概要
はじめに
国内ではQRコード決済が盛り上がっています。しかし、外国人の方は国産のQRコード決済を使いません。日本に来てわざわざ決済アプリをインストールしません。そもそも外国人の方は日本の銀行口座持ってないから大抵のコード決済サービスは使えません。
インバウンドやおもてなしを考えるのであれば、もっとも普及すべきなのはこのタッチ決済です。
※ 2019年にこの記事を出した際は店頭でタッチ決済を使っている人は殆どおらず、「タッチ決済(コンタクトレス決済)の存在が国内でもっと認知されても良いのではなかろうか」というタイトルでしたが、そろそろ使っている人も増えてきたのでタイトルを変更しました。
タッチ決済(コンタクトレス決済)って何?
タッチ決済(コンタクトレス決済)は、NFCという近距離無線通信技術を用いた非接触決済サービスのことです。クレジットカードやスマホを電子マネーのようにピッとすれば決済が完了します。NFC決済、NFC Pay(一部決済端末ではこのように呼称しないと伝わらない)、EMV Contactless(※)、日本ではVisaが呼称を始めたタッチ決済という呼び名で浸透してきています。
※EMVはEuropay International(現在はMastercardと合併)、Mastercard、Visaの頭文字。
Visaが日本では「タッチ決済」という呼称を浸透させたのは謎です。非接触が叫ばれる時代に世界とは違う接触を意味する「タッチ」という呼称が使われてしまうのはなんだかなあと思ったりもしています。
対応しているカードには4本線のNFCのマークが付いてます。また、Apple PayやGoogle Payといったスマホ決済で使うことも出来ます。
クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードと紐付いているので、支払いの請求時期は使用するカードに依存します。例えば、デビットカードに付帯したコンタクトレス決済なら即時引き落としです。
Suicaなど(FeliCa)とタッチ決済(NFC Type-A/B)との違い
まず、SuicaはJR東日本、WAONはイオンと言った具合に国内企業が国内で提供しており、タッチ決済(コンタクトレス決済)はVISAやMastercardといった国際ブランドが世界中で提供しています。
また、同じ非接触技術でも、使われている規格が異なります。タッチ式の電子マネーに使われているような非接触通信技術、またはその規格のことをNFC (Near Field Communication)と言いますが(ISO/IEC 18092)、 さらに決済に使われている規格を大別するとType-A/B(ISO/IEC 14443)と呼ばれる世界的に普及している規格と、FeliCa(≒Type-F)と呼ばれる主に日本国内で普及している規格の2種類に分かれます。
Suicaなど国内の既存電子マネーに使われているのは、「FeliCa」と呼ばれている規格。ソニーが開発した規格で、国内を中心に(※)導入されています。
近距離の通信速度で言えば、近年、FeliCaとNFC Type-A/Bはさほど変わらなくなってきていますが(FeliCaは理論値として847kbpsの処理が可能)、FeliCaはその独自の技術と規格ゆえに改札とも相性がよく日本のあの鬼のような通勤ラッシュにも対応できるようになっています(参考:FeliCaの公式サイト / 対称通信の技術などの詳細も掲載されています)。
※例えばシンガポールでも以前はFeliCaが導入されていた時期もありましたが、現在はFeliCaを見かける機会はなく、Type-A/Bで電車に乗れたりと国ぐるみでコンタクトレス決済の利用を拡大しています。
一方、コンタクトレス決済に使われているのは「Type-A/B」という規格。こちらは世界中で使われており、決済業界においては世界標準と言っても過言ではありません。Type-Aは現在のNXP Semiconductors(旧フィリップス)が開発、Type-Bはモトローラが開発しました。
「いやいや、世界がFeliCaを使えば良くない?」という声を上げたくなるのが古き良き(?)日本人ですが、世界標準のType-A/Bを用いたチップは機能を絞り込んでいるのと大量生産でFeliCaよりも安価です。そして、普段使いならFeliCaはオーバースペックです。例えば「オフィスの入室キーにFeliCaほどの性能が必要か?」と言われたら全く必要ないということです。(これらは某セキュリティの専門家の方にお伺いしました)
決済においては、10センチ程度の近距離の処理スピードに大差はなく、近距離通信後のオンライン通信のスピードに依存する面が大きいので、決済でもFeliCaはオーバースペックです。実際に店頭でコンタクトレス決済(タッチ決済)を試したらわかりますが、高速で決済が完了します。逆に、iDやQUICPayなど、FeliCaを使っていても通信が遅かれば待たされます。
そんなこんなで、日本ではSuicaで改札での混雑を避けるための独自技術の導入が必要だったなどの要因から、ソニーが開発したFeliCaが普及、その他電子マネーもFeliCaを採用したため、Type-A/Bが環境として全く浸透しておらず、決済の面においても”ガラパゴス化”しているのが現状です。
ちなみに、国内だとType-AはTaspo,Type-Bは運転免許証やマイナンバーカードに採用されています。Type-AよりもType-Bのほうが国などでも多く活用されています。もうおわかりだと思いますが、これらはFeliCaよりも導入が安価で国際的に利用されているからだと言えます。
タッチ決済(コンタクトレス決済)の種類と対応カード・スマホ
コンタクトレス決済は国際ブランドが提供しているので、国際ブランドごとにサービスが分かれています。そのうち、今後国内で普及していくであろうサービスは以下の5つです。
- Visaのタッチ決済 (旧名:Visa Paywave)
- Mastercardコンタクトレス (旧名:Mastercard Paypass)
- JCBのタッチ決済(JCBコンタクトレス) (旧名:J/Speedy)
- American Express Contactless (旧名:ExpressPay)
- Diners Club Contactless
その他にも銀聯カードが提供するQuickPassもあります。Dinersは2020年に遅れて対応した形です。
コンタクトレス決済を使う手段は、大きく分けると「NFCを搭載した物理カードを使う方法」と、「カードをスマートフォン等に紐付けて使う方法(Apple Pay、Google Pay等)」の2種類に分けることが出来ます。 ただし、お手持ちのカードやスマートフォンによって使える場合と使えない場合があるので要注意。どのカードでも使えるという訳ではありません。
Visaのタッチ決済
VISAが提供するコンタクトレス決済です。かつてはVisa payWaveと呼ばれていました。日本国内ではクレジットカード、デビットカード共にに対応カードが増加中。クレジットカードは三井住友カード、イオンカード、dカード、ライフカードなどなど様々なカードのVISAブランドに搭載されています。デビットカードはネット銀行はもちろん、三菱UFJ銀行、三井住友銀行といった都市銀行や各地方銀行のデビットカードに搭載されています。 他のコンタクトレス決済よりも物理カードへの搭載例が多いサービスです。
対応カードはどんどん増加しています。特にクレジットカードではVISAブランドでタッチ決済が搭載されていないカードを見つけるほうが難しくなってきました。
カード例 | 種類 |
---|---|
三井住友カード各種 | クレジットカード |
イオンカード(Visa)各種 | |
dカード(Visa) | |
JALカード(Visa) | |
三菱UFJ-VISAデビット | デビットカード |
SMBCデビット | |
JNB Visaデビットカード | |
楽天銀行デビットカード(Visa) | |
Sony Bank WALLET | |
GMOあおぞらネット銀行Visaデビットカード | |
Visaプリペ | プリペイドカード |
Kyash Card |
Apple Pay、Google Pay共にに対応しています。Apple Payは2021年5月11日にようやく対応しました。
Apple Payでは、アプラス、SMBCファイナンスサービス、NTTドコモ、エムアイカード、クレディセゾン、ジャックス、三井住友カード、楽天カード、ビューカード、エポスカード、PayPayカード、LINE Pay、ソフトバンクカードなどのVISAブランドのカードを登録することで利用可能です。
Google PayではPayPay銀行、ソニー銀行、三菱UFJ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行のVISAブランドのデビットカード、ブランドプリペイドのRevolut、クレジットカードの三井住友カード、エポスカード等を登録することで利用可能です(2019年11月14日から開始した)。国内のFeliCa、おサイフケータイに未対応の機種でも、海外のNFCに対応していれば使えます。
2019年10月に三菱UFJ銀行がリリースしたウォレットアプリでもVisaのタッチ決済が使えますが、三菱UFJ-VISAデビットをGoogle Payに登録することで使えるようになったのであまり使う機会はないかもしれません。
Mastercardコンタクトレス
Mastercardが提供するコンタクトレス決済です。かつてはMasterCard PayPassと言う名で展開していました。クレジットカードではOricoの提携カードによく搭載されています。代表例はコストコグローバルカード。
カード例 | 種類 |
---|---|
三井住友カード(NL) | クレジットカード |
コストコグローバルカード | |
マツモトキヨシメンバーズクレジットカード | |
住信SBIネット銀行 デビットカード | デビットカード |
トマトMastercardデビット | |
楽天銀行デビットカード(Mastercard) | |
JAL Global WALLET | プリペイドカード |
Apple Payに対応しているので、Mastercardのクレジットカードをお持ちのiPhoneユーザーは気軽にMastercardコンタクトレスを使用することが出来ます。物理カードの場合は、数少ないタッチ決済(コンタクトレス決済)対応のカードを発行する必要がありますが、Apple Payならカードを選ばず使えるのが大きなメリット。
Androidユーザーは現状だと住信SBIネット銀行のブランドデビットカードのみ、Google PayでMastercardコンタクトレスに対応しています。
欧米圏だと最も使いやすいコンタクトレス決済だと思います。
JCBのタッチ決済(JCBコンタクトレス)
JCBが提供するコンタクトレス決済です。かつてはJ/Speedyと言う名で展開していました。国内発行のカードでは、JCBオリジナルシリーズ、JCBブランドのリクルートカード、JACCSのジャックスカード J/Speedyや楽天銀行デビットカードのJCBブランドなどまだ一部にしか搭載されていません。
カード例 | 種類 |
---|---|
JCBオリジナルシリーズ | クレジットカード |
ANA JCBカード | |
ジャックスカード J/Speedy | |
リクルートカード(JCB) | |
ファミマTカード | |
楽天銀行デビットカード(JCB) | デビットカード |
イオン銀行キャッシュ&デビット |
Apple Payに対応しているので、iPhoneユーザーはJCBカードなどを登録することでも気軽に使うことが出来ます(↓画像はみずほWALLETから追加できるMizuho Smart Debit)。
ただし、現状使えるお店がVISAやMastercardに比べて少ないのが難点です。
Androidユーザーはスマホでは使えません。同じくJCBが絡んでいるQUICPayはGoogle Payで使えるので、今後に期待です。
American Express Contactless(American Expressのタッチ決済)
American Expressが提供するタッチ決済(コンタクトレス決済)です。かつてはExpressPayと言う名で展開していました。その後、American Express Contactlessという名称が使われてきましたが2020年になって(American Expressの)タッチ決済という呼称へ変更してきています(公式サイト参照)。
アメックスのプロパーカード(グリーン、ゴールド、プラチナなど)に搭載されています。アメックス発行でも、「ANAアメリカン・エキスプレス・カード」のような一部の提携カードには搭載されていません。
カード例 | 種類 |
---|---|
アメリカン・エキスプレス・プロパーカード各種(グリーン・ゴールド・プラチナ) | クレジットカード |
アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード | |
マリオットボンヴォイ・アメックス |
JCBと同様、Apple Payに対応しているので、iPhoneユーザーは気軽に使うことが出来ます。こちらはANAアメックスや、セゾンなどが発行するアメックスブランドのカードでも利用出来ます。(楽天カードは不可) 現状使えるお店がVISAやMastercardに比べて少ないのが難点。 Androidユーザーはスマホでは使えません。
Diners Club Contactless
Diners Clubが提供するコンタクトレス決済です。ダイナースクラブ コンタクトレスという名称で展開しています。日本での提供は2020年12月からカード券面が代わり、他のコンタクトレス決済から遅れて初めて搭載される形となりました。
カード例 | 種類 |
---|---|
ダイナースクラブカード | クレジットカード |
遅れて展開しているので、日本国内ではセブン-イレブンやイトーヨーカドーなど他のコンタクトレス決済と比べて使えるところが極端に限られてくるのでご注意ください。
スマートフォンでのタッチ決済(コンタクトレス決済)の対応状況
タッチ決済(コンタクトレス決済)の種類 | Apple Pay | Google Pay |
---|---|---|
Visaのタッチ決済 | 対応 | 対応 |
Mastercardコンタクトレス | ||
JCB Contactless | 未対応 | |
American Express Contactless | ||
Diners Club Contactless | 未対応 |
スマートフォンの対応状況をまとめると上記の通り。
Apple Payでは、主要国際ブランドのタッチ決済(コンタクトレス決済)はDiners以外はすべて利用可能となっています。ただし、VISAなど他のブランドでも一部のカードは未だにカードによるのでご注意ください。
Google PayはApple Payとは逆で、Visaのタッチ決済、Mastercardコンタクトレスのみ利用可能となっています。ただし、対応しているのは、三井住友カード、エポスカード、Revolut、PayPay銀行、ソニー銀行、三菱UFJ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行のVisaデビットカード、Mastercardコンタクトレスは住信SBIネット銀行のみです。特にMastercardコンタクトレスはApple Payと比較して対応しているカードの種類がとても少ないです。
その他、JCB ContactlessはGoogle PayがQUICPayに対応した際に、利用規約にJCB Contactlessに触れている部分があったため、首を長くして待っていますが、未だに導入はされていません。
合わせてご参照ください↓。
タッチ決済(コンタクトレス決済)の使い方
店員に「(使いたいタッチ決済(コンタクトレス決済)の名称)」や「NFC Payで」で支払い方法が伝われば、後は簡単です。 Suicaや楽天Edyなどと同様、端末にカードやスマホをかざせばOK。支払い完了です。ただし利用金額などの条件次第で、暗証番号の入力が必要になる場合がありますので、その場合はカードの暗証番号を入力してください(欧米だとATM等でTAP & PIN(タッチして暗証番号入力)という表記をよく見かけます)。
ただ、実際のところ、日本国内では、スムーズにいかないことも稀にあります。
2019年などと比べたらかなり使いやすくなっていますが、まだ宣言方法をお店によって変えなければならないお店がある、という問題点があるからです。
決済オタクだと、利用されている端末を見て、例えば、JT-R600CRなら「クレジットカードで」、CAFIS Archなら「NFCペイメントで」といった具合に、店側のPOSにどう表示されているかまで見極めて宣言を分けることができるのですが、一般の方がそこまでするのか?否・・・(端末別の宣言方法の違いなどは↓の記事で詳しく解説しています)
最も簡単なのはローソンやマクドナルド。「クレジットカードで」と言えば、磁気ストライプ、接触ICチップ、タッチ決済(コンタクトレス決済)のいずれの手段でも支払うことが出来ます。なので、まずはローソンかマクドナルドで試してみることをおすすめします。↓の端末が光ったら上のマークのある部分にコンタクトレス対応カード、スマホをタッチします。
この宣言方法の問題は業界に広く認知されていて、いずれ宣言方法の心配する必要がなくなる時も来るとは思いますが……。
みんなで使えばどんどん使いやすい環境になっていくと思うので、みんなで使おうよ。ちょっとだけでいいから。(以下自粛)
タッチ決済(コンタクトレス決済)はどこで使える?
世界中様々な場所で使えます。ただし、VISAのタッチ決済(海外では「VISA Contactless」)やMastercardコンタクトレスが利用できる店舗の方が、JCB ContactlessやAmerican Express Contactlessが使える店舗よりも多いです。 これはVISAやMastercardの使えるお店がJCBやAMEXの使えるお店よりも多いのと同様と言っても良いでしょう。
国内でも普及が進んできており、 2022年12月現在、有名チェーン店・施設では
- ローソン (VISA、Master、JCB、AMEX)
- セブン-イレブン(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)
- ファミリーマート(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)
- セイコーマート(VISA、Master、JCB、AMEX)
- デイリーヤマザキ(VISA、Master、JCB、AMEX)
- マクドナルド (VISA、Master、JCB、AMEX)
- モスバーガー (VISA、Master、JCB、AMEX)
- イオングループ (VISA、Master、JCB、AMEX)
- イトーヨーカドー・ヨークマート(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)
- TSUTAYA (VISA、Master、JCB、AMEX)
- すき家・はま寿司、ココスなどゼンショーグループ (VISA、Master、JCB、AMEX)
- ロイヤルホスト・てんやなどロイヤルグループ (VISA、Master、JCB、AMEX)
- サンマルクカフェ(VISA、Master、JCB、AMEX)
- 成田空港 第2・第3ターミナル (VISA、Master、AMEX)
- 関西国際空港 (VISA、Master、JCB、AMEX、銀聯)
- 大阪国際空港(伊丹空港)(VISA、Master、JCB、AMEX、銀聯)
- 神戸空港(VISA、Master、JCB、AMEX、銀聯)
- 郵便局(VISA、Master、JCB、AMEX、銀聯)
- コカコーラの自販機 (VISA、Master、JCB、AMEX)
などなど本当に多くのところで利用出来るようになっています。
参考:タッチ決済が使えるコカ・コーラの自販機↓
個人店でも容易に導入が可能なSquareの端末(当ページトップ画像)でもコンタクトレス決済は使えるので、個人店でも使えるところは多いです。店舗側の手数料は通常のカード払い時と同じです(JCB以外3.25%、JCBのみ3.95%)。
余談ですが、日本だと決済端末にNFCマークがついていても、実際には契約しておらず使えないという場所もあるのが残念なポイントです。外国人の方はひどく混乱するので、お店の方は契約していないなら注意書きをする、NFCマークを隠す、などの対策をとったほうが良いと思います。
タッチ決済(コンタクトレス決済)はお得になることもある
コンタクトレス決済は普及のために様々なキャンペーンなども行っていて、便利なだけではなく、お得になることもあります。
代表的なのが三井住友カード(NL)でこのカードでセブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、すき家、サイゼリヤ、ドトールなどの対象店でVisaのタッチ決済、もしくは、Mastercardコンタクトレスをすれば還元率はなんと5%になります。
他にも、アメリカン・エキスプレス・カードも会員向けにAmerican Express Contactlessのキャンペーンを行っていたりします。
交通機関にタッチ決済・コンタクトレス決済(NFC Pay)で乗れる(オープンループ)
今、世界的にこのコンタクトレス決済で電車に乗るという動きが活発化しています。
ロンドンやニューヨークの地下鉄などではすでにVisa、Mastercardのコンタクトレス決済で、クレジットカード、Apple Pay、Google Payをかざすだけで電車に乗れます。
日本でも一部のバス(2020年7月の茨城交通への導入を皮切りに増えている)ではその動きが活発化している他、2021年4月には南海鉄道がVisaのタッチ決済で電車に乗れるようになりました。
上記の通り、日本では通勤ラッシュ対策としてSuicaが普及したこともあり、どの程度普及するかはこれから次第というところだと思います。
実際、改札を抜ける速度はSuicaのほうが圧倒的に早いのが現状です。
インバウンドとタッチ決済(コンタクトレス決済)
最初にも申し上げましたが、インバウンドを考えるなら最も導入したいのが、このタッチ決済(コンタクトレス決済)です。海外ではどんどん一般的になっています。
2018年の初頭に筆者がシドニーに行った際にはごく一部の飲食店を除いて9割ほどがコンタクトレス決済で済みました(Mastercard利用)。旅行中、カードは一度しか差し込みませんでした。実際、オーストラリアなどの国では対面でのVisaのカード取引の90%以上がこのタッチ決済(コンタクトレス決済)での支払いだということです(出典:VISAのプレスリリース)。
「海外の方々に日本に来てよ、困らないから」と言えるようになるためには、クレジットカードに対応するだけでは不十分で、非接触決済に対応する必要があると考えられます。
そして日本にいる我々がタッチ決済(コンタクトレス決済)への認知度を高めて、普段使いをして、店員さんがあたふたしないようにすることも必要になってきます。
まとめ
海外、特に欧米圏へ行く機会が多い方は必須アイテムです。お手持ちのカードやスマートフォンで使えないか、是非確かめてみてください。こんなマークあったのか、という驚きがあるかもしれません(笑)。
一方で、国内でも使えるところは2019年と比べてだいぶ増えてきましたが、まだ認知度の関係で、未だ日常的には利用し難いのも事実です。
ですが、今後も対応カード・スマホも、対応店舗も、使いやすさも増加していくと思います。 何故なら、「カードの国際ブランドが提供する」「世界中で使われている規格」「便利な決済手段」である以上、普及しない理由が見当たらないからです。
タッチ決済(コンタクトレス決済)は、「カードの国際ブランドが提供する」という点で、サービスの持続性、安定性に期待することが出来ます。「世界中で使われている」ので、そう簡単にはサービスが終了しません。サービス終了するとしても、今からは想像できないような便利な決済手段が確立・普及した頃になると思います。そして何より、カードやスマホをかざすだけで決済出来るのは便利だしスピーディーです。
最後に、すごく個人的な理由を申し上げれば、海外の決済ガジェットがほとんどコンタクトレス決済なので、とっとと日本の多くの場所で使えるようになってほしいと心から思っています。