
ゆうちょ銀行は、ファミリーマートに設置している約5,400台のゆうちょATMについて、2027年1月から約3年かけて営業を順次終了すると発表しました。ファミリーマートとのATM設置に関する契約終了に伴うものです。
営業終了後は、セブン銀行が運営する「ファミマATM」へ切り替わります。ゆうちょ銀行のキャッシュカードによる入出金は引き続きできますが、現在無料で利用できる時間帯にも手数料がかかるようになります。
ゆうちょ利用者にとっては、「近所のファミマで無料でお金を下ろせる」というメリットが失われる変更です。
約5,400台が対象。2027年1月から約3年かけて順次終了
対象は、ファミリーマートの店舗に設置しているゆうちょATMです。郵便局やゆうちょ銀行の店舗などに設置しているATMが、一斉に営業終了するわけではありません。
営業終了は2027年1月から順次進められ、約3年かけて実施される予定です。2027年1月にすべてのファミマからゆうちょATMがなくなるわけではありません。
各ATMの具体的な営業終了日時は、設置店舗の掲示物で案内されます。営業終了までは、従来どおりのサービスと手数料で利用できます。
セブン銀行に切り替わると、ゆうちょの無料時間帯がなくなる
新しく設置されるファミマATMは、ファミリーマート独自のデザインを採用していますが、運営するのはセブン銀行です。基本的には、従来のセブン銀行ATMと同様の機能・サービスを利用できます。
ゆうちょ銀行のキャッシュカードでも、預け入れ、引き出し、残高照会は引き続き可能です。ただし、入出金の手数料は、他の場所に設置されているセブン銀行ATMと同じ扱いになります。
現在のファミマにあるゆうちょATMと、切り替え後のファミマATMを比較すると、次のようになります。
| 利用する時間帯 | 現在のゆうちょATM | 切り替え後のファミマATM (セブン銀行) |
|---|---|---|
| 平日8:45~18:00 | 無料 | 220円 |
| 土曜日9:00~14:00 (休日を除く) | 無料 | 220円 |
| 上記以外の時間帯 | 110円 | 330円 |
| 日曜日・休日 | 110円 | 330円 |
| 残高照会 | 無料 | 無料 |
※ゆうちょ銀行のキャッシュカードによる、預け入れ・引き出し1回あたりの手数料です。料金は税込みで、2026年10月現在の公表内容に基づきます。平日・土曜日が休日の場合は休日の料金が適用されます。
無料だった時間帯は1回220円に、110円だった時間帯は330円に変わります。時間外や日曜日・休日の手数料は、現在の3倍です。
例えば、平日の日中に毎月4回、ゆうちょ口座から現金を引き出している場合、現在は無料ですが、切り替え後は月880円。年間では10,560円の負担になる計算です。
引き出しだけでなく、現金をゆうちょ口座へ預け入れる場合にも手数料がかかるため、入金に使っている方も注意が必要です。
なぜファミマにゆうちょATMがあった?導入は2014年から
ファミリーマートのゆうちょATMは、2014年に両社が設置に合意したことから始まりました。同年11月4日から、首都圏・関西圏の約500店舗への設置が順次進められています。
当時の大きな特徴は、ゆうちょ口座の入出金が365日、いつでも手数料無料だったことです。ゆうちょ利用者の利便性向上に加え、海外で発行されたカードにも対応することで、訪日外国人の利用も想定していました。
その後、日本郵政グループとの提携や、旧サークルK・サンクスなどに設置されていたATMの置き換えを通じて、全国へ広がっていきました。
| 時期 | 主な出来事 |
|---|---|
| 2014年 | ファミリーマートとゆうちょ銀行がATM設置に合意。11月4日から、首都圏・関西圏の約500店舗への設置を開始 |
| 2016年~2017年 | 日本郵政グループとの提携を背景に導入を拡大。2017年1月以降、16言語に対応する小型ゆうちょATM3,500台を全国へ順次設置する計画を発表 |
| 2017年7月以降 | 愛知県・岐阜県のサークルK、サンクス、一部ファミリーマートにあった「ゼロバンク」約1,500台を、ゆうちょATMへ順次置き換え |
| 2022年1月17日 | ファミマなどに設置するゆうちょATMで時間外の入出金手数料を導入。平日・土曜日の所定時間は無料、それ以外は110円に |
| 2025年9月 | 伊藤忠商事とセブン銀行が資本業務提携。ファミリーマートとセブン銀行もATM設置に向けた基本合意書を締結 |
| 2026年3月~6月 | ファミリーマートとセブン銀行がATM設置契約を正式に締結。6月1日から「ファミマATM」の設置とサービス提供を開始 |
| 2027年1月以降 | ファミマのゆうちょATM約5,400台が、約3年かけて営業を順次終了する予定 |
愛知県・岐阜県では、「ゼロバンク」からゆうちょATMへ、さらに今後はセブン銀行のファミマATMへと、店内のATMが変わっていくことになります。
また、手数料面では、導入当初の「いつでも無料」から、2022年に「一部時間帯のみ無料」へ変わり、今回の切り替えで「入出金は全時間帯有料」になるという流れです。
ファミマATMはすでに設置開始。チャージやスマホATMの機能は拡充
今回の発表より前に、セブン銀行のファミマATMへの切り替えは始まっています。
ファミリーマートは、2026年6月1日からファミマATMの設置を開始し、沖縄県・宮崎県・鹿児島県を除く全国の店舗に、約4年で約16,000台を設置する計画を公表しています。
ファミマATMでは、通常の現金の入出金に加え、各種キャッシュレス決済への現金チャージや、対応する銀行のスマホATMなど、セブン銀行のサービスを利用できます。銀行やサービスによって、利用できる機能・手数料は異なります。
対応する銀行のアプリがあれば、キャッシュカードを持ち歩かずに現金を引き出す、といった使い方も可能です。
一方で、ATMの機能が増えることと、ゆうちょ口座の入出金がお得になることは別の話です。ゆうちょをメインに使い、ファミマで無料の入出金をしていた方にとっては、手数料面で明確な改悪になります。
ゆうちょ利用者は、店舗名ではなくATMの種類を確認
切り替え期間中は、ファミリーマートの店舗によって、ゆうちょATM、イーネットATM、セブン銀行のファミマATMが混在します。
「ファミマだから、この時間ならゆうちょの手数料が無料」とは判断できません。ATMの運営会社や、取引画面に表示される手数料を確認する必要があります。
ゆうちょ口座の入出金を無料で済ませたい場合は、郵便局内やゆうちょ銀行店舗内のATMを利用する方法があります。紙幣のみの入出金は原則として全曜日・全時間帯無料ですが、一部の設置・隣接ATMは例外となるため、利用前に確認しましょう。硬貨を伴う取引には別の料金があります。
今回の変更は、ファミマからATMそのものがなくなる話ではありません。ATMはセブン銀行に切り替わり、ゆうちょのカードも引き続き使えるものの、無料で入出金できる場所が減っていくというニュースです。

