランニング、資産運用、財産管理、相続、不動産、税務の6分野です。会員サイトから相談相手を選び、オンラインで面談できるため、銀行窓口だけでは完結しにくい相続や不動産の相談をまとめやすくなります。
ただし、グループ各社の商品提案を受ける可能性はあります。提案内容だけでなく、手数料、途中解約の条件、他社の同種商品とも比較して判断することが大切です。
預金・ローンの金利優遇も用意
預金では、投資信託と円定期預金を組み合わせる「ウェルカム・セレクション」、円から預け入れる外貨定期預金、退職金を原資とする円定期預金などで、通常より大きな金利上乗せを予定しています。
住宅ローン、マイカーローン、カードローン「バンクイック」でも、本人会員と家族会員を対象に金利優遇が予定されています。具体的な優遇金利は発表されておらず、ローンは所定の条件と審査があります。
VIP体験や全国約20万種類の優待
入手しにくい人気スポーツのVIP席、美術館の貸切体験、上質な旅行・文化体験など、会員限定企画も予定されています。リロクラブと提携したClub Offでは、飲食店、宿泊、映画、レジャー施設など全国約20万種類の優待を利用できます。
ただし、VIP体験は常に全会員が利用できるとは限らず、抽選や人数制限が設けられる可能性があります。Club Offも、勤務先やほかのクレジットカードですでに利用できる場合は特典が重複します。
家族も利用でき、本人死亡後は1年間資格を継続
本人会員の配偶者と3親等以内の家族は、家族会員として入会できます。カードの家族会員年会費も無料となる予定です。
本人会員が亡くなった場合、残された家族がすぐにサービスを利用できなくなるのではなく、入会資格を満たしていなくても1年間は会員資格を維持できる「退会猶予」が設けられます。相続手続きや今後の資産管理を考える期間として、実用的な配慮といえるでしょう。
将来はMUFGグループ全体の残高で判定へ
サービス開始時は三菱UFJ銀行の利用者が対象ですが、次年度以降はMUFGグループ各社が順次参加し、入会資格もグループ内の合算残高を基準とする形へ変更される予定です。
三菱UFJ信託銀行の既存会員組織も、2028年度までに段階的に統合・再編されます。資産管理、住まい、健康・介護、相続・承継などを重点的に支援する「シニア版(仮称)」も設ける方針です。
正直な評価:既存の対象者には魅力的、カード目的の資産移管は詳細発表待ち
すでに三菱UFJ銀行で入会条件を満たしているなら、エムット Excellent Clubはかなり魅力的です。入会金・年会費がかからず、本人・家族ともにプラチナカードを無料で持てるうえ、預かり残高3,000万円以上なら通常還元率1.0%が予定されています。専門家相談や家族への資格承継も、資産が大きい人ほど実用性があります。
一方で、カードだけを目的に3,000万円を預けたり、1,000万円分の金融商品を購入したりするのはおすすめしません。資産の置き場所には金利、運用商品の手数料、リスク、預金保険制度の保護範囲など、ポイント還元より大きな要素があるためです。
特に、最大1.6%に必要な残高、対象店最大20%の条件、クレカ積立最大7.0%の対象額と上限、プラチナ特典の具体的な内容は未公表です。MUFGに資産を集約している人には有力な無料カードですが、これから資産を移す人は正式なカード規約とポイント条件が出てから比較するのが賢明です。
また、国際ブランドはAmerican Expressのみの予定です。国内外での利用先を広く確保したい場合は、VisaまたはMastercardブランドのカードも併用したほうが安心でしょう。
まとめ

エムット Excellent Clubは、カード、専門家相談、預金・ローン優遇、会員限定体験をまとめたMUFGの富裕層向けサービスです。対象者は75万人以上、預かり金融資産は50兆円以上を見込んでおり、MUFGは今後のウェルス戦略の中核に位置付けます。
目玉の「エムット Excellent Club カード プラチナ アメリカン・エキスプレス®・カード」は、本人・家族ともに年会費無料で、預かり金融資産残高3,000万円以上なら1.0%、最大1.6%還元となる予定です。ただし、カードの発行は2027年度上期で、ポイントや付帯サービスの詳細はまだ発表されていません。
対象者にとっては注目度の高いサービスですが、最大還元率だけを見て急いで資産を動かすのではなく、今後発表される条件を確認してから判断しましょう。

