会員数 | 約9,500万以上 |
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取引店舗数 | 約3,100万以上 |
発行国数 | 21カ国 |
国際ブランド内でのシェア | 約1%世界的に見るとシェアは少ない。 |
誕生 | 1961年前身である日本クレジットビューローが誕生。 |
非接触技術 | QUICPay(FeliCa) JCBのタッチ決済(JCB Contactless)(NFC) |
クレジットカードのラインナップ | 一般カード / JCB CARD W / EXTAGE / ゴールド / ゴールドEXTAGE / ザ・プレミア / プラチナ / ザ・クラスJCBオリジナルシリーズのラインナップ。 |
公式サイト | https://www.jcb.jp/ |
概要
- 1 JCBってどんな国際ブランド?
- 2 JCBは他の国際ブランドと提携して世界でも使えるようになってきた
- 3 JCBが自らの名を冠して発行しているクレジットカード
- 4 JCBが他社と提携をして発行しているクレジットカード
- 5 JCBブランドが付与したデビットカード
- 6 JCBが付与したプリペイドカード(電子マネー)
- 7 JCBが提供している電子マネー「QUICPay」
- 8 JCBが提供しているコンタクト決済「JCBのタッチ決済(JCB Contactless)」
- 9 JCBの海外ATM機能
- 10 JCBの海外サービス
- 11 JCBは審査が厳しいの?
- 12 JCBのポイントプログラム「Oki Dokiポイント」
- 13 JCBが発行するギフトカード「JCBギフトカード」
- 14 JCBが提供するQRコード決済ネットワーク「Smart Code」
- 15 JCBが提供するQRコード決済サービス「MyJCB Pay」
- 16 JCBのこれから
JCBってどんな国際ブランド?
JCBは日本発の国際ブランドです。
世界で独自の国際ブランドを持つのは、日本のJCBと中国の銀聯のみですからその希少性がわかります。通称サムライカードと呼ばれます。日本の誇りといっても過言ではないでしょう。
JCBの始まりは、現在の三菱UFJ信託銀行(当時の東洋信託銀行)、現在の三菱UFJニコス(当時の日本信販)、現在の三菱東京UFJ銀行(当時の三和銀行)が提携して作った日本クレジットビューローです。JCBのロゴはこの東洋信託銀行(青)、日本信販(赤)、三和銀行(緑)のテーマカラーからカラーリングが決まりました。今では、「Support(責任感)」「Strength(活力館)」「Sharing(親近感)」の3つのSをモチーフにしている模様です。
会員数はVISAの30分の1、国際ブランドの中の取引数のシェアは1%ほどです。日本では最大規模の会員数で、クレジットカードが使える殆どのお店で使えるのですが、世界だとまだまだ使われていない国際ブランドではあります。しかし、現在はアジアでも現地銀行(台湾の玉山銀行や中国の中国工商銀行、シンガポールのUnited Overseas Bankなど)でJCBブランドのクレジットカードが発行されたり、首都圏やハワイなどの観光地でも使えるところが増えてきています。
また、JCBは日本国内では、自分自身では発行していないVISAやMasterCardと違って自らクレジットカードを発行しているのが大きな特徴の1つです(JCBオリジナルシリーズ)。Apple Payでも使えるポストペイ型のQUICPayを発行していることから、日本の決済市場ではなくてはならない存在だと言えるでしょう。
日本の決済インフラ、及び信用照会端末のCCTを提供する日本カードネットワークはJCBの傘下です。
JCBは他の国際ブランドと提携して世界でも使えるようになってきた
JCBは世界での知名度は低いものの、他の国際ブランドと提携することで利便性を増してきています。
American Express、Discoverとは提携しており、JCBが利用可能な店舗ではAmerican ExpressとDiscoverも使えます。ただし、使えるといっても、実際のところは「導入しようと思ったら導入できる」というだけで、JCBが使えるお店でAMEXやDiscoverブランドを使えるようにするかどうかはお店側の判断に任されています。American Expressとはカナダやオーストラリアなどでも提携をしているのでJCBが使えるお店が増えている状況です。
中国で絶対的な力を持つ銀聯(UnionPay)とも提携関係にあるので今後中国での利便性の向上も期待されています。
JCBが自らの名を冠して発行しているクレジットカード
JCBが何処とも提携をしないで自ら発行しているクレジットカードが存在します(2021年12月にリニューアルした)。
その代表格であるJCB Originalシリーズのラインナップは以下の通り。
JCBオリジナルシリーズ | 年会費 | 特徴 |
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JCB カード S | 年会費無料 | 年齢制限無し。2023年12月に登場した新しいスタンダードカード。 |
JCB一般カード | 年会費初年度無料、年間50万円の利用で次年度も無料 | 50万以下なら1,375円(税込)。 |
JCB CARD EXTAGE | 年会費無料 | 29歳以下限定。ポイント1.5倍。 |
JCB CARD W | 年会費無料 | 39歳以下限定。ポイント常時2倍。 |
JCBゴールド | 初年度年会費無料、次年度11,000円(税込) | JCBザ・クラスへの入り口になるカード。 |
JCB GOLD EXTAGE | 初年度年会費無料、次年度3,300円(税込) | 29歳以下限定。ポイント1.5倍。 |
JCBゴールド ザ・プレミア | ゴールドの年会費11,000円(税込)+ザ・プレミア年会費5,500円(税込) | ゴールド保有者で2年以上連続で利用額が100万円を超えた方に送られる。 |
JCBプラチナ | 27,500円(税込) | コンシェルジュデスク、プライオリティパス、有名レストラン2名で行くと1名無料。 |
JCBザ・クラス | 55,000円(税込) | コンシェルジュデスク、プライオリティパス、メンバーズセレクション(年に1回のプレゼント)、有名レストラン2名で行くと1名無料。 |
国際ブランドが自ら出しているので、そのクレジットカードの信頼性は抜群です。
特に、ブラックカードであるJCBザ・クラスは信頼性が高いのに加えて、手に入れるのが大変なのでステータスも高いクレジットカードです。JCBゴールドで2年連続で100万円以上使ってJCBゴールドザ・プレミアにランクアップ、さらにそこからJCBザ・クラスのインビテーションを待つ必要があるので、最低でも3年近くは使い続ける必要があります。
JCBザ・クラスは以前は限られた人しか入れないディズニーの秘密レストランであるClub33に入る権利が手に入ったのですが、現在ではその特典は廃止されてしまっています。
他にもリボ払い専用のJCB EITカードや、女性向けのJCB LINDAカードなども発行しています。
JCBが他社と提携をして発行しているクレジットカード
JCBが提携をして発行しているクレジットカードの代表的なものは以下の通り(一部)。
JCBとの提携会社 | 具体的なクレジットカード |
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(株)アプラス |
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(株)イオン銀行 |
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EMGマーケティング合同会社 |
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(株)オリエントコーポレーション |
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近鉄グループホールディングス(株) |
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九州旅客鉄道(株) |
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(株)クレディセゾン |
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(株)コメリキャピタル |
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(株)ジェイティービー |
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(株)ジャックス |
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(株)セディナ |
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全日本空輸(株) |
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デルタ航空会社 |
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トヨタファイナンス(株) |
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東京地下鉄(株) |
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ニッセン・ジー・イー・クレジット(株) |
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日本航空(株) |
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(株)ビューカード |
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(株)阪急阪神カード |
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ポケットカード(株) |
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本田技研工業(株) |
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(株)ゆめカード |
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ライフカード(株) |
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楽天カード(株) |
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(株)リクルートホールディングス |
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PayPayカード(株) |
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(株)UCS |
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ユナイテッド航空会社 |
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JCBは国内発行の強みを活かして、同じクレジットカードでも国際ブランドがJCBでないと受けられないようなサービスを用意していることがあります。例えば、楽天カードは国際ブランドがJCBのものだけ、電子マネーのnanacoにチャージをした際にポイントが貯まります。それ以外のVISAの楽天カードなどではポイントは付与されません。
筆者のおすすめのJCBブランドのクレジットカードは↓にまとめてあります。
JCBブランドが付与したデビットカード
JCBが付与したデビットカードは以下のような銀行が発行しています。
- イオン銀行
- 愛媛銀行
- 大垣共立銀行
- セブン銀行
- 千葉銀行
- 西日本シティ銀行
- 東邦銀行
- 福岡銀行
- 北洋銀行
- みずほ銀行
- 山口銀行
- もみじ銀行
- 北九州銀行
- 楽天銀行
楽天銀行などはVISAデビットとJCBデビットで選択できる形です。
JCBが付与したプリペイドカード(電子マネー)
JCBが付与した、国際ブランド付きの電子マネーには以下のようなカードがあります。
- アクアカード(コメリキャピタル)
- 旅プリカ(JTB)
- おサイフPonta(ローソン)
- JCBプレモカード
JCBが提供している電子マネー「QUICPay」
JCBは日本でQUICPayという電子マネーを発行しています。
QUICPayはクレジットカードなどについていることが多いポストペイ型と呼ばれる電子マネーです(詳細はこちら)。ポストペイ型の電子マネーには他にdocomoが発行するiDがあります。
チャージをするわけではなく、タッチをしたらすぐに支払いが完了して、紐付いたクレジットカードと一緒に請求される形。
Apple Pay(WALLETアプリ)に登録したクレジットカードに付与される電子マネーの1つとしても有名です。
2016年までは限られたクレジットカードに付帯していただけだったのですが、Apple Payに導入されて使えるお店も拡大しましたし、一気に知名度と利便性を上げました。
JCBが提供しているコンタクト決済「JCBのタッチ決済(JCB Contactless)」
JCBはタッチ決済(コンタクトレス決済)のJCB Contactlessを提供しています。以前はJ/Speedyという名称でしたが、2018年の初め頃にJCB Contactlessという名称に変わり、2021年からはJCBのタッチ決済とJCB Contactlessを併記するような形になっています。タッチ決済の呼称はVisaの後追いです。
一部のカードに付帯、及び、JCBカードをApple Pay(WALLETアプリ)に登録することで利用できます。
日本だと、コンビニ、マクドナルド、ローソン、すき家などで利用可能です。JCBのタッチ決済に関する詳細、対応カードなどは↓にまとめてあります。
コンタクトレス決済全体の詳細はこちらの記事に詳しくまとめています。
ニューヨークの地下鉄やバス(NY MTAが運営するもの)でも利用可能になりました。
JCBの海外ATM機能
JCBもVISAやMastercardのようにATMから現地通貨を引き出すことができます。
欧米で使えるところが少ないJCBですが、ATM機能に関してはその心配はありません。なぜなら、MasterCard(マスターカード)のATMネットワークのCirrus(シラス)に加盟しているからです。
よって、以下のマークが付いたATMで現金の引き出しが可能です。
CirrusはVISAのPlusと並んで世界最大級のATMネットワークなので、現金の引き出しに関しては困ることは少ないでしょう。
JCBの海外サービス
JCBは世界60カ国以上で会員の旅行の支援をしてくれるJCBプラザという窓口が用意されています。案内や、予約、緊急時のサポートなどをしてくれます。
また、世界9ヶ所(ロサンゼルス、ホノルル、グアム、ソウル、台北、香港、シンガポール、バンコク、パリ)ではJCBプラザ ラウンジというJCB会員のみのラウンジが用意されています。
海外でインターネットが使えたり、現地のガイドブックや日本語の新聞が読めたり、ドリンクサービス、荷物一時預かりといったサービスが受けられる場所があるのはとても便利です。
これも日本初の国際ブランドだからこそ、日本人のことを思って実現できたサービスだと言えるでしょう。
JCBは審査が厳しいの?
JCBが審査を行っているクレジットカード(JCBオリジナルシリーズやJCBが提携管理をしているリクルートカードなど)は審査はしっかりしていると言えます。JCBは日本発の国際ブランドですから、日本の事情もよく知っており、「どんな人にならカードを発行してOKか」を一般的なカードよりも厳し目に見ています。
特に個人事業主の方はJCBオリジナルシリーズなどは落とされるという話をよく耳にします。
JCBのポイントプログラム「Oki Dokiポイント」
JCBが発行しているJCB Originalシリーズで貯まるポイントはOkiDokiポイント、JCBが自ら生み出したポイントプログラムです。
基本的には1,000円の買い物で1ポイントが貯まり、1,050ポイントでJCBギフトカード5,000円分と交換可能です。
オンラインショッピングモール(経由して買い物をすることでポイントがアップするサイト)はOki Dokiランドがあります。
Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどではポイント2倍です。
JCBが発行するギフトカード「JCBギフトカード」
JCBが発行するギフトカードであるJCBギフトカード。
クレジットカードをよく使う方はポイントプログラムの交換景品として重宝している方も多いでしょう。
大きなデパートや百貨店をはじめとして全国100万店舗以上で使えるので、使い道に困ることはないかと思います。ただ、JCBのクレジットカードが使えるからといって、JCBのギフトカードが必ず使えるわけではないので、その点はご注意ください。
JCBが提供するQRコード決済ネットワーク「Smart Code」
JCBはSmart CodeというQRコードおまとめサービスを提供しています。
加盟店はSmart Codeと契約をすれば、様々なQRコード決済を一気に導入できる仕組みです。
ファミペイ、au PAY、銀行Pay、JAL Pay、MyJCB Payなどが加盟しています。
Smart Codeを導入しているチェーン店はこちらからも参照できます。
JCBが提供するQRコード決済サービス「MyJCB Pay」
JCBはカード管理アプリのMyJCBで、MyJCB PayというQRコード決済を導入しています。
JCBオリジナルシリーズで利用可能です。
実カードを出さなくてもSmart Code加盟店でカード払いができるという仕組みです。
JCBのこれから
JCBは日本の決済市場においてなくてならない存在です。クレジットカードの国際ブランドとしては言わずもがな、QUICPayでも存在感を増しています。ただ、プロパーカードの番号裏面化やタッチ決済などでは全て後追い感が否めなくなっています
JCBが進化しなければ、日本の決済市場はいつまで経ってもガラパゴスのままで世界基準から乖離していまうとも言えます。さらなる進化を求めてサムライカードが邁進していってくれることを願いましょう。