
内閣府令(金融商品取引業等に関する内閣府令)の改正により、クレカ積立の上限が月5万円→10万円に引き上げられた昨今。三井住友カードもSBI証券が取り扱う投資信託の購入でポイントが貯まるサービス「三井住友カード つみたて投資」を提供しています。
今のルールでは「どのカードで積立するか」だけでなく、普段のお買い物などの年間利用額によって還元率が変わるのがポイントです(※クレカ積立分は年間利用額の集計対象外)。
概要
現行ルールの還元率(カードランク別)
まず、三井住友カードのクレカ積立の現在の還元率はこのようになっています。
※以下の「上限○○ポイント」は月10万円積立時の月間上限です。
| 三井住友カード | 還元率 |
|---|---|
| プラチナプリファード |
上限3,000ポイント |
| プラチナ |
上限2,000ポイント |
| ゴールド |
上限1,000ポイント※1 |
| 通常のNLなど |
上限500ポイント※2 |
- ※1 ゴールドは入会初年度は条件なしで1%還元(2年目以降は上記の条件が適用)
- ※2 通常のNLなどは入会初年度は条件なしで0.5%還元(2年目以降は上記の条件が適用)
※ここでいう「年間利用額」は普段のお買い物などのカード利用が対象で、クレカ積立分は集計対象外です。
先に押さえておくとラクな注意点(これ大事)
クレカ積立は「やってみたけどポイントが付かない」「そもそも登録できない」みたいな事故が起きがちなので、先に要点だけまとめておきます。
- 対象口座:特定/一般、NISA(成長投資枠・つみたて投資枠)が対象(iDeCo、法人口座は対象外)
- 積立金額:毎月100円〜10万円(複数銘柄でもOK。合計が上限の範囲内ならポイント対象)
- 決済とポイント付与:カードのご利用日(毎月14日頃)の翌々月10日頃に付与されるのが基本
- プラチナ/プラチナプリファード系:毎月の基本1%に加えて、年間利用額で上乗せ分が年1回付与される仕組み
- 登録できないカード:家族カード、ETC、iD専用、デビット/プリペイド等は登録不可(本会員カードが必要)
- 名義:SBI証券側の名義・生年月日とカード情報が合わないと登録時にエラーになりやすい
- 再発行・切替:カード番号や有効期限が変わったら、SBI証券側で再登録が必要
※クレカ積立はリボ払いや分割払いの対象にはならず、1回払いでの支払いになります。
「積立で貯まるポイント」はこう見ればOK(明細で迷う人向け)
三井住友カードつみたて投資は、利用代金明細書上だと「ポイント対象外取引」として表示されることがあります。ただしポイント自体が消えるわけではなく、つみたて投資分のポイントは別枠で付与され、ポイント履歴では「SBI証券投信積立カード決済特典」等で確認できます。
月10万円積立(年120万円)した場合のポイント目安
最大上限(毎月10万円)まで積み立てる場合の、ざっくり目安です。
※プラチナ/プラチナプリファードは「毎月の基本1%」+「年1回の上乗せ分」を合算した合計のイメージです。
| 想定付与率 | 1カ月(10万円) | 1年(120万円) |
|---|---|---|
| 0.5% | 500pt | 6,000pt |
| 0.75% | 750pt | 9,000pt |
| 1% | 1,000pt | 12,000pt |
| 2% | 2,000pt | 24,000pt |
| 3% | 3,000pt | 36,000pt |
おすすめの考え方(カード選びの落としどころ)
ポイントだけでカードを選ぶとブレやすいので、ざっくりこんな感じで考えるとハマりにくいです。
- まず始めたい・年会費は払いたくない:通常のNLなど(年10万円の利用さえクリアできれば0.5%維持)
- 年10万円は確実に使う・還元率を少し上げたい:ゴールドで「0.75%」狙い(積立専用にしすぎると0%になるので注意)
- 年100万円は普通に使う:ゴールドで「1%」が分かりやすい(ただし積立分は100万円修行に入らない)
- 年300万円以上使える:プラチナ(最大2%)やプラチナプリファード(最大3%)が選択肢。ただし年会費も含めてトータルで見るのが大事
※なお、三井住友カードつみたて投資のご利用金額は、各種カードの年会費優遇・ボーナスポイント等の「利用金額条件」の集計対象になりません(=積立だけで条件達成はできません)。
以下で、それぞれのカードランク別に特徴と、現行ルールでの“使いどころ”を見ていきます。
プラチナプリファードの還元率

| 条件 | 還元率 |
|---|---|
| 年間500万円以上の利用 | 3% |
| 年間300万円以上の利用 | 2% |
| 年間300万円未満の利用 | 1% |
三井住友カード プラチナプリファードは、年会費33,000円のカードです。
現行ルールでは、クレカ積立は毎月の基本1%が付与され、さらに年間のカード利用額に応じて上乗せ分(年1回)が付く仕組みになっています。
「積立でもしっかりポイントを取りたい」という目的なら、このカードは候補に入りますが、年会費も高いので、普段のカード決済(特約店や継続特典など)も含めて年会費を回収できるかで考えるのが現実的です。
ちなみに、クレカ積立分は利用額にはなりません。積立とは別で、年間300万/500万の利用額条件を満たす必要があります。
※家族カードの利用分は本会員の利用分と合算して集計されます(家族カード自体は積立の支払いカードとしては登録できません)。
ゴールド(Oliveフレキシブルペイ ゴールド含む)の還元率

| 条件 | 還元率 |
|---|---|
| 年間100万円以上の利用 | 1% |
| 年間10万円以上の利用 | 0.75% |
| 年間10万円未満の利用 | 付与なし |
| 入会初年度 | 1% |
三井住友カード ゴールドNLは年会費5,500円、年間100万円以上の利用で永年無料になるカードです。
ゴールドで意外と大事なのが、「クレカ積立だけ」だとポイントが付かなくなるという点。現行ルールだと、2年目以降は最低でも年間10万円の利用がないと付与なしになります。
逆に言えば、普段の決済で年10万円以上は使うなら、クレカ積立の還元率を0.5%→0.75%に上げられるので、地味に効きます。
ただし、クレカ積立分は年100万円(年会費永年無料や継続特典などの条件)にカウントされません。ここは勘違いしやすいので要注意。
年100万円を狙うなら、日常の固定費(スマホ・光熱費など)をまとめるのが素直です。
※入会初年度の「条件なし1%」は1カードにつき1回限りで、過去に同一カードを保有していた場合は初年度でも0%になるケースがあります。
三井住友カード NLなどの還元率

| 条件 | 還元率 |
|---|---|
| 年間10万円以上の利用 | 0.5% |
| 年間10万円未満の利用 | 付与なし |
| 入会初年度 | 0.5% |
Vポイントが貯まるカードで、ゴールドやプラチナではないカード(三井住友カード NLなど)は基本的に年会費無料です。
現行ルールでは、2年目以降は年間10万円以上の利用がないと0.5%が付かなくなります(入会初年度は0.5%固定)。
とはいえ年会費無料なので、「まずはクレカ積立を始めたい」「固定費だけで年10万円くらいは普通に使う」という人には扱いやすいです。
他の年会費無料〜低コストのカードと比較しながら考えるのも大事です。例えば、三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)でのau PAYカード投信積立は、au PAYカードは0.5%、au PAYゴールドカードは1.0%(いずれも上限10万円)となっています(参考)。
※au PAYカードは2025年1月約定分から還元率が0.5%へ改定されています。
お役立ち:年間利用額の条件を満たすコツ(ただし対象外に注意)
「年10万円」「年100万円」などの条件は、いわゆる普通の買い物・固定費で埋めるのが一番ラクです。ただし、年間利用額の集計対象外になる取引もあるので、ここだけは押さえておくと安心。
- 年会費、クレカ積立分、キャッシング・ローン返済、リボ・分割手数料などは集計対象外
- 交通系などの一部電子マネーチャージは集計対象外になりやすい(チャージで条件達成を狙うのは危険)
- 国民年金保険料や、一部の資金移動系(チャージ系)も集計対象外がある
まとめ
ポイントは分かりやすいメリットですが、クレカ積立はあくまで「長期で積み上げる運用」が本筋。還元率だけで決めるより、自分が年間いくらカードを使うか、年会費や特典込みでトータルで得になるかで選ぶのが結局いちばん失敗しません。
※貯まったVポイントは、1ポイント=1円としてSBI証券で投資信託や国内株式(現物)の購入に使えます。ただし、クレカ積立の決済にVポイントを充当することはできません。

