
楽天カードは2026年10月28日、Android端末のGoogle Payで、Visa・Mastercard・JCBのタッチ決済に対応しました。対象の楽天カードをGoogle ウォレットに登録すれば、各ブランドのタッチ決済対応店でスマートフォンをかざして支払えます。American Expressブランドは対象外です。
これまでも楽天カードはGoogle Payで使えましたが、店頭で利用できるのはQUICPayでした。Visa・Mastercardのタッチ決済をAndroidで使うには、別途「楽天ペイ」アプリ内の「楽天カードタッチ決済」を設定する必要がありました。
今回、その分かりにくかった設定先がGoogle ウォレットにまとまります。楽天ペイ内の従来機能は2027年1月中旬~2月中旬頃に終了予定で、楽天カードは新方式への移行を推奨しています。
何が変わった?Google Payで国際ブランドのタッチ決済も使えるように
今回の変更は「楽天カードがGoogle Payに初対応した」という話ではありません。従来のQUICPayに加え、Visa・Mastercard・JCBのタッチ決済を使えるようになった、という機能の追加です。
Google Payは支払いのサービス名、Google ウォレットはカードを登録・管理するアプリ名です。利用者はGoogle ウォレットで設定し、店頭では登録した楽天カードのブランドに対応するタッチ決済を使います。
| Androidでの支払い方法 | これまで | 2026年10月28日から |
|---|---|---|
| 楽天カードのVisa・Mastercardのタッチ決済 | 楽天ペイ内の「楽天カードタッチ決済」から設定 | Google ウォレットからも設定可能。旧方式からの移行を推奨 |
| 楽天カードのJCBのタッチ決済 | 従来の楽天ペイ内の機能は対象外 | Google ウォレットから設定可能に |
| 楽天カードを使うQUICPay | Google Payで利用可能 | 引き続き利用可能 |
| 楽天ペイのコード・QR払い | 楽天ペイアプリで利用 | 今回のタッチ決済機能の終了対象ではない |
JCBブランドの楽天カードでも、AndroidでJCBのタッチ決済を使えるようになった点は追加のメリットです。QUICPayを扱っていなくても、JCBのタッチ決済に対応する店舗なら、新しい方式で支払えます。
また、Google Pay対応のアプリやオンライン加盟店でも利用できます。カード本体をかざすタッチ決済や、iPhoneのApple Payとは別の、Android向けの対応拡大です。
以前は「楽天カードでタッチする」だけなのに、設定先が分かれていた
従来の仕組みは、普段から決済サービスを使い分けていない人には、かなり分かりにくいものでした。同じ楽天カードを同じAndroidスマートフォンで使うのに、どの決済方式を利用するかによって設定先が違ったためです。
Google Payに登録しても、Visaのタッチ決済にはならなかった
例えば、Visaブランドの楽天カードをGoogle Payに設定していても、従来の店頭決済はQUICPayでした。「Visaのカードをスマホに登録したから、Visaのタッチ決済が使えるはず」と考えると、そこで認識が食い違います。
Visa・Mastercardのタッチ決済を使いたければ、楽天ペイアプリを開き、その中にある「楽天カードタッチ決済」を別途設定する必要がありました。
楽天ペイの中にあるのに、楽天ペイのコード払いとは別物だった
さらに紛らわしいのが、楽天ペイアプリの中に「楽天ペイのコード払い」と「楽天カードのタッチ決済」が同居していたことです。
旧「楽天カードタッチ決済」は、楽天キャッシュ残高や楽天ポイントをタッチで支払う仕組みではありません。楽天カードのクレジット決済なので、店頭でも「楽天ペイで」ではなく、「クレジットカードのタッチ決済で」と伝える必要がありました。
アプリの名前は楽天ペイでも、使える店や支払うお金、レジで指定する決済方法はコード払いと異なる。この点は、利用者に余計な理解を求める仕組みだったといえます。
他社カードと使い分ける場合は、優先アプリの設定も必要だった
旧機能を使うには、楽天ペイをタッチ決済時に優先するアプリとして設定する必要もありました。他社カードの国際ブランドのタッチ決済をGoogle Payで使っている人は、その優先設定との兼ね合いを考える必要があったわけです。
一部端末では、別の決済アプリを起動している場合はそちらを使う設定にし、Google Payを開いたときだけ他社カード、それ以外は楽天カード、という使い分けも案内されていました。
QUICPayやSuicaなどが使えなくなる設定ではありませんが、国際ブランドのタッチ決済を使い分けるには、カードだけでなくアプリの優先順位まで意識しなければならなかったのです。
今後はGoogle ウォレットで他社カードと一緒に管理できる
今回の対応で、楽天カードの国際ブランドのタッチ決済もGoogle ウォレットから設定できるようになりました。他社カードと同じアプリでカードを管理でき、楽天カードのために楽天ペイを優先アプリにする必要がなくなります。
ただし、Google ウォレットに複数のカードを登録している場合は、通常のタッチ決済に使うデフォルトカードの確認が必要です。楽天カードを追加しただけで、以後の支払いが必ず楽天カードになるわけではありません。
また、QUICPayと国際ブランドのタッチ決済が、同じ決済方式に統合されたわけでもありません。レジで「クイックペイで」と伝えるか、「クレジットのタッチ決済で」と伝えるかによって、使う方式は引き続き異なります。
QUICPayを設定済みでも、タッチ決済は別途登録が必要
特に注意したいのは、Google Payで楽天カードのQUICPayを利用中でも、今回のタッチ決済は別途登録が必要なことです。旧「楽天カードタッチ決済」からも、自動的に移行するわけではありません。
Google ウォレットからの基本的な設定手順は、次の通りです。
- Google ウォレットを開く。
- 「+ウォレットに追加」を選ぶ。
- クレジットカードやデビットカードを追加する項目から、対象の楽天カードの情報を登録する。
- 画面の案内に従って本人認証を完了する。
- 端末のタッチ決済の優先アプリと、通常の支払いに使うカードを確認する。
楽天カードアプリのホームやメニューにある「Google Pay」ボタンから、Google ウォレットの登録画面へ進むこともできます。旧方式で楽天ペイを優先アプリにしていた人は、端末側の設定も確認しておきましょう。
利用時は「クレジットで」または「タッチ決済で」と伝え、原則としてスマートフォンのロックを解除して、対応する読取機にかざします。通常の支払いに使うカードとして設定していれば、支払いのたびに楽天カードアプリやGoogle ウォレットを起動する必要はありません。
対象カード・端末条件と、還元率の注意点
対象は楽天カードが発行するVisa・Mastercard・JCBブランドの個人用カードです。American Expressブランドは対象外で、楽天ETCカードや楽天バーチャルプリペイドカードなども利用できません。
新しいタッチ決済はAndroid 9.0以降に対応しますが、NFC機能、画面ロック、端末のセキュリティ要件など、Google ウォレットの利用条件も満たす必要があります。OSのバージョンだけで、すべてのAndroid端末が使えると判断することはできません。
一方、QUICPayには、おサイフケータイ対応など別の条件があります。「国際ブランドのタッチ決済」と「QUICPay」で、端末の対応条件まで同じではない点にも注意が必要です。
ポイントは、通常の楽天カードであれば原則として100円につき1ポイント、1%のカード利用ポイントが対象です。カードの種類や利用先によって還元率や対象外条件は異なります。
今回の対応で、楽天ペイのコード払いの還元条件がそのまま適用されるわけではありません。改善の中心は、ポイントの上乗せではなく、設定先やカードの使い分けが分かりやすくなることです。
利用上限も方式によって異なります。国際ブランドのタッチ決済は登録カードの利用可能額の範囲内で、店舗側の制限がある場合があります。楽天カードのGoogle PayによるQUICPayは、1回29,999円(税込み)までです。
従来の楽天カードタッチ決済は2027年初めに終了予定
楽天ペイアプリ内の「楽天カードタッチ決済」は、2022年10月4日にVisa・Mastercardの両ブランドに対応して始まりました。以降、AndroidではGoogle PayのQUICPayと楽天ペイ内のタッチ決済が並行する形になっていました。
| 時期 | 主な動き |
|---|---|
| 2022年10月4日 | 楽天ペイ内の「楽天カードタッチ決済」を開始。Visa・Mastercardに対応 |
| 2026年9月16日 | 従来機能の終了と、新しいウォレット決済への移行を発表 |
| 2026年9月30日13時 | 従来機能の新規設定受付を終了 |
| 2026年10月28日 | Google PayでVisa・Mastercard・JCBのタッチ決済に対応 |
| 2027年1月中旬~2月中旬頃 | 楽天ペイ内の従来機能を終了予定。具体的な終了日は別途案内 |
従来機能をすでに設定している人は、サービス終了まで引き続き利用できます。ただし、新規設定の受付は終了しているため、今から使い始める場合はGoogle ウォレットで設定することになります。
終了するのは、楽天ペイアプリ内で設定するAndroid向けの「楽天カードタッチ決済」です。楽天ペイのコード・QR払い、Google PayのQUICPay、iPhoneのApple Payが終了するわけではありません。
今回の対応は、単に使える決済方法が一つ増えたというだけでなく、「楽天カードをタッチで使いたいのに、楽天ペイとGoogle Payのどちらで設定するのか」という分かりにくさを減らす変更です。Androidで複数のクレジットカードを使い分ける人にとって、扱いやすくなる改善といえます。

