
ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)は2026年10月30日、V NEOBANKの後継サービス「NEOBANK CASH」を2027年3月29日に開始すると発表しました。銀行取引で貯まる特典をVポイントから、現金に交換できる独自の「NEOBANK CASHポイント」へ切り替えます。
デビットカードは条件付きで最大1.5%還元となり、他行からの振込入金でもらえるポイントも増えます。一方、ATM・他行宛振込の無料回数は、それぞれ月5回から月2回へ減少します。
今回の変更は、単純な改善とはいえません。11月から引き下げられる特典の一部を回復する内容であり、発表時点の条件と比べると、1.5%還元に100万円の残高条件が加わり、無料回数も減るためです。
何が変わる?「今の条件」と「11月以降の条件」を分けて比較
まず押さえたいのは、V NEOBANKでは今回の発表とは別に、2026年11月から特典の縮小が決まっていることです。デビット還元率は1.5%から1.25%へ、振込入金の特典は1件20ポイントから10ポイントへ下がります。
NEOBANK CASHの特典は、この引き下げ後の条件を基準にすると一部改善します。ただし、10月までの条件をそのまま上回るわけではありません。
| 項目 | 2026年10月まで | 2026年11月〜2027年2月 | NEOBANK CASHへの移行後 |
|---|---|---|---|
| デビットの通常還元率 | 1.5% | 1.25% | 1.25%。残高条件を満たすと最大1.5% |
| 1.5%還元に必要な預金残高 | 条件なし | 1.5%還元の設定なし | 月末の円普通預金+SBIハイブリッド預金が合計100万円以上 |
| 他行からの振込入金特典 | 1件20ポイント、月最大500ポイント | 1件10ポイント、月最大250ポイント | 1件20ポイント、月最大500ポイント |
| ATM無料回数 | 入出金合計で月5回 | 入出金合計で月5回 | 2027年4月から月2回 |
| 他行宛振込無料回数 | 月5回 | 月5回 | 2027年4月から月2回 |
| 貯まるポイント | Vポイント | Vポイント | 2027年3月の対象取引からNEOBANK CASHポイント |
※デビットは還元対象の新デザインカードを前提とし、月間合計1,000円以上の利用が条件です。一部の利用先は上記の通常還元率とは異なります。振込入金特典は1件1万円以上、月25件までで、給与・年金の受取は含みません。
デビット最大1.5%は残高100万円が条件
NEOBANK CASHのデビット還元率は基本1.25%です。月末時点の円普通預金とSBIハイブリッド預金の合計残高が100万円以上になると、0.25%分が上乗せされ、最大1.5%になります。
上乗せが適用されるのは、条件を達成した月の翌々月です。100万円を入金したその日から1.5%になるわけではありません。
例えば、通常還元の対象となる買い物に月5万円使う場合、1.25%なら625ポイント、1.5%なら750ポイント。残高条件による差は月125ポイント、同じ利用額が12カ月続けば年間1,500ポイント相当です。もともと100万円以上を置いている人には使いやすい特典ですが、この上乗せだけを目的に資金を移すなら、他行との預金金利の差も含めて考えたいところです。
鉄道・公共料金などは0.3%へ
2026年11月から還元対象外になる利用先のうち、鉄道の乗車券・特急券・定期券、公共料金、税金・社会保険料、病院・診療所、非営利団体への会費・寄付金などは、2027年3月から0.3%還元の対象になります。
還元が復活する点は改善ですが、通常の買い物と同じ1.25%や最大1.5%が付くわけではありません。また、電子マネーなどへのチャージについては、今回の告知だけで個別サービスの還元可否までは確定できないため、利用前に対象取引の案内を確認する必要があります。
デビットの切り替えは、カードを使った日ではなく、銀行に売上確定データが到着した日で判定されます。2月中の買い物でも、確定データの到着が3月以降なら新しいポイントの対象となります。
ATM・他行宛振込の無料回数は6割減
日常の使い勝手で明確な改悪となるのが、無料回数の削減です。2027年4月1日から、ATMの入出金は合計で月5回から月2回へ、他行宛振込も月5回から月2回へ減ります。それぞれ3回分、割合にすると60%の削減です。
例えば、毎月他行へ5回振り込んでいる人は、これまでは5回とも無料だったところ、4月以降は3回分が無料枠を超えます。ATMも「出金2回に加えて入金1回」なら合計3回となるため、無料枠に収まらなくなります。
V NEOBANKは、スマートプログラム対象支店の「アプリでATMなら何度でも無料」という扱いとは異なります。スマートフォンでATMを使えば、今回の無料回数削減を回避できるわけではありません。
ATMや他行宛振込が毎月2回以内なら影響は小さい一方、現金をこまめに引き出す人や、複数の口座へ資金を振り分ける人には不便になります。
Vポイントから、現金に交換できる独自ポイントへ
新たに貯まる「NEOBANK CASHポイント」は、500ポイント以上、100ポイント単位で現金に交換できます。また、デビット決済では1ポイント=1円として使えます。
Vポイントを普段使わない人にとっては、銀行でもらった特典を現金に戻せるのはメリットです。ただし、現金への交換には最低500ポイントという条件があります。
すでに持っているVポイントが今回の移行によって失効するわけではありません。Vポイントは引き続きVポイントの提携先などで利用でき、新しい独自ポイントとは別に扱われます。
振込入金は月最大500ポイントに戻る一方、終了する特典も
対象となる他行から1件1万円以上の振込を受けると、1件20ポイント、月25件までで最大500ポイントが貯まります。給与・年金の受取はこの特典には含まれません。
2026年11月〜2027年2月の「1件10ポイント、月最大250ポイント」と比べれば2倍です。ただし、2026年10月までの「1件20ポイント、月最大500ポイント」に戻る内容でもあります。
| 主な特典 | 移行後の扱い |
|---|---|
| 給与・年金受取 | いずれかを月1回以上受け取ると月30ポイントを継続 |
| 口座振替 | 1件につき5ポイントを継続 |
| 外貨預金 | 月末残高300万円以上で月50ポイントを継続 |
| 即時決済サービス | 1件20ポイント、月最大200ポイントの特典は終了 |
| 外貨積立 | 月1万円以上の積立で10ポイントの特典は終了 |
| NEOBANK住宅ローン | 新規借入によるポイント特典は終了 |
振込入金だけを見れば改善ですが、即時決済サービスや外貨積立の特典を使っていた人は、その分を差し引いて考える必要があります。これまでと同じ銀行取引を続ければ、誰でもポイントが増えるという変更ではありません。
T NEOBANKからV NEOBANK、そしてNEOBANK CASHへ
この口座は、もともとTポイントを貯められる「T NEOBANK」として始まりました。その後、ポイントブランドの変更やデビット特典の拡充を経て、今回はVポイントとの連携を軸にしたサービスから、銀行独自の特典へ移ることになります。
| 時期 | 主な出来事 |
|---|---|
| 2021年3月31日 | 住信SBIネット銀行とTマネーが「T NEOBANK」を開始。銀行取引でTポイントが貯まる口座として登場 |
| 2023年10月10日 | スマホデビットの提供を開始 |
| 2024年4月23日 | 「V NEOBANK」へ改称。支店名もTポイント支店からVポイント支店に変更 |
| 2025年3月 | ポイントプログラムを刷新。新デザインのデビットで月間1,000円以上の利用に対して1.5%還元を導入 |
| 2026年7月31日 | 11月からのデビット還元率引き下げ、振込入金特典の減額、円普通預金の月50ポイント特典終了を発表 |
| 2026年9月30日 | CCCライフパートナーズとの銀行代理業委託契約終了と、V NEOBANKから新サービスへの移行を発表 |
| 2026年10月30日 | 後継サービス「NEOBANK CASH」の名称と特典を発表 |
なお、銀行自体も2026年8月3日に住信SBIネット銀行からドコモSMTBネット銀行へ社名を変更しています。今回の移行で預金先が別の銀行になるわけではありません。
ポイント・サービス名・無料回数で変更日が異なる
切り替えは一斉ではありません。新ポイントの対象取引は3月1日から、サービス名の変更は3月29日、無料回数の削減は4月1日からです。
| 日付 | 変わること |
|---|---|
| 2027年2月28日まで | Vポイントの付与・銀行サービス内での利用の対象取引が終了 |
| 2027年3月1日から | 銀行取引の特典がNEOBANK CASHポイントに切り替わる |
| 2027年3月29日から | NEOBANK CASHとして提供開始。Vポイント支店はイチョウ支店へ名称変更 |
| 2027年4月1日から | ATM・他行宛振込の無料回数が、それぞれ月2回になる |
既存の利用者は、原則として口座を解約・開設し直す必要はありません。支店番号・口座番号は変わらず、預金、振込、ATM、デビットなどの基本機能も継続します。
改善か、改悪か。無料回数の縮小は見逃せない
評価するなら、「11月の特典縮小を一部取り戻す一方、無料回数は削り、1.5%還元には残高条件を付けた変更」です。
もともと100万円以上を預け、ATM・他行宛振込は月2回以内、特典は現金で受け取りたいという人には、後継サービスを使う理由があります。振込入金特典の回復や、一部利用先の0.3%還元もプラスです。
一方、少額の預金で1.5%還元を使っていた人や、月5回の無料枠・即時決済特典を活用していた人には改悪が目立ちます。「最大1.5%」「振込入金の特典2倍」という数字だけで改善と判断せず、自分が失う無料回数や特典まで含めて比較したい変更です。

