未成年というのは日本では民法4条で「20歳未満」の人だと定められています。
この未成年の定義は揺れ動いていて、18歳以上を成人にするとか変えないという論議が国会でたくさん行われています(2016年より選挙権は18歳以上になったので変更は近いかも) 。実際、世界ではイギリス、フランスとかヨーロッパ圏をはじめとして、18歳以上を成人とみなしている国がとても多いですが、日本は、現在のところは20歳未満が未成年、20歳以上が成人です。
さて、クレジットカードは「20歳以上の成人」しか作れないのでしょうか?
概要
未成年がクレジットカードを作るための条件
結論から申し上げれば未成年でも18歳以上ならクレジットカードは作れます。
ただし、未成年は法律的に「制限行為能力者」という封印を説かれる前の主人公みたいな分類ですので、社会的な契約をするのに経験が足りていない=いつでも契約を解除できる(社会から守られている)という特殊能力があります。
それ自体は若者を守るために良い法律なのですが、そうなると困るのはクレジットカード会社です。クレジットカードを利用して「支払えないからすぐに契約解除します。だって未成年だから!」ということを繰り返されてしまうと、運営に差し支えます。
そのためのクレジットカード会社は対策として、以下の2つの条件をクリアしたら未成年でも発行可能、ということにしています。
親の同意
未成年が結ぶ契約は、親(法定代理人)の同意を得た場合には、制限行為能力者の枠から外れて、契約をいきなり取り消せません。そうするとクレジットカード会社も安心してクレジットカードを発行できます。
なので、親の同意は必ず必要です。20歳を越えて成人になったら親の同意は必要なくクレジットカードを作ることが出来ます。
高校生以上であること
18歳になっても高校生は作成不可です(大学生は可)。クレジットカードの申し込み条件を見るとほぼ確実に「18歳以上(高校生以下は不可)」といった文言が明記されています。
高校に通っているのですから、通常バイトをすることが出来る時間も限られています。そのため、しっかりと利用額を支払ってくれる保障がないので、やむを得ない処置かなと。
逆に、学生でない18歳以上なら作成可能です。
未成年のクレジットカードの具体的な作り方と流れ
未成年のクレジットカードの作り方はスマートフォンとPCのいずれでも良いのですが、インターネットから申し込むのが一番おすすめです。今はインターネットから申し込めないクレジットカードは殆どありませんし、落ち着いて申し込めるという意味でもおすすめ。
申し込み自体は5分くらいで完了します。
未成年がクレジットカードを作るのに必要なもの(必要書類)
必要なものは成人の方と変わりません。
銀行口座の通帳やキャッシュカードと、すでに持っている方は免許証、お持ちでない方は健康保険証、パスポートや住民票の写しなどの本人確認書類が必要になります。
本人確認書類は何かしら所有されていると思いますが、もしもまだ銀行口座をご本人名義で作っていない方は口座を作るのが先決ですね。
親の同意はどうやって取るの?
親の同意は、クレジットカードや申し込み方法によっていくつかのタイプがあります。
- 書類が送付されてきて、その書類に、「親の同意となる署名欄」が用意されているタイプ。
- インターネットで申し込む際に親の連絡先を記入する欄があるのですが、その電話番号に連絡が来て確認をとるタイプ。
繰り返しますが、未成年がクレジットカードを作る際に親の同意を取らないクレジットカードというのは、前述の法定代理人の関係で存在しません。なんらかの形で、親(法定代理人)の連絡先が正しいか、本当に代理人としてふさわしいのかどうか、の確認をとられます。
注意したいのは、なりすましで親っぽくサインするとか、野太い声に変えて親として電話に出るとかは絶対ダメだということ。それ詐欺です。犯罪です。
今はインターネットで買い物をすることも多く、その際にクレジットカードはほぼ必需品となっていますから、親(法定代理人)にきちんと説明して自分で支払うこと、キャッシングを利用しないことなどを約束すれば大丈夫でしょう。
年齢制限がされているクレジットカードを作ろう
年齢制限されているクレジットカードなんてちょっとかっこ悪い、早く大人になりたいとか思っていませんか?でも見た目でわかる人なんていませんし、カード会社は長い付き合いになる可能性が高い若者を重宝していますから、年齢制限されている分、かなり優遇されているんですよ?
制限されているのは、年齢と利用限度額(カード会社によって異なります)のみで、その他は成人が作れるクレジットカードと同じように利用できます。
未成年の方にもオススメできる三井住友VISAデビュープラスカード
一番おすすめなのは、三井住友VISAデビュープラスカード。2012年から発行が開始された年齢制限カードの先駆者的な存在です。
18歳から25歳の方が作れるカード。大人になると作るのが難しい信頼性が高いクレジットカードなので、未成年のうちから作って使い続けるのが吉。
年齢制限がない通常の三井住友VISAクラシックカードよりもポイントがお得です(通常時で2倍、入会して3ヶ月は5倍)。
海外でも問題なく使えますし、サポートの評判も良いクレジットカードです。未成年のうちで、信頼できるクレジットカードを作りたいというならまずはコレでしょう。
未成年に対しての審査は厳しいの?
年齢制限カードなら、未成年でもOKとしているくらいですから、審査は厳しくはありません。というよりも、未成年である以上、9割近い方が以前にクレジットカードを利用していたという経歴もないため、支払い能力が未知数で審査を厳しくできません。
もちろん通らないケースも多少はあります。例えば、携帯料金をしょっちゅう延滞しているケース、そして、法定代理人がクレジットカードの支払いをしっかりと行ってこなかったケースなどです。
ですが、よっぽどでない限り「落ちた」という話は聞きません(学生ではなくて、バイトもしていない場合はあり得るでしょうが)。
未成年で高校生以下の場合に、クレジットカードの代わりとなるもの
未成年で高校生以下の方はクレジットカードを作れないことは見てきた通り。
でも、クレジットカードの代用となるものを作ることは可能です。
その代用とは、VISAやMasterCard(国際ブランドと言います)といったマークが付いた電子マネーとデビットカードです。
VISAやMasterCardが付いた電子マネー
電子マネーの中にはクレジットカードのように差し出して「一括払いで」と告げれば、同じように使えるものもあります。
それがauWALLETとSoftbankカードです。
上がauWALLET、下がソフトバンクカードです。それぞれカードの右下にクレジットカードと同じようなMasterCardとVISAのマークが確認できますよね?これはお店でクレジットカードと同じように使えるマーク(国際ブランド)。
ただし、auWALLET、ソフトバンクカードはクレジットカードと同じように使えてもあくまで電子マネーですから、事前にカードに入金をする必要があります。そこら辺の詳しい解説は↓のページを参考にしてください。
それぞれケータイや光回線の契約がau、ソフトバンクでないと作れませんが、もしもそれぞれのキャリアをお使いであればクレジットカードのように使えます。
ただし、親名義で契約をしている場合は作れませんので(作れても親のもの)、ケータイを自分名義で契約をしているのが条件になります。
年齢制限は12歳以上であれば作れます(ケータイを個人名義で契約できる年齢が12歳)。
ただまあ、12歳の方が「一括払いで」と言ってカードを出してきたら、auWALLETとソフトバンクカードの存在をしらないお店の人が驚いて拒否される可能性は、あります・・・。
でもAmazonや楽天、LINEのスタンプなどネットショッピングでの支払いなら、クレジットカードと同じようにカードに記載されている番号を入力すればOKです。
VISAやMasterCardが付いたデビットカード
デビットカードとは、クレジットカードのように使った分が翌月末にまとめて引き落とされるものではなく、使ったらすぐに使った分だけ銀行口座から引き落とされるカード。
デビットカードもマーク(国際ブランド)が付いており、お店やネットショッピングでクレジットカードのように使うことが出来ます。
↓はジャパンネット銀行のキャッシュカード兼デビットカード。
これを使ってコンビニのATMから現金を引き落とすことも出来ますし、クレジットカードのように買い物をすることも出来ます(使った分だけジャパンネット銀行の口座から引き落とされます)。※このデビットカードはポイントは貯まりません。
ジャパンネット銀行の口座を作ったら自動的に付いてきますから、口座開設可能の年齢である15歳以上なら作ることが出来ます。
その際に親権者の同意も必要ありません。
他にも三菱東京UFJ銀行のデビットカード(15歳以上)や楽天銀行のデビットカード(16歳以上)など数多くの銀行からデビットカードは出ています。
VISAやMasterCardのマークの付いた電子マネーとデビットカードの注意点
「このauWALLETやソフトバンクカードといった電子マネー、銀行のデビットカードがあればクレジットカードはいらないじゃん?」と思われるかもしれません。ですが、注意点もあります。
VISAやMasterCardのマークが付いたクレジットカードが使えるお店でも、VISAやMasterCardのマークが付いた電子マネー、デビットカードは使えないこともある、ということです。
例えば、ネットショッピングでついさっき購入したものを「やっぱやめた」とキャンセルをしたいときを考えてみましょう。
クレジットカードならすぐに支払いが行われるわけではないので、通常の物販であれば一定時間内ならキャンセル手続きも取りやすいです(取引自体を中止すればOK)。
しかし、電子マネーやデビットカードでネットショッピングで注文のキャンセルをすると、返金などにかなりややこしい手間がかかってしまいます(金銭の取引はすぐに実施されるので、別途返金手続きが必要で、振り込み手数料をどっち持ちにするかなどがややこしい)。
なので、お店側がトラブルを避けるためにあらかじめ、電子マネーやデビットカードは利用不可、としていることも多々あります。
Amazonなどの大手のサイトならauWALLETもデビットカードも使えますが、キャンセルは出来ないので、その可能性がある場合は利用をやめて素直に代金引換などにしておいたほうが良いでしょう。
未成年のクレジットカードの作り方のまとめ
未成年の方のクレジットカードの作り方(およびその代用となるもの)を見てきました。
18歳以上で高校生でなければ、基本的には成人した方とクレジットカードの作り方は変わりません。ただし、親の同意を得る必要があるという点だけは異なりますので、そこだけクリアできるように頑張ってください。
それと、クレジットカードを作ったら、成人した後のことも考えて、社会的な信用を落とさないように、毎月の支払いは着実に行っていくようにしてください。
親の同意がどうしても無理という方は、しばらくの間デビットカードや電子マネーで耐えて、20歳になったら(成人したら)クレジットカードを作るという道筋を辿るのもありだと思います。