2022年4月の民法改正で成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。18歳の高校生は成人なので、法律上はクレジットカードは親の同意なしに作ることができるのですが、クレジットカード会社は独自に「高校生不可」という制限を設けていることがほとんどです。
この記事では、18歳の高校生のクレジットカードの作り方、数はまだ少ないですが「高校生不可」の制限をしていないカードをご紹介すると共に、高校生がクレジットカードを作る必要があるのかも一考する必要があると思うので、注意点なども記述しますので、ぜひ最後まで読んで頂ければと思います。
なお、一部のクレジットカードが作れるのはあくまで18歳以上の高校生のみで、17歳以下の高校生は作れないのでご注意ください。
参照↓
年齢 | クレジットカード |
---|---|
18歳以上(高校生以外) | 多くのカードを作れる |
18歳以上(高校生) | 一部作れるカードもある |
17歳以下 | 作れない |
まず言っておきたいのが使いすぎにはくれぐれも注意してください。「欲しい物があるからクレジットカードをの仕組みがわかっていないのになんとなく作る」とかは論外です。
概要
そもそもクレジットカードって何?
クレジットカードとは決済手段の1つで、後払い式の支払い方法です。
- 後払い(クレジットカード)
- 前払い(Suica、PASMO、ICOCAなどのチャージ式電子マネーやブランドプリペイドカード)
- 即時払い(デビットカード)
後払いのクレジットカードは、利用した金額が翌月、または翌々月に紐付けている銀行口座から引き落とされます(引き落とし日はカード会社によって異なります)。
「後払い」ということは一時的に手元にカード会社からお金を借りている状態ということです。きちんと返済をしないといけないことはしっかりと頭に入れておいてください。
↓で詳しく解説してあるので、お手すきの際に目を通してみて頂けますと良いかと思います。
また、知っておいて欲しいのですが、昨今はクレジットカードとは別にプリペイドカードの「あと払いサービス」も流行しています。これはクレジットカードと似ていますが、プリペイドカードの多くは不正利用された際の補償もなく、さらに手数料はかなり高く付くことも覚えておきましょう。同じあと払いであれば、クレジットカードの方が手数料もかからず、補償なども充実していて安心できます。
高校生(18歳)でも作れるとしているクレジットカード(カード会社)一覧
現状、18歳の高校生でも作れるクレジットカードは限られています
高校生でも作れると発表しているカード会社と実際に作れるカード例(いずれもETCカードも発行可能)は以下の通りです。
カード会社 | 高校生でも作れるカード例 | 条件 |
---|---|---|
セゾンカード | セゾンパール・アメックス | 18歳になったら |
イオンカード | イオンカード(WAON一体型) | 高校卒業年の1月から |
オリコカード | オリコカード・ザ・ポイント | 18歳になったら |
参考URL↓
オリコカードは2022年4月の民法改正直後、セゾンカードは2022年8月末から18歳の高校生に対してのクレジットカード発行を解禁しました。
これらのカード会社が発行しているすべてのカードが申し込めるというわけではない(プラチナカードなどは当然不可)ので、申し込み条件に「高校生は除く」などの文言がないことを確認しましょう。
高校生(18歳)のクレジットカードの作り方
一部カードは百貨店などのカウンターでも作ることができますが、落ち着いて申し込むためにも、クレジットカードはネットから申し込むことをおすすめします。
必要になるもの
クレジットカードを申し込む際に、必ず必要となるのがの本人確認書類(基本2種類必要)と本人名義の銀行口座です。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、健康保険証など)
- 本人名義の銀行口座
18歳高校生だとまだ運転免許証を持っている方は少ないかもしれませんがあると作成がスムーズになります(ない方はマイナンバーカードもあると楽になります)。受け取り時に日本郵便の本人限定郵便などで本人確認をするケースもあります。これができるのは顔写真付きの書類のみと法律で決められています。
必要となる本人確認書類はカード会社によって若干異なるのと、インターネットでの申し込みと郵送などでの申し込みでも異なるので事前に流れを確認しておきましょう。一部のカード、例えばセゾンパール・アメックスの場合は、運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなどの写真付きの本人確認書類の提出+本人の顔写真を撮影して提出する形で、それ以外の本人確認書類では申し込めません。
銀行口座はクレジットカードを使った分を引き落とす口座です。
カード作成の流れ
流れは以下の通り。
- ネット上で各種情報を入力して申し込み
- 審査結果がメールで到着
- カード到着
発行時間などはカードによって違いますが、早くと即日審査、翌日発行というものもあります。カード到着までは平均3日-1週間程度だと思っておきましょう。
↑でご紹介したセゾンパール・アメックスなど、申し込んでから最短5分でカード番号が発行されるようなカードもあります(カード番号を入力するネットショッピングやiPhone・Androidスマホに登録してApple Pay/Google Payで使える)。実カードは後日発行されます。
高校生(18歳)は年収欄をどう書けば良いの?
クレジットカードは申し込みで各種情報を入力する際に「年収」を書く欄があります。クレジットカード会社は審査をするときに「年収」を参考にして「この人はカードを月にいくらまで使えるか」という上限(枠)人それぞれに与えてくれます。
ですが、それはあくまで社会人の話です。クレジットカード会社は高校生の年収を参考にはしませんし求めていません。バイトなどをしているかもしている方でも基本的には「0」で記載してしまってOKです(それで通っているという方が何人もいらっしゃいます)。バイトをしている方はその収入×12を記載しても良いそうですが、高校生である以上、上限は対して変わりません。とにかく嘘は絶対に書かないようにしてください。
高校生はクレジットカードが使える利用額は低く設定されています。初めてのクレジットカードなら利用限度額は5万程度だと思っておきましょう(月に2-3万程度使うイメージ)。
高校生(18歳)は審査に通るの?
→一部のカードのみ通ります。
高校生にクレジットカードを発行するというのはカード会社にとってもリスクがあります。まだ社会に出ていない、学業が本分の高校生ですから、クレジットカードの仕組みがわからず、支払いの遅延などが起こってトラブルも多発する恐れがあります。
一部のクレジットカード会社は、そのリスクを許容してでも、他社よりも少しでも早く捕まえておきたいという狙いがあるのでしょう。クレジットカードは通常は一度契約したらなかなか解約しないので、学生さんはクレジットカード会社各社が優遇して捕まえたい、長く付き合える可能性があるお客さんなんです。
とはいえ、まだ高校生に対してクレジットカードを作成可にしているカード会社は少なく、殆どのカード会社は18歳以上(高校生不可)というのが通常です。
高校生がクレジットカードを作るときの注意点
クレジットカードは使い方を間違えれば危険なものです。
注意点を上げればキリがないのですが、以下の点は覚えておきましょう。
クレジットカードを申し込むとその情報は「信用情報機関」というところに保存される、ということを知っておこう
クレジットカードは申し込むと「信用情報機関」という機関にその情報が渡されます。
信用情報機関とは、金融会社に登録される信用情報を管理、提供する機関です。例えばAカード会社でカードを申し込んだ後に、Bカード会社でカードを申し込んだとします。Bカード会社は信用情報機関であなたの情報を照会するので「あ、この人はちょっと前にAというカード会社でカードを申し込んでるんだな」ということがわかります。
短期間の間にカードを申し込みまくっている人にカードを発行したいカード会社は多くありません。なので、期間をあけたり、使っていないカードを解約してから申し込む、といったことが必要になります。
興味がある方は信用情報機関の1つであるCICなどを調べてみてください。
支払いが遅れてもその情報は「信用情報機関」というところに保存される、ということを知っておこう
支払いのときに銀行口座に残高がなかったりして支払いが遅れると、その情報も「信用情報機関」に保存されます。
なので、きちんと支払いをしないと、「社会的に信用がない人」と判断されてしまい、次のクレジットカードが作りにくくなります。
逆にきちんと支払いを継続していれば、「社会的に信用がある人」と判断されて、次のクレジットカードが作りやすくなります。
クレジットカードを作ったことは親にはバレます
いくら18歳以上が成人で、親の同意なしでも作れるカードが増えたとはいえ、クレジットカードを作るとカード本体も届きますし、その他広告物などが家に届くことになります。
なので親と同居している以上、バレずに作るというのはほぼ不可能だと考えたほうが良いでしょう。
その買い物、本当にクレジットカードじゃないと駄目?
あなたはクレジットカードの仕組みがわかっていますか?また、どうしてクレジットカードが欲しいのでしょうか?
もしもネットショッピングがしたい、といった理由であれば、ブランドプリペイドカードやデビットカードなど、買い物に使える手段は他にもあります。まずはこれらで試してみて、物足りなかったらクレジットカードに移行するというのもありです。
↓はブランドプリペイドカード。クレジットカードと同じようにVisaやMastercardのマークが付いており、実店舗でも問題なく利用可能です。
本当にクレジットカードが欲しいのかどうか、仕組みを知ってから考えてみてください。
逆に、「どうしてもETCカードが欲しい」といった理由であればクレジットカードを作るのはありかと思います(デビットカードやブランドプリペイドカードではETCカードは発行できないため)。
それと、プリペイドカードの「あと払い」は推奨していません。プリペイドカードのあと払いは法律でギリギリのところを攻めているので、高額な手数料がかかります(参考:安易に「ポチッとチャージ」は大損!バンドルカードのデメリットと代替手段)。なので、あと払いをしたいのであればクレジットカードを作ることをおすすめします。
ここでクレジットカードの代わりとして推奨しているプリペイドカード払いはあくまで事前にチャージして支払う前払いタイプのものを指しています。
デビットカードやブランドプリペイドを使う場合、しっかりとセキュリティ管理をしましょう
デビットカードやブランドプリペイドは便利ですが、弱点として、不正利用をされるとすぐに口座や残高から引き落とされてしまう、といったデメリットがあります。使わないならカードを凍結しておく、上限をしっかり定めておくといったセキュリティ管理が必要です。
その点、クレジットカードは使ってから1ヶ月後に請求されるので怪しい取引があったときにカード会社から連絡が来たり、怪しい取引を取り消すのも比較的スムーズです(使い方に注意が必要なのは同じですが)。なので、高校を卒業して、クレジットカードをきちんと使いこなせる自信がついたら徐々にクレジットカードに移行していくのが筆者のおすすめです。
まとめ
マイナンバーカードがあれば作れますが、運転免許証を持っている方も少ない高校生(18歳)のうちは、無理をしてクレジットカードを作る必要性は少ないと考えております。
2018年以前ならともかく、現在はチャージ式でVisaやMastercardの加盟店で使えるブランドプリペイドカードなどが多数出ているのでネットショッピングなどで困ることは殆どありません。一部サブスクサービスではブランドプリペイドカードが使えず、クレジットカードじゃないと駄目なこともありますが、数は少ないです。ただし、繰り返しになりますが、不正利用対策はきちんと行ってください。
高校を卒業して大学生や社会人になったり、または、卒業して数年後には1-2枚のクレジットカードを持ったほうが良いと思いますが、初めてのクレジットカード選び、特に高校生のうちは慎重になりすぎて悪いことはありません。
上記のことを理解した上で、しっかりと支払いが行える自身がある方のみクレジットカードを作るようにしましょう。