
PayPayは、PayPayアプリで「PayPayカード」「PayPayカード ゴールド」以外のクレジットカードを継続利用するための新しい方法として、「他社カード利用券」の提供を開始しました。
これにより、PayPayカード以外のクレジットカードを使ってPayPayで支払いたい場合、今後は原則として、あらかじめ他社クレジットカードで「他社カード利用券」を購入し、その利用券をPayPay加盟店で使う形になります。
従来のように、登録した他社クレジットカードをそのまま支払い方法として選んで決済する方式は、2026年8月末に提供終了予定です。
ただし、三井住友カードが発行する一部の個人向けクレジットカードについては例外です。
対象の三井住友カードであれば、「他社カード利用券」を購入せず、従来に近い形でPayPay支払いに利用できます。
今回の変更は、PayPayカード以外のクレジットカードをPayPayに登録して使っていた人にとって、かなり大きなルール変更です。
今回の変更内容まとめ
| 項目 | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| PayPayカード以外のクレジットカード利用 | 登録済みカードを支払い方法として直接利用 | 原則として「他社カード利用券」を購入して利用 |
| 従来方式の終了時期 | 継続中 | 2026年8月末に提供終了予定 |
| 対象ブランド | Visa、Mastercard | 引き続きVisa、Mastercard |
| 3Dセキュア | 利用上限引き上げなどに必要 | 他社カード利用券の購入時に必要 |
| 三井住友カード | 他社カードとして利用 | 一部対象カードは利用券不要で継続利用可能 |
| PayPayポイント | 他社カード利用では基本的に対象外 | 他社カード利用券でもPayPayステップなどは対象外 |
「他社カード利用券」とは?
「他社カード利用券」は、PayPayカードや一部の三井住友カード以外のクレジットカードを使って購入し、PayPay加盟店での支払いに使える利用券です。
簡単に言えば、他社クレジットカードをそのままPayPay支払いに使うのではなく、いったんPayPayアプリ内で利用券を買い、その利用券で支払う方式になります。
購入できる金額は1万円単位です。
PayPayの案内では、1万円から最大25万円まで購入できるとされています。
利用できるクレジットカードの国際ブランドは、引き続きVisaとMastercardです。
JCB、American Express、Diners Clubなどは対象外です。
また、他社クレジットカードの登録時や、他社カード利用券の購入時には、本人認証サービス、いわゆる3Dセキュアが必要です。
他社カード利用券は、PayPayアプリの最新バージョンで順次利用できるようになります。
提供開始直後から全ユーザーが一斉に使えるわけではなく、順次拡大される形です。
この形だと、今後、1万円分のチャージには1万500円必要という形で手数料が乗ってくる可能性もあるでしょう。
他社カード利用券の主な特徴
- PayPayカード・一部の三井住友カード以外のクレジットカードで購入できる
- 利用できる国際ブランドはVisa、Mastercard
- 購入は1万円単位
- 最大25万円まで購入可能と案内されている
- 購入時には3Dセキュアが必要
- PayPay加盟店での支払いに利用可能
- オンライン加盟店など、一部のPayPay加盟店では対象外
- PayPay残高、PayPayクレジットとの併用は可能
- PayPayポイントとの併用は不可
- PayPayクーポン以外のキャンペーンや定常特典は基本的に対象外
- 有効期限はない
有効期限がない点は安心材料です。
一方で、1万円単位で先に購入する必要があるため、従来のように「必要な金額だけその場で他社カード決済する」という使い方とはかなり違います。
例えば、1,000円や2,000円の買い物のために使いたい場合でも、まずは1万円分の利用券を購入する必要があります。
残りの利用券は次回以降に使えますが、PayPayをそこまで頻繁に使わない人にとっては、少し使いにくく感じるかもしれません。
従来の他社クレジットカード決済は8月末終了予定
今回の他社カード利用券の提供に伴い、従来の他社クレジットカード決済方式は、2026年8月末に提供終了予定です。
つまり、これまでPayPayアプリに他社クレジットカードを登録し、そのカードを支払い方法として直接選んでいた人は、今後使い方が変わります。
PayPayカードや一部の三井住友カードを除くと、基本的には「他社カード利用券を購入して使う」形になります。
他社クレジットカード自体が完全に使えなくなるわけではありません。
ただし、直接決済ではなく、利用券を挟む方式になるため、手間や使い勝手は変わります。
三井住友カードは例外的に利用券不要で継続
今回の変更で大きな例外となっているのが、三井住友カードです。
三井住友カードが発行する個人向けクレジットカードのうち、対象カードについては、他社カード利用券を購入しなくてもPayPay支払いに利用できます。
対象カードには、三井住友カード(NL)、Oliveフレキシブルペイ、ANAカード、Amazon Mastercardなどが含まれます。
上記以外にも、三井住友カードが発行する個人向けカードが対象になる場合があります。
ただし、すべての三井住友カードが対象になるわけではありません。
対象外のカードでもPayPayへの登録自体はできる場合がありますが、支払い方法として選択できないカードは実際の支払いには使えません。
対象カードかどうかは、PayPayアプリの支払い方法選択画面で確認する必要があります。
三井住友カードを使うメリットは、他社カード利用券の購入が不要で、残高チャージも不要な点です。
1円単位で支払えるため、利用券方式よりも従来のクレジットカード決済に近い使い方ができます。
一方で、PayPayカード以外のクレジットカード支払いでは、PayPayポイントは付与されません。
三井住友カード側の通常ポイントは貯まりますが、PayPayステップなどのPayPay側のポイント還元とは別物です。
これまでの経緯:PayPayの他社クレカ問題は何度も揉めていた
PayPayの他社クレジットカード利用をめぐっては、これまでも何度か大きな変更が発表され、そのたびに利用者から反応がありました。
最初に大きく話題になったのは、2023年5月の発表です。PayPayは当初、2023年8月1日以降、PayPayカードとPayPayカード ゴールド以外のクレジットカードをPayPayアプリで利用できなくすると案内しました。さらに、2023年7月初旬からはクレジットカードの新規登録も停止するとしていました。つまり、当初の発表通りであれば、他社クレジットカードはかなり短期間でPayPayから締め出される予定でした。
しかし、この発表に対して、他社クレジットカードを使っていたユーザーからさまざまな意見が寄せられました。PayPay側も、一部ユーザーを困惑させる結果になったことを反省していると説明し、2023年6月に方針を見直しました。その結果、他社クレジットカードの利用停止時期は、2023年8月1日から2025年1月へ延期されました。これが1回目の大きな延期です。
その後、2024年12月には、2025年1月に予定していた他社クレジットカード利用停止について、再び見直しが発表されました。PayPayは、ユーザーが他社クレジットカードを引き続き利用できるよう、新たな利用方式を検討していると案内しました。その背景として、PayPayはサービス開始以来、他社クレジットカード決済において、国際ブランドなどが定める手数料が決済システム利用料を上回る状態が続いていると説明しています。要するに、PayPay側から見ると、他社クレジットカード決済はコスト面の負担が重い支払い方法だったということです。
ただ、ユーザー側から見ると、すでに使っていたカードが急に使えなくなるのは不便です。特に、ポイント還元率の高いカードをPayPayに登録して使っていた人、PayPayしか使えない店で他社カードのポイントを取りに行っていた人にとっては、かなり大きな変更でした。
今回の「他社カード利用券」は、その折衷案のような位置づけです。
完全に他社カードを排除するのではなく、他社カードを使う道は残す。ただし、従来の直接決済ではなく、利用券を購入する方式に変える。
そういう形で落ち着いたと見ることができます。
改善ポイント:他社クレジットカードが完全終了にはならなかった
今回の変更を改善と見るなら、一番大きいのは「他社クレジットカードが完全終了にはならなかった」点です。
当初は、PayPayカード以外のクレジットカードが使えなくなる方向で案内されていました。
そこから考えると、Visa、Mastercardの他社クレジットカードで他社カード利用券を購入し、PayPay加盟店で使える道が残ったのは改善です。
PayPayカードを作りたくない人、すでに使っている高還元カードを活用したい人にとっては、完全に選択肢がなくなるよりは良い内容です。
また、利用券に有効期限がない点もメリットです。
一度購入した利用券をすぐに使い切れなくても、期限切れを気にしなくてよいのは安心材料です。
改悪ポイント:その場で直接カード払いできなくなる
一方で、使い勝手の面では改悪と感じる人も多そうです。
これまでは、登録済みの他社クレジットカードを支払い方法として選べば、そのまま決済できました。
しかし今後は、原則として事前に「他社カード利用券」を購入する必要があります。
これはかなり大きな違いです。
支払いのたびにカード決済するのではなく、まず利用券を買い、その利用券を消化していく形になります。
さらに、購入単位は1万円単位です。
少額決済だけにPayPayを使っている人にとっては、事前に1万円分を購入するのが心理的に重いと感じるかもしれません。
また、オンライン加盟店など一部のPayPay加盟店では、他社カード利用券が使えない場合があります。
実店舗でのPayPay決済が中心の人は使える場面が多いと思われますが、オンライン決済でもPayPayを使っていた人は注意が必要です。
ポイント還元面ではどうなる?
ポイ活目線で見ると、今回の変更はかなり微妙です。他社カード利用券を購入することで、利用したクレジットカード側のポイントは狙える可能性があります。
例えば、普段使っている高還元カードで他社カード利用券を購入できれば、カード側のポイント還元を受けながらPayPay加盟店で使えることになります。
ただし、PayPay側の特典はかなり限定されます。他社カード利用券は、PayPayクーポン以外のサービス、定常特典、キャンペーンの対象外と案内されています。
つまり、PayPayステップのポイント還元や、PayPayクレジット限定のキャンペーンなどを重視する人にとっては、PayPayカードやPayPayクレジットのほうが有利になりやすいです。
他社カード利用券は、「PayPayを使える店で、手持ちの他社クレジットカードを間接的に使う手段」と考えたほうがよさそうです。
PayPayポイントをしっかり取りに行く支払い方法というより、カード側のポイントや使い勝手を優先する人向けです。
利用者への影響が大きそうな人
今回の変更で影響が大きそうなのは、次のような人です。
- PayPayカード以外のクレジットカードをPayPayに登録して使っていた人
- 高還元カードをPayPay経由で使っていた人
- PayPayしか使えない店舗で、他社カードのポイントを取りに行っていた人
- 少額決済中心でPayPayを使っている人
- オンライン決済でもPayPay+他社カードを使っていた人
- JCBやAmerican Expressなど、Visa・Mastercard以外のカードを使いたい人
特に、高還元カードをPayPayの出口として使っていた人は注意が必要です。
他社カード利用券方式でも、カード側のポイントを狙える可能性はあります。
しかし、事前購入が必要、1万円単位、対象外の加盟店あり、PayPay側の特典は限定的という点を考えると、これまでと同じ感覚では使えません。
「PayPayで他社カードが残った」と見ることもできますが、「これまでの直接決済は終わる」と見るべき変更です。
今後確認しておきたいこと
他社クレジットカードをPayPayで使っている人は、まず自分のカードがどの扱いになるのか確認しておきましょう。
PayPayカードなら、基本的にはPayPayクレジットで利用できます。
三井住友カードなら、対象カードであれば利用券なしで継続利用できます。
それ以外のVisa、Mastercardであれば、原則として他社カード利用券方式になります。
JCB、American Express、Diners Clubなどは、他社カード利用券の購入対象にもなりません。
また、他社カード利用券を使う場合は、次の点も確認しておきたいところです。
- 自分のアプリで他社カード利用券が使えるようになっているか
- PayPayアプリが最新バージョンになっているか
- 登録カードがVisaまたはMastercardか
- 3Dセキュアが設定されているか
- 利用券を使いたい店舗が対象か
- PayPayクーポンやキャンペーンの対象になるか
- PayPay残高やPayPayクレジットと併用する必要があるか
特にキャンペーン目的でPayPayを使う人は、支払い方法の条件を必ず確認したほうが良いです。
支払い方法が他社カード利用券になることで、PayPayポイント還元やキャンペーンの対象外になる可能性があります。
まとめ:他社カードは残ったが、使い勝手は大きく変わる
PayPayは、他社クレジットカードを継続利用する方法として「他社カード利用券」の提供を開始しました。
これにより、PayPayカードや一部の三井住友カード以外のクレジットカードでも、PayPay加盟店で支払う道は残ります。
ただし、従来のように登録済みカードをそのまま支払い方法として選ぶ方式は、2026年8月末に終了予定です。
今後は、原則として他社クレジットカードで利用券を購入し、その利用券を使う形になります。
完全終了ではないものの、使い勝手はかなり変わります。
1万円単位での事前購入、3Dセキュア必須、一部加盟店対象外、PayPay側の特典対象外など、注意点も多いです。
一方で、三井住友カードの対象カードは例外的に利用券不要で継続利用できます。
PayPayカードを使う人、三井住友カードを使う人、それ以外の高還元カードを使う人で、今後の最適解は分かれそうです。
今回の変更は、単なる機能追加というより、PayPayの他社クレジットカード利用ルールが大きく変わる節目です。
これまで他社カードをPayPayに登録して使っていた人は、8月末の従来方式終了前に、自分のカードと支払いルートを見直しておきましょう。

