概要
種類別電子マネーとその特徴
電子マネーには色々な種類が発行されています。日本ではFeliCaという通信方式を使った電子マネーが主流です。簡単にその種類と特徴を解説します。あなたが使っている(見たことがある)電子マネーもあるはず。
種類 | 発行元 | 決済音 | Apple Pay | Google Pay |
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Suica | JR東日本 | 「ピピッ」 | ◯ | ◯ |
楽天Edy | 楽天Edy株式会社 | 「シャリーン」 | × | ◯ |
nanaco | 株式会社セブン・カードサービス | 「ピュリーン」 | ◯ | ◯ |
WAON | イオンリテール株式会社 | 「ワオン」 | ◯ | ◯ |
iD | 株式会社NTTドコモ | 「タントン」 | ◯ | ◯ |
QUICPay | 株式会社ジェーシービー | 「クイックペイ」 | ◯ | ◯ |
Suica
発行元 | JR東日本 |
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チャージ限度額 | 20,000円 |
Apple Pay | 対応 |
Google Pay | 対応 |
チャージ方法 | スマートフォン(Apple Pay、Google Pay、モバイルSuicaアプリ、お財布ケータイなど)、セブン・ファミマ・ローソンなどコンビニのレジ(現金のみ)、駅の券売機、ビューカードからのオートチャージなど |
使える場所 | 駅、各種コンビニやファミレスなど多数 |
SuicaはJR東日本が発行する電子マネー。Apple Pay、Google Payにも対応しています。
その他の交通系電子マネーであるPASMO、Kitaca、TOICA、ICOCA、SUGOCA、nimoca、manaca、はやかけんと相互利用ができるのも特徴。
日本では電子マネーの代表的な存在と言っていいでしょう。
楽天Edy
発行元 | 楽天Edy株式会社 |
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チャージ限度額 | 50,000円 |
Apple Pay | 未対応 |
Google Pay | 対応おサイフケータイも対応。貯めるポイントが選べる。 |
チャージ方法 | スマートフォン(Google Payやお財布ケータイ、専用アプリ)、セブン・ファミマ・ローソンなど各種コンビニのレジ(現金のみ)、ポイントからチャージなど |
使える場所 | 幅広いお店で多数 |
楽天Edyは楽天が発行している電子マネー。Google Payに対応しています。
セブングループ、イオングループのいずれでも使えるので使える場所が安定して多いのが特徴。特に沖縄は使えるところが多いです。
楽天ポイントは1ポイント=1円で楽天Edyにできるので、楽天カードユーザーなら使い勝手が良いです。
nanaco
発行元 | 株式会社セブン・カードサービス |
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チャージ限度額 | 50,000円 |
Apple Pay | 対応 |
Google Pay | 対応チャージはGoogle Pay上では不可。 |
チャージ方法 | Apple Pay、おサイフケータイ、セブンイレブンやイトーヨーカドーのレジやセブン銀行ATM、nanacoWEBサイト、セブンカードプラスからのオートチャージなどGoogle Pay上でのチャージは不可。 |
使える場所(例) | セブンイレブン、イトーヨーカドー、ヨークマートなどセブン&アイグループのお店が中心 |
nanacoはセブンイレブンなどを運営するセブンアンドホールディングス(発行は子会社のセブンカードサービス)が発行する電子マネー。Apple Pay、Google Payに対応しています。
セブングループでは200円で1nanacoポイントが貯まります。
8の付く日はヨーカドーで5%オフ。
WAON
発行元 | イオンリテール株式会社 |
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チャージ限度額 | 50,000円 |
Apple Pay | 対応 |
Google Pay | 対応 |
チャージできる場所 | Apple Pay、Google Pay、おサイフケータイ、イオンやミニストップのレジやイオン銀行ATM、モバイルWAON、イオンカードからのオートチャージなど |
使える場所(例) | イオン、ダイエー、まいばすけっとなどイオングループのお店が中心 |
WAONはイオングループが発行する電子マネー。イオングループで使えば200円で2WAON POINTが貯まります(いつでも2倍)。
イオンでは20日30日のお客さま感謝デーでWAONで決済すれば5%オフ。
iD
発行元 | 株式会社NTTドコモ |
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決済限度額 | −紐付いたカードに準ずる。 |
Apple Pay | 対応三井住友カードやdカードなどを登録した際に使える。 |
Google Pay | 対応SMBCデビットカードやライフカードなどを登録した際に使える。 |
チャージできる場所 | 基本的に使った分が紐付けられたクレジットカードやデビットカードから請求されるのでチャージの必要はない(プリペイドタイプ(チャージ式)の場合は各電子マネーに準ずる) |
使える場所(例) | 幅広いお店で多数 |
iDはdocomoが発行する電子マネー。
クレジットカード会社から発行するか、Apple Pay(WALLETアプリ)、Google Payに対応するクレジットカードを登録すると使えます。
以前は使った分がクレジットカードと一緒に請求されるポストペイ型でしたが、現在ではソフトバンクカードやdカードプリペイドをApple Pay、SMBCデビットカードをGoogle Payに登録した場合、メルペイiDなどではプリペイド式の電子マネーとしても使われます。
貯まるポイントは紐付けられたクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードのポイント。
QUICPay
発行元 | 株式会社ジェーシービー |
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決済限度額 | −紐付いたカードに準ずる。 |
Apple Pay | 対応JCBカードやアメリカン・エキスプレス・カードなどをApple Pay(WALLETアプリ)に登録した際に使える。 |
Google Pay | 対応JCBカードやJACCS発行のカードをGoogle Payに登録した際に使える。 |
チャージできる場所 | 基本的に使った分が紐付けられたクレジットカードやデビットカードから請求されるのでチャージの必要はない(プリペイドタイプ(チャージ式)の場合は各電子マネーに準ずる) |
使える場所(例) | 幅広いお店で多数 |
QUICPayは国際ブランドのJCBが発行する電子マネー。
JCBが発行するクレジットカードの追加カードとして発行するか、Apple Pay(WALLETアプリ)、Google Payに対応するクレジットカードを登録すると使えます。
以前は使った分がクレジットカードと一緒に請求されるポストペイ型でしたが、現在では例えばau PAYプリペイドカードなどをApple Payに登録した場合など、プリペイド式の電子マネーとしても使われます。
貯まるポイントは紐付けられたクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードのポイント。
その他のお店が独自に出している電子マネー
↑の電子マネーは自分たちのグループ以外でも使える(例えばnanacoはマクドナルドやビックカメラでも使える)電子マネーです。
電子マネーにはこれら以外にも、自分のお店(グループ)だけで使えるタイプのものも存在しています。
例えば、スターバックスで発行しているスターバックスカードやドトールで発行しているドトールバリューカード、コメダ珈琲が発行しているコメカなどがそうです。
【参考】au PAYプリペイドカード、dカード プリペイド、ソフトバンクカードなどのブランドプリペイドカード
電子マネーと似たものとして、au PAYプリペイドカード、dカードプリペイド、ソフトバンクカードはau、docomo、SoftBank(及びその子会社)が発行しているブランドプリペイドカードも存在しています。他にもRevolutやJCBプレモカードなど様々な国際ブランド付きプリペイドカードが発行されています。
また、リアルカードがないVisa LINE Payプリペイドカードのようなバーチャルカードもありますが、これもブランドプリペイドカードの一種です。
このブランドプリペイドカードの特徴はクレジットカードと同様に国際ブランド(VISAとかJCB、MasterCardのようなマーク)が付いていること。
クレジットカードと同じ国際ブランドネットワークを活用しているので、電子マネーと言ってしまうといろいろと問題があるのですが、日銀の定義では事前入金が必要なので電子マネーの括りだとも言えて、言ってしまえばクレジットカードと電子マネーの中間的な存在です。
クレジットカードと同様に、例えばau PAYプリペイドカードならMasterCardが付いているお店で、ソフトバンクカードならVISAマークが付いているお店で、クレジットカードと同様に使えます。使えるお店の幅広さが特徴です。
ブランドプリペイドに関してはこちらにもまとめてあるので合わせて参照してみてください。
電子マネーの使い方
主要な電子マネー(Suica、nanaco、WAON、iD、QUICPayなど)を使う際には、支払う電子マネーの種類をお店の人に告げて、カードやスマートフォンを読取機にタッチします。Suicaなどの交通系電子マネーを駅の改札にタッチしたりする場合などを除いて、使う電子マネーの指定は必要になってきます。
読取機でこちらがタッチしている電子マネーを見極めてくれたら便利なのですが、残念ながら一部の例外を除いて、使う電子マネーを指示しなければいけません。
その他、お店が発行している独自の電子マネーだとバーコードを提示するようなものも多いです。例えばスターバックスカード(チャージする方法はこちら)はiPhoneの場合、アプリに登録するとバーコードが表示されてそのバーコードを提示する形で支払います。
【参考知識】プリペイド(前払い)とポストペイ(後払い)
電子マネーには、チャージが必要な前払いのプリペイドタイプとは別に、iDやQUICPay、PiTaPaといった後払いのポストペイタイプのものが存在しています。
このポストペイタイプはクレジットカードを作った後に追加で発行したり、Apple PayやGoogle Payにクレジットカードを登録することで利用することが出来ます。例えば、三井住友カードをApple Payに登録すると電子マネーのiDが付与されます。
iDが使えるお店でタッチをして決済をすると、後日、三井住友カードのと一緒に請求されます。ようはクレジットカードをタッチして使っているようなものです。
クレジットカードの支払いは1ヶ月後なのでポストペイ(後払い)と呼ばれます。
電子マネー払いのメリット
- ポイントが貯まる。
- 会計が早い。
- 店員さんにカードを渡す必要がない(非接触タイプの電子マネー)。
- サインレス、暗証番号不要(ブランドプリペイドカードを除く)。
(1)電子マネーは基本的にポイントが貯まります。例えばnanacoやWAONはそれぞれセブンアンドホールディングスとイオンが発行しているので、自社グループのお店では特にポイントが貯まりやすかったり、割引がききます。
(2)お店が取り入れているPOS端末にもよるのですが、現金払いと違ってお釣りが出ないので、とにかく会計がスムーズに済みます。レジ前で現金チャージをしていたら逆に遅くなるので、出来る限りクレジットカードからチャージをするのがおすすめ。
(3)クレジットカードのように店員さんにカードを渡すという手間がかかりません。カードを人に渡すのは手間だし、リスクがあります。
(4)クレジットカードと違って、サインも暗証番号も一切必要ないのも大きなメリットだと言えるでしょう(ただしブランドプリペイドカードはカード扱いなので例外)。
電子マネー払いのデメリット(と解決策)
- たくさん作るとカードで財布が溢れてしまう。
- 1つの電子マネーで使えるお店が限られる。
- 残高確認が必要(プリペイドタイプ)。
- チャージが面倒。
(1)↑で見てきた通り、電子マネーは種類がたくさんあります。普段から利用するお店が一緒であれば問題はないでしょうが、そうでない場合、「あのお店ではnanaco、このお店では楽天Edyがお得」といった具合に使いこなすのは大変ですし、何より財布が膨れてしまいます。
なので、iPhoneを保有している方ならSuicaと国際ブランド付き電子マネーはApple PayやGoogle Payに入れてしまう、おサイフケータイを保有している方ならほとんどの電子マネーが収納できるのでまとめてしまうのがおすすめです。
(2)電子マネーは企業が発行しており、ライバルとなるお店では使えません。なので、イオンではセブンアンドホールディングスのnanacoは使えません。こんな具合に色々な事情が絡み合っているので、使えるお店は限られています。当サイトなどで事前に使えるかをチェックをする必要があります。
(3)プリペイドタイプの電子マネーは残高がなければ使えません。おすすめなのは、マネーフォワードなどのアプリを使うこと。設定すれば、アプリから全ての電子マネーの残高を一覧で確認出来るようになります。
(4)プリペイドタイプの電子マネーはチャージをするのに一手間かかります。それが嫌な方はiDやQUICPayといったポストペイタイプの電子マネーを使うか、クレジットカードと紐付けてオートチャージを設定しておきましょう。
まずは身近なお店で電子マネーを使ってみよう
電子マネーには、プリペイドタイプ、ポストペイタイプ、あくまで例外ですがブランドプリペイドカードといくつか種類はありますが、どれも使ってみるとすぐに慣れます。
お店で現金払いをしている方は頑なにそのスタンスを崩さない方が多いですが、まずは身近なお店で使ってみてください。
例えば、普段電車に乗っているなら交通系電子マネーは何らかの形で持っているでしょうから、エキナカの売店や自動販売機で飲み物を電子マネー払いで買ってみてください。最初のうちは「え?もう支払い終わり?」と驚くことでしょう。
そのスピード感はあなただけではなく、列に並んでいる後ろの人も嬉しいのです。