家族カードを利用する人にむけて、基礎知識から発行方法、さらに審査基準から選び方のコツまで紹介していきます。
概要
そもそも家族カード(ファミリーカード)とは?
家族カードはその名の通り、自分の家族に発行することができるクレジットカードです。ファミリーカードとも呼ばれます。
家族カードなら、ご本人に収入がなくてクレジットカードが作りにくい専業主婦の方や、学生のお子様にもクレジットカードを保有させることができます。
家族カードは「追加発行」
家族カードは仕組み的には、追加でクレジットカードを発行する事と同義です。仮に三井住友カードを保有している場合、ほとんど同じ機能をもつ三井住友カードを追加する事になります。機能は一部制限されることもありますが、各種保険やサービスなどはそのまま同じものが使えることが殆どです。
また、家族カードは、その発行上限はカードによって異なりますが、基本的に複数枚発行できます。
ただし、家族カードを1枚発行した際、そのカードを家族の誰もが使用できるわけではありません。家族カードも個人の名義を指定することが必要になります。
息子向けの家族カードを発行したら、そのカードは息子しか使えません。「磯野家」の家族カードを発行したからといって、マスオさんもサザエさんも波平さんも使えるわけではなく、あくまでそれぞれの名義の家族カードを発行する必要があります。
家族カードの年会費の仕組み
家族カードの年会費は本カードとは異なります。
年会費が有料のクレジットカードは半額以下の年会費で発行出来ることが殆どです。例えばダイナースクラブカードは年会費24,200円(税込)で、家族カードは年会費5,500円(税込)です。
逆に年会費が無料のクレジットカードは家族カードも年会費も無料とは限りません(当然、本カードと同じく無料のものもあります)。
クレジットカードを作る際には事前に家族カードの年会費のチェックしておきましょう。
家族カードを発行できる人は限定されている
ちなみに家族カードにおいてよくありがちな勘違いが「家族なら誰でも発行できる」ということ。
残念ながら家族であれば誰でも発行できるわけではありません。18歳未満の子供は、どんなに頑張っても家族カードの発行が不可能です。
また兄弟やいとこは発行OKなクレジットカード会社もありますが(アメックスプロパーカードなど)、数は少なく、家族でも同居する親や配偶者、子供だけに限定するクレジットカード会社のほうが多いです。
家族カードの申し込み資格のところにはよく「生計を共にする」という条件が記載されていますが、これは一緒に生活しているだけではなく、仕送りを送っているお子様なども含まれます。
家族で、諸々の条件さえクリアしていれば社会人であっても家族カードは発行可能です。
家族カードによって発行対象が変わると知っておけば、無駄なミスを引き起こす事もありませんので事前の確認は徹底しておきましょう。
ちなみにですが、楽天カードやアメリカン・エキスプレス・カードは同性パートナーの方(LGBTの方)とも「配偶者」として家族カードを作ることができます。
家族カードの利用分の支払い方法
家族カードは利用した分は本カードで設定されている口座と同じ口座から引き落とされます(ごく一部の例外を除く)。
なので、使った分の明細は全て本カードの保有者(親や夫など)に筒抜けです。
引き落とし口座を別にしたければ別途自分名義でクレジットカードを作るか、↓で紹介するパーソナルアカウントを発行できる家族カードを考慮しましょう。
家族カードの発行方法
家族カードを発行するなら、まずはクレジットカード会社の定義する対象者を確認してください(両親と自分の配偶者そして子供以外の兄弟などの場合は特に要確認です)。
基本的に家族カードの申請方法は、本カードを作成した後に追加で申請するか本カード作成するときに同時に申請します。
審査基準は本カードよりも緩い
気になるのは、やはり審査基準です。家族カードもクレジットカードなので審査なしでは済みません。冒頭でも紹介しましたが、家族カードは本カードの分身です。審査は本会員の経済的な信用に基づきます。
本会員の経済的信用を確認できれば、収入がない専業主婦など普通ならクレジットカードを作りにくい方でも発行できます。ただし高校生以下の場合には、年齢制限があるのでご注意ください。。
本カードの審査に一度通っていて、追加で家族カードを発給しようとしている方は基本的に心配しなくても大丈夫。「信頼できる人の親族」であり、かつ引き落とし口座はあくまで本会員の口座なので、殆ど落ちることはないでしょう。
審査に落ちるケースとは
本カードの審査に通っている方であれば落ちる事はほとんどないですが、まれに審査に落ちる場合もあります。
1つは本会員の経済的な信用が怪しいと判断されたときです。本カードの審査に通過した後に、支払滞納などの金融事故があると審査に落ちる事があります。
2つ目の理由は家族カードの所有者となる家族が、カード会社に過去にトラブルがあったときです。
家族がカード会社から支払の滞納や強制解約などを起こした事がある場合は、審査に落ちる可能性が高いです。
家族カードの選び方
あなたはご家族の家族カードを発行する本会員ですか?それとも家族カードを発行してもらう立場ですか?
家族カードを発行する本会員の方であれば、ご家族がどんな機能を求めているのか(例えば留学に行かれるお子様のためとか)、下記のポイントを中心にご家族と話をして、「現在既に保有しているクレジットカードで家族カードを作るのか」それとも「新しくクレジットカードを作ってそのカードで家族カードを作るのか」を選びましょう。
家族カードを発行してもらう立場の奥様や学生さんであれば、例えば「旅行保険がほしいからこのクレジットカードを作って家族カードを発行して!」とお願いしてみることが大切になってきます。
- 発行する立場(本会員)・・・現在使っているクレカで家族カードを発行するか、家族カードのために新しくクレカを作る。
- 発行してもらう立場(家族会員)・・・欲しいサービスのクレカを本会員(世帯主など)に作ってもらう。
いずれにせよ、きちんとポイントを把握することが大切。以下家族カードを選ぶ際に重要となるポイントやコツを紹介していきますので参考にしてみてください。
家族でポイントを貯めるか否か
家族カードは、家族そろってポイントを貯めることが可能です。せっかくならコンビニエンスストア、スーパーマーケットで支払いに使用した場合にも、親となるクレジットカードのようにポイントがたまる家族カードの方がいいでしょう。
貯まったポイントは親カードのポイントとして集約されます。家族みんなでポイントを集めたら効率が良いですよ。
代表的なカードはJALカードやANAカードなどのマイルを貯めるカードでしょう。この2枚はポイント交換の最低ラインが定まっているため、最小限のポイントを貯めなければ交換できません。家族で協力すれば、効率よくマイルが貯まり、1年に1度は家族旅行を無料で行けるかもしれません。家族みんなで貯めたマイルで旅行というのも素敵です。
他にもdカードゴールドのようなゴールドカードになることでポイントが貯まりやすくなるタイプのカードは家族カードも同様にポイントが貯まりやすいので、ポイントメインで考えているならおすすめできます(メインカードは年会費11,000円(税込)、家族カードは1,100円(税込))。
いくらポイントが貯まりやすいとはいえ、1人で利用する分には年会費をペイするのはまあまあ大変ですが、家族カードとの合算なら年会費をペイするのが簡単になります。
家族にも旅行サービス(旅行保険や空港ラウンジ)が必要か
クレジットカードに付帯している旅行保険はゴールドカード以上じゃないと付帯額としては心もとないですし、空港ラウンジが使えるようなクレジットカードもゴールドカード以上です。
そのようなクレジットカードは主婦や学生では作ることが出来ません。特に、学生が作ることが出来る学生専用カードは便利ですが、若さゆえに信用が少ない分、旅行サービスは弱く、旅行保険はほぼ付かないですし、空港ラウンジは使えません(学生のクレジットカードの作り方や詳細はこちら)。
なので、例えばお子様が現在学生で、海外旅行や留学に行く際には、まずは海外旅行サービスが充実したクレジットカードを作って、その家族カードを発行して持たせてあげるのがおすすめになります。
JAL アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カードなどは世界各国の空港ラウンジが使えるプライオリティパスが家族カードでも利用可能で、旅行保険も最高1億円付帯していて、家族カードでも同様のサービスが使えるので、海外に行くお子様に持たせるとかなり心強い味方になってくれるでしょう(本会員は年会費34,100円(税込)、家族カードは年会費17,050円(税込))。
他にも三井住友カード ゴールドは信頼性が高い銀行系のクレジットカードで、不正利用や海外のサポートが充実していて(海外旅行保険も付帯)、家族カードは1人目は基本無料で発行可能です(本会員は11,000円(税込)で割引あり、家族カードは年会費1枚目基本無料、2枚目以降1,100円(税込))。
家族カード込みのコスパで考える
通常なら年会費が高すぎて作らないというクレジットカードでも家族カード込みだと途端にコストパフォーマンスが良くなるクレジットカードも多々存在しています。
JCBの最上級カードであるJCB THE CLASSは年会費5万円の完全招待制カードですが、家族カードは8枚まで発行出来てなんと年会費は無料です。家族カードではプライオリティパスは使えませんが、コンシェルジュデスクや付帯保険はそのままなので、発行すればするほどお得感が増します。
その他、三井住友カード プラチナ、オリコカードザポイントプレミアムゴールド、SuMi TRUST CLUBゴールドカードなども2枚以上年会費無料で発行できます。JCBゴールド、三井住友カード ゴールドやアメックスゴールド、MUFGカードゴールドプラチナアメックスカード、dカード ゴールドなどは1枚目は無料です。
これらのカードは1枚だと年会費が高いのですが、家族カードをフル活用することでコスパを上げることができます。
家族に利用明細を知られたくない場合
↑で家族カードの引き落とし口座は本会員の口座にまとめられるという旨を記述しましたが、実は例外のカードが存在しています。
それは三井住友カード ゴールド(もしくはプラチナ)です。これらのクレジットカードで家族カードを作る際にはパーソナルアカウントタイプというタイプを選択できます(PA-TYPEというマークが付きます)。
このパーソナルアカウントタイプだと家族会員でも利用明細は家族会員に送付されますし、引き落とし口座をそれぞれ設定することが出来るので、家族内でもプライバシーが守られます。年会費も1人目は無料、2人目以降も年会費1,100円で利用できます。
もしあなたが家族カードを発行してもらう立場(本会員の家族)で、プライベートを守りたいということであれば、この三井住友カード ゴールドを作ることをお願いしましょう。
家族カードの注意点
便利でお得な家族カードですが、注意点もあります。
まず、当たり前ですが、本会員のクレジットカードが解約されたら家族カードも全て使えなくなるということ。それと、家族会員は信用情報機関に利用履歴が渡されない、すなわちクレヒスを貯めることが出来ないということです。
なので、家族カードを使い続けた場合、その後でいきなり審査基準が高いクレジットカードを申し込もうとしても、クレヒスが残っていないので審査には通りにくい(審査に使える材料がない)という事態になってしまいます。
子供に家族カードを持たせるのは安心で良いかもしれませんが、将来のことを考えるのであれば、学生カードなどを作らせてクレヒスを貯めさせることも重要だといえるでしょう。
まとめ
家族カードは誰でも発行するものではないのと、あまり家族カードを使っていると言いたがる人がいないためか、あまり目立たない存在ですが、実際はうまく使う人とそうでない人とではコストパフォーマンスに大きな差が出てきます。
これからクレジットカードを作る際には家族カード込みで費用対効果を考えてみてください。