
アメリカン・エキスプレスは、2026年7月1日からプラチナ・カードの特典・サービスを改定しました。
今回の改定では、年会費は据え置きのまま、一部の旅行・ホテル・ダイニング特典が強化されています。
一方で、これまで使いやすかった特典の終了や、条件が厳しくなる内容も含まれています。
特に注目したいのは、年間500万円以上のカード利用を前提にした特典が増えている点です。
つまり、今回の改定は「プラチナ・カードを年間で大きく使う人」には改善になりやすい一方、「年会費に対して使いやすい特典を回収していた人」には改悪と感じやすい内容です。
今回の改定内容まとめ
主な変更点は以下の通りです。
| 項目 | 改定前 | 改定後 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 年会費・基本カード | 165,000円(税込) | 165,000円(税込) | 据え置き |
| 家族カード | 4枚まで無料 | 4枚まで無料 | 据え置き |
| プレミアム フリー・ステイ・ギフト | 継続で1泊分 | 継続で1泊分+年間500万円以上利用でさらに1泊分 | 改善 |
| トラベルクレジット | 継続で2万円分 | 終了し、条件付きでエアライン・クレジット10万円分へ | 人によって評価が分かれる |
| エアライン・クレジット | なし | 年間500万円以上利用+継続で10万円分 | 条件付き改善 |
| ホテルメンバーシップ | 4つのホテルグループの上位ステータス | 6つのホテルグループの上位ステータスへ拡大 | 改善 |
| グローバル・ダイニング・キャッシュバック | 20%還元、年間最大4万円 | 50%還元、年間最大4万円 | 改善 |
| 2 for 1 ダイニング by 招待日和 | 2名以上の予約で1名分無料 | 終了 | 改悪 |
| ラグジュアリー・ショッピング | キャッシュバック、パーソナル・ショッピングあり | 終了 | 改悪 |
| 海外旅行傷害保険 | 自動付帯+利用付帯 | 利用付帯のみ | 改悪 |
| ゴルフ保険 | 自動付帯 | 終了 | 改悪 |
改善ポイント1:年会費は据え置き
まず大きいのは、基本カードの年会費が165,000円(税込)のまま据え置かれている点です。
家族カードも4枚まで無料のままです。
近年、プレミアムカードでは年会費の値上げと特典改定がセットになるケースも多いため、今回のアメックスプラチナは「年会費を上げずに特典構成を入れ替えた」形です。
ただし、年会費が変わらないから単純な改善というわけではありません。
使える特典が増えた人もいれば、今まで使っていた特典がなくなる人もいます。
今回の改定は、金額だけではなく「自分が使う特典が残るのか、条件を満たせるのか」で判断する必要があります。
改善ポイント2:フリー・ステイ・ギフトが最大2泊に
プレミアム フリー・ステイ・ギフトは、今回の改定で強化されます。
これまで通り、カードを継続すると1泊2名分の無料宿泊券がもらえます。
さらに、年間500万円(税込)以上のカード利用とカード継続を達成すると、もう1泊分が追加されます。
つまり、条件を満たせば最大2泊分の無料宿泊特典になります。
旅行好き、ホテルステイ好きにとってはかなり大きな改善です。
特に、夫婦や家族で国内旅行をする人、ホテルステイを毎年楽しんでいる人にとっては、年会費回収に使いやすい特典になります。
ただし、2泊目をもらうには年間500万円以上のカード利用が必要です。
もともと年間500万円以上をアメックスプラチナに集約している人ならメリットがありますが、無理に決済を寄せて条件達成を狙う場合は慎重に考えたほうがよさそうです。
改善ポイント3:エアライン・クレジット10万円分が追加
新たに、エアライン・クレジット10万円分が追加されます。
これは、毎年1年間のプログラム期間中に500万円(税込)以上カードを利用し、カードを継続した場合にもらえる特典です。
アメリカン・エキスプレス・トラベル オンラインで海外航空券を購入する際に使えます。
金額だけを見ると、10万円分はかなり大きいです。
これまでの継続特典だった2万円分のトラベルクレジットと比べると、額面上は大幅に増えています。
ただし、ここは評価が分かれるポイントです。
エアライン・クレジットは、年間500万円以上の利用が必要です。
さらに、対象は海外航空券の購入で、1回の予約・決済で30万円(税込)以上の海外航空券を購入する場合に使える内容です。
国内航空券、ホテル、レンタカーの予約は対象外です。
そのため、海外旅行で高額な航空券を購入する人には改善ですが、国内旅行中心の人、ホテル予約に使える2万円分のトラベルクレジットを重宝していた人には使いにくくなる可能性があります。
「2万円から10万円に増えた」と見ると改善ですが、「使える場面がかなり限定された」と見ると改悪でもあります。
改善ポイント4:ホテルメンバーシップが4グループから6グループへ
ホテルメンバーシップも強化されます。
これまで4つのホテルグループの上位ステータスが対象でしたが、改定後は6つのホテルグループに拡大します。
新たに、オークラ ニッコー ホテルズのOne Harmonyエクスクルーシィヴメンバー、ALL Accorのゴールドステータスが追加予定です。
ホテルステータスは、部屋のアップグレード、レイトチェックアウト、優先対応などにつながることがあるため、ホテルをよく使う人にはメリットがあります。
特に、国内ホテルをよく使う人にとって、オークラ ニッコー系が追加される点は注目しやすい改善です。
一方で、ホテルステータスは使って初めて価値が出る特典です。
対象ホテルに泊まらない人、旅行頻度が少ない人には、年会費回収の材料としては弱く感じるかもしれません。
改善ポイント5:グローバル・ダイニング・キャッシュバックが20%から50%に
グローバル・ダイニング・キャッシュバックは、還元率が20%から50%に引き上げられます。
年間最大4万円までという上限は変わりません。
この変更は、対象レストランを使う人にとってはかなり分かりやすい改善です。
これまでは20%還元だったため、年間上限4万円を取り切るには20万円分の利用が必要でした。
改定後は50%還元になるため、8万円分の利用で上限4万円に到達します。
つまり、同じ4万円上限でも、より少ない利用額で満額に届くようになります。
記念日ディナー、旅行先での食事、高級レストラン利用がある人には使いやすくなります。
ただし、こちらも対象店舗での利用が前提です。
また、Amex Offersへの事前登録が必要なので、使う前に登録状況を確認しておきたいところです。
改悪ポイント1:2 for 1 ダイニング by 招待日和が終了
今回の改定で大きな改悪と感じる人が多そうなのが、2 for 1 ダイニング by 招待日和の終了です。
この特典は、対象レストランを2名以上で予約すると1名分のコース料金が無料になる内容でした。
高級レストランを年に数回使う人にとっては、かなり分かりやすく年会費回収に貢献する特典でした。
終了スケジュールは、予約が2026年9月27日19時まで、利用は2026年9月30日までです。
グローバル・ダイニング・キャッシュバックが50%に強化されるとはいえ、招待日和とは使い方が違います。
招待日和は「2名で行くと1名分無料」という分かりやすい強さがありました。
対象店舗や予約方法、使えるシーンも異なるため、単純に50%キャッシュバックで完全に代替できるとは言い切れません。
夫婦やカップル、友人との外食で招待日和をよく使っていた人にとっては、かなり痛い変更です。
改悪ポイント2:トラベルクレジット2万円分が終了
継続特典として進呈されていた2万円分のトラベルクレジットも終了します。
新たにエアライン・クレジット10万円分が登場しますが、こちらは年間500万円以上の利用とカード継続が条件です。
さらに、使える対象は海外航空券です。
これまでのトラベルクレジットは、ホテル予約で使える2万円分の特典でした。
金額は2万円と新特典より小さいものの、使いやすいと感じていた人も多かったはずです。
特に、国内ホテル旅行に使っていた人、海外航空券をあまり買わない人、年間500万円利用に届かない人にとっては改悪寄りの変更です。
一方で、毎年海外旅行に行き、30万円以上の海外航空券をアメックスのトラベルオンラインで購入する人なら、10万円分のエアライン・クレジットは大きな改善になります。
この特典は、利用スタイルによって評価がはっきり分かれます。
改悪ポイント3:海外旅行傷害保険の自動付帯が終了
海外旅行傷害保険も変更されます。
これまでは自動付帯と利用付帯の両方がありましたが、改定後は利用付帯のみになります。
改定日は2026年10月1日です。
自動付帯とは、カードを持っているだけで一定の補償が受けられるタイプの保険です。
利用付帯になると、旅行代金などを対象カードで決済することが必要になります。
これは、海外旅行に行く人にとってかなり重要な変更です。
航空券やツアー代金を別のカードで支払っていた人、マイルやキャンペーン目的で他カード決済をしていた人は、今後は補償条件を必ず確認する必要があります。
プラチナ・カードの旅行保険をあてにするなら、旅行代金をプラチナ・カードで決済する運用に変える必要が出てきます。
改悪ポイント4:ラグジュアリー・ショッピングが終了
ラグジュアリー・ショッピングも終了します。
対象は、キャッシュバック特典とパーソナル・ショッピング特典です。
最終利用日は2026年12月31日です。
この特典を使って高額品の購入やパーソナルショッピングを利用していた人にとっては、明確な改悪です。
全員が使う特典ではありませんが、使う人にとっては1回あたりの金額が大きくなりやすいジャンルです。
特に、百貨店やラグジュアリーブランドでの買い物をプラチナ・カードの魅力の一つとして見ていた人は、終了前に利用予定を確認しておきたいところです。
改悪ポイント5:ゴルフ保険が終了
ゴルフ保険も終了します。
終了予定は2026年9月30日16時です。
ゴルフをしない人には影響が小さい変更ですが、ゴルフをする人にとっては注意が必要です。
これまでカード付帯の保険を前提にしていた場合は、別途ゴルフ保険に加入するか、他カードの付帯保険を確認する必要があります。
プラチナ・カードは旅行・ホテル・ダイニングの印象が強いですが、こうした保険系の特典を重視していた人にとっては、地味に痛い改定です。
今回の改定は誰にとって改善か
今回の改定が改善になりやすいのは、次のような人です。
・年間500万円以上をアメックスプラチナで決済できる人
・海外航空券を年に1回以上、高額決済する人
・ホテルステイや上級会員特典をよく使う人
・対象レストランで年間8万円以上使う人
・家族カード4枚無料を活用している人
・プラチナ・カードに決済を集約している人
特に年間500万円以上利用できる人は、フリー・ステイ・ギフトの2泊目とエアライン・クレジット10万円分を狙えるため、改定後の恩恵を受けやすくなります。
また、グローバル・ダイニング・キャッシュバックは50%還元に上がるため、対象レストランを使う人なら以前より少ない利用額で上限に到達できます。
ホテル、海外旅行、外食にしっかり使う人にとっては、年会費据え置きで特典が厚くなったと見てもよさそうです。
今回の改定は誰にとって改悪か
一方で、今回の改定が改悪になりやすいのは、次のような人です。
- 年間500万円利用に届かない人
- 2万円分のトラベルクレジットをホテル予約で使っていた人
- 2 for 1 ダイニング by 招待日和をよく使っていた人
- 海外旅行傷害保険の自動付帯を重視していた人
- 旅行代金を他のカードで支払っていた人
- 国内旅行中心で、海外航空券をあまり買わない人
- ラグジュアリー・ショッピングやゴルフ保険を使っていた人
特に、年間500万円の利用条件を満たせない人にとっては、今回の新特典の一部は実質的に使えません。
フリー・ステイ・ギフト2泊目も、エアライン・クレジット10万円分も、年間500万円以上の利用が前提です。
その一方で、招待日和、トラベルクレジット、海外旅行保険の自動付帯など、従来の分かりやすい特典は終了・変更されます。
そのため、ライトユーザーや年会費回収を重視する人にとっては、プラチナ・カードの使い方を見直すタイミングになりそうです。
注意したい終了スケジュール
今回の改定では、特典ごとに終了時期が異なります。
| 特典 | 終了・変更時期 |
|---|---|
| 2 for 1 ダイニング by 招待日和 | 予約は2026年9月27日19時まで、利用は2026年9月30日まで |
| ゴルフ保険 | 2026年9月30日16時終了 |
| 海外旅行傷害保険の自動付帯 | 2026年10月1日改定 |
| ラグジュアリー・ショッピング | 2026年12月31日の利用分が最終 |
| トラベルクレジット | 2027年8月31日の進呈分が最終 |
特に、招待日和とゴルフ保険は2026年9月末で終了します。
海外旅行傷害保険の自動付帯も2026年10月1日に改定されるため、秋以降に海外旅行を予定している人は要注意です。
旅行代金をどのカードで支払うかによって、保険の適用可否が変わる可能性があります。
総評:ヘビーユーザー優遇、ライトユーザーには厳しめの改定
今回のアメックスプラチナ改定は、単純な改善でも単純な改悪でもありません。
年会費は据え置きで、フリー・ステイ・ギフト2泊目、エアライン・クレジット10万円分、ホテルメンバーシップ拡大、ダイニングキャッシュバック50%など、見た目の特典はかなり強化されています。
一方で、その恩恵を大きく受けるには年間500万円以上のカード利用や、海外航空券の高額購入、対象レストランの利用などが必要です。
逆に、これまで多くの人が使いやすかった2万円分のトラベルクレジット、2 for 1 ダイニング by 招待日和、海外旅行傷害保険の自動付帯などは終了・変更されます。
そのため、今回の改定は「年間500万円以上使うプラチナ・カードのヘビーユーザー」には改善、「特典をうまく使って年会費を回収していたライトユーザー」には改悪と感じやすい内容です。
今後もアメックスプラチナを持ち続けるかどうかは、年間利用額、海外旅行の頻度、ホテル特典の活用度、ダイニング特典の利用予定をもとに判断したほうがよさそうです。
特に年間500万円を超えるかどうかで、今回の改定の評価は大きく変わります。
プラチナ・カードを継続する人は、終了する特典の期限を確認しつつ、新特典をどこまで使えるかを早めに整理しておきましょう。

