
JR東日本は、モバイルSuicaのアプリで使えるコード決済サービス「teppay(テッペイ)」を、2026年10月20日(火)11時以降、順次開始すると発表しました。
大きな注目点は、モバイルSuicaとモバイルPASMOのユーザー間でも、teppay残高を送り合えるようになることです。使っている交通系アプリが違っても、家族への交通費や友人との割り勘をやり取りし、受け取った残高をそれぞれのSuica・PASMOにチャージできるようになります。
まずはモバイルSuicaで提供を開始し、モバイルPASMOへの対応と、両アプリ間での残高の受け渡しは2027年春を予定しています。
このほか、2万円を超える買い物や、ビューカードを使った事前チャージ不要の支払いにも対応。11月4日からは、対象のコード決済で20%分のポイントが還元されるキャンペーンも実施されます。
Suica派とPASMO派の間でも、交通費や割り勘をやり取りできる
teppayでは、ユーザー同士で残高を送ったり、受け取ったりできます。サービス開始時はモバイルSuicaのユーザー間で利用でき、2027年春のモバイルPASMO対応後は、Suica・PASMOというアプリの違いを越えて残高を受け渡しできるようになります。
例えば、親がモバイルSuica、子どもがモバイルPASMOを使っていても、親から子どもへ交通費を送れます。子どもは受け取ったteppay残高をPASMOにチャージし、そのまま通学などの交通費に使えるようになります。
友人との食事代を割り勘する場合も、全員がSuica、または全員がPASMOにそろえる必要はありません。受け取った残高は、teppayでの買い物に使うだけでなく、普段使っている交通系IC残高にチャージして利用できます。
「残高を受け取ったものの、使い道が限られる」という不便を減らし、日々の交通費にも回せるのが、この連携の便利なところです。
受け渡しには、相手の電話番号やteppay IDを指定する方法のほか、QRコードやURLを使う方法も用意されています。
ただし、送り合えるのは新しい「teppay残高」です。すでにチャージしてあるSuica残高やPASMO残高を、直接送り合えるわけではありません。
teppayとは?交通系アプリにコード決済が加わる
teppayは、モバイルSuica・モバイルPASMOのアプリ内で利用するコード決済です。すでに対象のアプリを使っている方は、別の決済アプリをダウンロードする必要はありません。利用には会員規約などへの同意が必要です。
アプリ内のteppayアイコンから画面を切り替え、バーコード・QRコードによる支払いを利用します。モバイルPASMOで使えるようになるのは2027年春の予定です。
重要なのは、Suica・PASMOの電子マネー残高と、teppay残高は別に管理されることです。
電車やバスに乗るときは、これまでどおりSuica・PASMOをタッチします。teppay残高のままでは乗車できないため、交通費として使う場合は、受け取った残高などをSuica・PASMOの交通系IC残高にチャージする必要があります。
つまり、「買い物や残高の受け渡しはteppay」「改札を通るときはSuica・PASMO」という使い分けです。従来の交通系ICのタッチ決済がなくなるわけではありません。
2万円を超える買い物やネット決済にも対応
teppayでは、Suica・PASMOの電子マネー残高の上限である2万円を超える買い物も可能になります。
マイナンバーカードによる本人確認を行うと、teppay残高払いでは最大30万円の決済に対応。ビューカードを支払い元に設定すれば、カードの利用限度額まで支払えます。
例えば、対応する家電量販店で3万円の商品を買う場合、従来のSuicaでは残高上限の関係で全額を支払えませんでした。teppayなら、必要な条件を満たすことで支払えるようになります。
ただし、Suica・PASMO自体の電子マネー残高の上限が引き上げられるわけではありません。別の決済手段であるteppayを使うことで、高額な買い物に対応します。
利用できるのは、teppayマークのあるお店に加え、「Smart Code」マークのある全国170万か所以上です。店舗数は2026年3月末時点のものです。
Smart Codeの加盟店には、ウエルシア、イトーヨーカドー、オーケー、ヤマダデンキ、ケンタッキー、くら寿司、ココスなどがあります。ただし、一部店舗では利用できない場合があります。
Suica・PASMOが使えるお店と、teppayが使えるお店は同じではありません。店頭のteppay・Smart Codeの表示を確認しましょう。
また、アプリ内で「teppay JCBプリカ」を発行すれば、teppay残高を使ったオンライン決済も可能です。日本国内のJCB加盟店でのネットショッピングなどに利用できます。
通常還元は残高払いで0.5%、ビューカード連携払いで1%
teppay残高への主なチャージ方法は、ビューカード、金融機関、セブン銀行・ローソン銀行ATMでの現金チャージなどです。
teppay残高で買い物をすると、通常は支払い金額の0.5%分のteppayポイントが貯まります。ポイントは1ポイント=1円相当として、teppay残高払いの際に利用できます。
一方、支払い元にビューカードを設定する「ビューカード連携支払い」なら、事前チャージが不要となり、支払い金額の1%分のJRE POINTが貯まります。この場合、通常のteppayポイントは貯まりません。
なお、teppay残高から交通系IC残高へのチャージ、モバイル定期券・Suicaグリーン券・おトクなきっぷの購入では、teppayポイントは付与されません。一部、ポイント付与の対象外となる利用先もあります。
通常のteppayポイントはJRE POINTへ交換できますが、キャンペーンなどで付与される期間限定ポイントは交換できません。
11月4日から20%還元。上限は5,000ポイント
サービス開始を記念して、「みんなでteppay!20%ポイント還元キャンペーン」が実施されます。
事前にエントリーし、対象店舗で500円(税込)以上をteppayのコード決済で支払うと、利用金額の20%分が期間限定のteppayポイントで還元されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施期間 | 2026年11月4日(水)~12月25日(金) |
| エントリー | 必要。支払い前にteppayのキャンペーンページからエントリー |
| 対象となる支払い | 対象店舗での500円(税込)以上のteppayコード決済 |
| 還元率 | 対象の利用金額の20% |
| 還元上限 | 期間中、1人あたり最大5,000ポイント |
| 付与されるポイント | teppayポイント(期間限定) |
| ポイント付与時期 | 決済完了から7営業日後 |
| 早期終了 | キャンペーンの予算上限に達した場合、予告なく終了する可能性あり |
例えば、対象の買い物で5,000円を支払えば、20%還元分は1,000ポイントになります。対象の支払い合計25,000円で、20%還元分が上限の5,000ポイントに達する計算です。
注意したいのは、Suicaへのチャージ、モバイルSuicaの定期券・おトクなきっぷ・グリーン券の購入、teppay JCBプリカでの決済は対象外という点です。従来のSuicaのタッチ決済による買い物も、この20%還元の対象にはなりません。
また、一部対象外店舗があります。返品などが発生した場合も、ポイント付与の対象外となります。
還元される期間限定ポイントは、JRE POINTへ交換できません。teppay残高払いで1ポイント=1円相当として使えますが、ビューカード連携払いではteppayポイントを利用できないため、使う際は支払い元にも注意が必要です。有効期限内に使い切りましょう。
モバイルSuicaでのサービス開始は10月20日ですが、20%還元の対象期間は11月4日からです。モバイルPASMOの対応はその後の2027年春予定なので、今回のキャンペーンはモバイルSuicaで利用します。
買い物だけでなく、交通費の受け渡しも変わる
2万円を超える買い物への対応も便利ですが、teppayの特徴がよりはっきり表れるのは、Suica・PASMOのユーザー間で残高を送り合い、それぞれの交通費にも使えることです。
モバイルSuicaを使う親から、モバイルPASMOを使う子どもへ交通費を送る。友人との割り勘で受け取った残高を、翌日の通勤・通学に使う。こうした使い方が、普段の交通系アプリからできるようになります。
まずは10月20日にモバイルSuicaでスタートし、2027年春にモバイルPASMOへ拡大する予定です。交通系ICのアプリを、乗車や少額の買い物だけでなく、お金の受け渡しにも使えるサービスへ広げる動きといえるでしょう。

