利用できる範囲が幅広く、かつ残高の範囲内で即時引き落としして使えるブランドデビット・ブランドプリペイド。
ここ近年のキャッシュレス化によって全国的に使う方もどんどん増加傾向にあります。
しかしながら、最近の店舗環境の事情や決済システムの関係が原因で「ちゃんとカードが使えるお店なのに使えない」ケースがここのところ増加傾向にあり中には利用を頑なにお断りされるケースも・・・
今回はそんなデビット・プリペイドでの「使えるのに使えない」加盟店の対策方法をご紹介していきます。
概要
ケース1:改正割賦販売法による影響で「使えるのに使えない」加盟店が増加
カードが使えるお店なのに使えないケースが出てきているのは「改正割賦販売法」が施行された2020年4月から。
カード情報をお店のレジに残さないいわゆる「カード決済の外回り化」ならびに「ICカード処理の義務化」に準拠するため、カード加盟店では決済端末の新たな取り付けやシステムの入れ替えが行われました。
ところがこのような加盟店のうち、外付け決済端末の一部を使っている店舗においてブランドプリペイドカードが使えない、または利用禁止と言われている加盟店がこのところ増加傾向にあります。
磁気カードの読込方向が異なる
実はこれらのトラブルが起きる加盟店においては、au PAY プリペイドカードやdカード プリペイドをはじめとする「磁気のみのカード」において端末の通し方が通常とは異なるため起きる現象なのです。
上記の決済端末を使っている加盟店では係員が扱わないセルフスキャン方式を採用しているパターンも多く存在しますが、磁気読み込みの際は「カードを裏向き」にして通さないと読み込み出来ません。
昨今の事情でICカード取引が増えていることもあり、端末やレジまわりにはこのような表記がない、あるいは小さく表記されていることが多くなかなか気付かないものです。
海外製決済端末特有の問題
磁気カードを逆向きに通さなければいけないこの現象、実は海外製の決済端末だけが起こる問題なのです。
パナソニックや東芝テックをはじめとした国内メーカーの端末やPOSレジでは磁気スリットの中に両面搭載している「両面読み取り」が主流であるものの、海外メーカーの端末では磁気スリットの中に本体側にしか搭載していない「片面読み取り」が主流となっています。
日本国内で発行しているカードは表にポイント・裏にクレジットと両面入っている一体型のカードも多くあり、端末側でも一度で同時に読めるように両面読みを採用。
一方で海外の決済端末はクレジットカードしか使用しないこと、端末コストを抑える理由から片面読みを採用しています。(高価な上位モデルになると一部両面読みができるものもある)
ケース2:自販機・精算機でiD・QUICPay+が使えるもの・使えないもの
ブランドデビット・ブランドプリペイドで利用できる電子マネーとして幅広く対応しているiDやQUICPay+ですが、自販機にかざしたら毎回エラーが出て使えない・・・
これらは各発行元のページで必ず「ガソリンスタンド、一部自動販売機は不可」と書かれていることを読んだこともあるかもしれません。
実はiDやQUICPay+でもクレジット紐付け型と違い、デビット・プリペイド紐付け型は利用時に毎回与信が発生する関係上、このように説明をしているのです。
しかしながら現在は与信が取れる端末も登場し、自販機や精算機で使える箇所がずいぶん増えてきました。
iDの場合はこの3種類が取り付けられているものであれば利用可能。
商品選択→かざす→オンライン処理中が表示されたら離してOK、決済音が鳴るまでかざす必要がありません。
シンカクラウドの場合はこの端末の他にもGiGOのアミューズメント施設、コインランドリーのマンマチャオで取り付けられている「シンカターミナル」でも利用可能。
QUICPay+ではこの4種類の決済端末が取り付けられているものであれば利用可能。東京ディズニーリゾートの各パーク内で先行対応していたシンカクラウドも2021年1月から順次利用できるようになっています。
こちらも商品選択 →かざす→オンライン処理中が表示されたら離してOK、決済音が鳴るまでかざす必要がありません。
モバイル回線で実現、設置箇所によっては時間がかかる
これらの設置自販機・精算機では決済端末にモバイル回線を接続しており、3G回線やLTE回線を経由して与信を取るため通常のお店での利用と比べて決済完了までにおよそ10秒ほどかかります。
中でもJMMSの端末では旧型は3Gであるため与信照会に3~40秒かかることも・・・筆者もQUICPay+で相当待たされたこともありました。
デビット・プリペイドの特性をしっかりと把握しよう
クレジットの決済網を使うとは言えど、様々なところで特殊性が現れるブランドデビット・ブランドプリペイド。
今回挙げたようなケースのように使えるのか使えないのかはっきりと分からないケースも利用する上で存在します。
利用する際には遭遇することはまれかもしれませんが、万が一遭遇した際には慌てたりしないようにぜひ覚えておくといいでしょう。