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難しすぎてハードルが高い!?タッチ決済の使い方(レジでの伝え方)を決済端末別にまとめてみた

コンタクトレス決済の使い方を決済端末別にまとめてみた

日本でも使えるお店や使う人が爆発的に増加し、ちょっと前までと比べてかなり浸透してきた感のあるタッチ(コンタクトレス)決済。

し・か・し!だいぶスムーズに使えるようになったとは言えど、未だ対応していてもすんなり使えないお店もまだまだ多く存在します。

そこで今回は、そんなタッチ決済を使う上でハードルが高い理由と「一発」で「スムーズ」に使うための伝え方をご紹介します。なお、この記事は簡易版をYouTubeに動画でもあげているので併せてご参照ください。

対応してても使えない!?簡単にいかないそのワケ

お店では対応してるとしっかり明記してあるけど簡単に使えない・・・使えないと断られ結局そのままカードで払ってしまった・・・

未だ聞かれるこのようなお話、その理由は主に2つ挙げられます。

1.端末の処理方法の違い

海外の決済端末においては、クレジットカードのみの運用であることが大半を占めることからクレジット支払いを選択するだけで磁気・IC・NFCが同時に使える「三面待ち」仕様となっていることがほとんどで、そのままかざすだけで簡単に使える仕様になっています。

一方で日本の決済端末の場合、タッチ決済だけ別のボタンになっている「二面待ち」仕様の決済端末が数多く採用されているため、そもそも使えるか使えないのか分かりにくい状態となっています。

日本と海外の決済端末の違い

これは操作部のみでカードの扱いが完結するシンプルな構造が基本である海外の決済端末とは対照的に、操作部・PINパッド・カードリーダーとすべて分離している構造が基本となっている日本の決済端末が原因としてあります。

このような構造になっているのは海外では「カードは利用者自身が読み取りをする」ことが当たり前なのに対し、日本では商慣習として「カードは店で預かって読み取りをする」ことが長らく当たり前だったことも色濃く影響しているのです。

しかしながら、近年では改正割賦販売法の影響で決済端末単独で運用しているお店でも三井住友カードの「stera terminal」や、レジ接続の決済端末など「三面待ち」に対応したものが徐々に普及し、使う上でのハードルもかなり下がった状況となっています。

今後もこの動きはさらに進むものと見られており、主要な決済端末はこれから3~5年ほどかけて三面待ちに対応した決済端末に置き換えられることと思います。

2.システムは統一だけど呼び名が統一されていない

決済処理方法は全く同一ではありますが、端末メーカーによってタッチ決済の名称がバラバラになっており、さらに店舗での混乱を招いている原因にもなっています。

日本では国際ブランド単位での呼び名が「OO(国際ブランド)のタッチ決済」と統一されてわかりやすくはなりましたが、一方で決済端末サイドでは二面待ちの決済端末になると「コンタクトレス」「NFC PAY」「NFC Payment」・・・などとタッチ決済のボタンの呼び名がバラッバラになっており、未だ複雑な状態であることが混乱に拍車をかける状態になっているのです。

一方で海外では国際ブランドでの名称は「コンタクトレス」で統一されており、端末も三面待ちが当たり前なことからスムーズに利用することができます。

難易度別!端末ごとのタッチ決済の呼び方・使い方

様々出回っている決済端末、ではどの程度難しいものがあるのか?ここではスムーズに使える「かんたん」、一声かける必要がある「ややこしい」、素人ではなかなか見分けがつきにくい「厄介」の3つの難易度別に呼び方・使い方をご紹介します。

難易度★☆☆:かんたん

コンタクトレス決済(タッチ決済)の難易度が「かんたん」な端末

  1. Stera terminal
  2. JT-VT10(JET-S)
  3. JT-R600CR
  4. Verifone P400
  5. UT-X10
  6. Saturn 1000E(CAFIS Arch)
  7. CT-6100(JET-S)
  8. Lane/5000(JET-S)
  9. eZCATS-100C
    支払い時の伝え方:クレジットで

    これらの決済端末は三面待ちが基本となっており、基本的にはどれでも「クレジット」と伝えるだけで簡単に利用することができます。

    特にstera terminalは三井住友カードのカード加盟店で古い決済端末からの置き換えとして採用されていることもあり爆発的に普及し、たまーにタッチ決済が無効になっているお店もありますが設置されているところは間違いなく利用できるので使えるところの「わかりやすい目印」にもなることと思います。

    Verifone P400もタッチ決済の決済端末として採用されている例が非常に多く、特に食品スーパーなどで導入例の多い寺岡精工のレジを採用しているお店ではよく使われています。

    2023年からは三面待ちに対応した東芝テックの新決済端末「CT-6100」やオムロンの次世代端末「eZCATS-100C」の供給も始まり、導入実績が非常に多い「CT-5100」や「CATS300」からの端末更新としても採用されているためチェーン店から中小のお店まで、今後急速に三面待ちに対応した店舗の増加が見込まれます。

    意外とチェーン店でのレジ接続端末としてJ-Mups版の採用例が多いingenicoのLane/5000もJET-S版が2023年より登場、こちらもJ-Mups版からの入れ替えが順次進められています。

    タッチ決済に慣れていない方はまずはこれらの端末を使っているお店で積極的に使って慣れていきましょう。

    ※利用に注意が必要な端末※

    Verifone P400

    クレジット決済画面で下記の表示になっていない場合はタッチ決済に対応していません。

    P400(コンタクトレス決済に対応画面)

    主にVisa/Mastercardの契約先が三菱UFJニコスになっている場合に当てはまることが多いため、お店のアクセプタンスマークにVisa/Mastercardのマークと共に三菱UFJニコス(MUFG/DC/NICOS)が書かれてある場合は注意しましょう。

    Saturn 1000E(CAFIS Arch)

    Saturn 1000E(CAFIS Arch)の場合、原則三面待ちの決済端末ではありますがレジと連動しているお店(すかいらーくグループなど)や一部のお店では設定により二面待ちになっていることがあります。

    その場合は「NFC Payment」「クレジットのタッチ」と伝えれば利用することができるので慌てずに確実に伝えましょう。

    Lane/5000(JET-S)

    Lane/5000(JET-S)の決済画面

    現在出回っているLane/5000は主に接続先の決済センターがJ-MupsとCARDNET(JET-S)の2種類あり、タッチ決済が出来るのはJET-S版のみとなります。

    端末の画面が白背景で「POS連動中」と書かれているもの、カード読み取り画面が↑画像の表示になっているものがJET-S版なので確認しましょう。

    eZCATS-100C

    eZCATS-100Cの決済画面

    端末に表示されるタッチ位置の案内が小さいため少々分かりにくいですが、画面の上半分全体が読み取れる範囲になっているので「表示されている位置を中心にかざす」感覚でタッチしてください。

    CT-6100(JET-S)

    端末番号が「49743」「60522」(JCB設置)から始まる場合、Visa/Mastercardの契約先が三菱UFJニコスになっている加盟店では三面待ち状態であってもVisa/Mastercardはタッチ決済を利用することができません。

    こちらもお店のアクセプタンスマークに三菱UFJニコス(MUFG/DC/NICOS)が書かれてある場合は注意しましょう。

    JT-VT10(JET-S)

    決済端末の仕様上三面待ちがデフォルトではあるものの、レジと連動している場合は三面待ちにはならずタッチ決済は別コマンド、あるいは利用不可になっていることがあります。

    これはもともとJ-Mups端末をレジ連動していた店舗で多く見られ、JT-VT10に置き換えた際に従来のレジ連動仕様をそのまま踏襲した結果よく起こります。

    なかなか見分けがつかないため難しいですが、クレジットと伝えても三面待ちで立ち上がらない場合は一度キャンセルし、クレジットのタッチと伝えて利用できるか確認してみましょう。

    難易度★★☆:ややこしい

    コンタクトレス決済(タッチ決済)の難易度が「ややこしい」な端末

    1. CT-5100(JET-S)
    2. JT-C31(CAFIS Arch)
    3. JT-C31(JET-S)
    支払い時の伝え方:NFC PAYで/コンタクトレスで/クレジットのタッチで

    この3つの決済端末は二面待ちが基本となっているため、端末のボタンに書かれている呼び名で伝えるとスムーズに利用することが出来ます。

    端末の画面上に載っていれば基本的に扱えるため、CT-5100(JET-S)やJT-C31(CAFIS Arch)では「NFC PAY」JT-C31(JET-S)は「コンタクトレス」のボタンがあるか確認してからそれぞれ伝えましょう。

    ただし単独で運用している店舗では比較的使えるもののレジと連動しているお店の場合は厄介になることがあり、JT-C31(JET-S)の場合は元の実装方法の影響により無効化されるパターンが大半を占めます。

    一方で後継のCT-6100が登場し三面待ちに対応したため、CT-5100(JET-S)を使っている店舗は今後端末更新のタイミングで二面待ちが解消されることになるでしょう。

    ※JCB設置の加盟店は落とし穴※

    JCBが設置元のCT-5100(JET-S)を使っている加盟店の場合、NFC PAYボタンがあり利用できる状態であってもVisa/Mastercardだけ利用出来ないケースに当たることがあります。

    これは設置元カード会社のカードブランドのみデフォルトで取り扱い可能になっていることが原因で、Visa/MastercardはCT-5100でタッチ決済が対応可能なカード会社との契約+設定更新作業をしないと取り扱えないようになっているのが原因です。

    特に先述の通り、Visa/Mastercardの契約先が三菱UFJニコスのみとなっている場合はほとんどが非対応で利用することができません。

    ただJCB設置なのかどうかは判別可能で、決済端末側面またはカードの売上伝票に書かれている端末番号の頭5桁が「49743~」「31091~」「60522~」で始まる端末は全てJCB設置分となっているためよく確認しておきましょう。

    難易度★★★:厄介

    コンタクトレス決済(タッチ決済)の難易度が「やっかい」な端末

    1. CATS300/330(JET-S)
    2. VEGA3000
    3. Saturn 1000L(CAFIS Arch)
    4. PAX Q28
    支払い時の伝え方:NFC PAYで/クレジットで/クレジットのタッチで

    ややこしいを通り越して使う側を混乱させる厄介級の決済端末がこの4つです。

    CATS300/330は見かける例も多く、近年は基本契約にタッチ決済が含まれているので「NFC PAY」と伝えるだけでOKですが、先のCT-5100(JET-S)以上にカード会社との組み合わせが非常に悪く、Visa/Mastercardの各カード会社設置分となってくると使えないケースがよくあります。

    また、レジと連動した運用にした場合は基本的にレジ側で決済種別を選択しないと使えない仕様のためNFC PAYボタンが入っていても使えないようにしていることも・・・

    VEGA3000も採用例が非常に多く単独運用からレジ連動まで様々なタイプがあるものの決済ソフトが3つ存在し、それぞれ三面待ちになっているものもあれば二面待ちのもの、そもそも無効化されているものまで実際に使ってみないと見分けが付かないため素人じゃなくてもなかなか判断できません。

    利用する際は端末画面やレジなどにタッチ決済が利用できるかどうかの掲示をしっかり確認し、三面待ちの場合は「クレジット」、二面待ちの場合は「クレジットのタッチ」と伝えましょう。

    レジ連動している決済端末で特にややこしいのがファミリーマートやTSUTAYAなどで採用されているPAX Q28とケーズデンキやDCMグループで採用されているSaturn 1000Lで、ファミリーマートとケーズデンキだけ三面待ちが出来るのに何故か他は二面待ちで実装しているところばかり・・・

    ただしエディオンを除きほとんどが分かりやすい文言でボタンを用意していることが幸いで、「クレジットのタッチ」と言えばすんなり通じます。

    番外:モバイル決済端末の場合

    決済端末に下記の決済サービスを使っているお店でもタッチ決済を利用することができます。

    • Square
    • AirPAY
    • STORES
    • Uペイ
    • PAYGATE Station(一部非対応あり)
    • 楽天ペイ実店舗決済(順次対応)
    • TIMES Pay(順次対応)
    支払い時の伝え方:クレジットで

    どのお店でも「クレジットで」と言えばOK、すべての決済端末が三面待ちとなっているためカードリーダーにかざすだけで利用可能。

    たまにカードをお預かりされたり言われることもあるためその場合は「タッチをするので端末を出してください」と一声かけるのもスムーズに使うコツです。

    例外として下記のPAYGATE Stationを利用しているお店の場合、ごく一部でタッチ決済のみ使えない仕様の古い端末を使っていることがあります。

    見分け方においても他の決済サービスで似たような決済端末を使っていることがあるため、端末先端の非接触カード読み取り部に書かれている「PAYGATE」のロゴで判断してください。

    PAYGATE Stationでコンタクトレス決済

    なお、これらの端末を使っているお店は簡単に見分けることが可能で、お店に掲示しているアクセプタンスマークに決済プラットフォームも一緒に書かれているのでこれを目印にすればOKです。

    タッチ決済のマークが無くても原則利用可能なので迷わず積極的に利用しましょう。

    まとめ

    カード会社よ、まだまだ周知が足りていないからしっかりして!

    ちょっと前と比べるとだいぶマシにはなったものの、未だに呼び名もやり方もバラッバラな状態が続いていることには変わりありません。

    現在は主に中小の加盟店の決済端末更新が進んでおり、徐々に三面待ちに対応した決済端末へ置き換えられていることからこの不便な状況が解消されつつありますが、一方でお店側へカード会社が周知しておらず「使えるようになっていることを知らなかった」と言われることも聞かれるようになりました。

    カード会社側もせっかく対応できるようになった加盟店へはしっかりと個別に周知を徹底してもらいたいものです・・・広報だけでは全然足りません。

    もうしばらくはこのややこしい状況が続きますが、まずは利用する我々が「積極的に使っていく」ことこそがお店への周知に繋がっていくので見つけたらどんどん利用していきましょう!

    ちはやるん
    著者:ちはやるん
    デビット・プリペイドを中心に愛用する長崎県民。 とくにNFCPayは大好物で福岡・大阪・東京に行った時は使って帰らないと気がすまないくらい。Twitter ID: chihayaobachan