学生の方(大学生や専門学校生、大学院生、一部カードでは高校生も)は基本的にクレジットカードは作りやすいです。
そもそもクレジットカードの審査というのは「これまでのクレジットカードの利用履歴」と「現在の年収」などが重視されるのですが、学生は、「これまでのクレジットカードの利用履歴」もなければ、「現在の年収」もありません。
正確にいえば現在の年収(収入)はバイトをしている方はバイト代があるかもしれませんが、職業が学生である以上、バイトをしていてもしていなくてもクレジットカードの審査には殆ど関係ありません。利用限度額が多少上下する程度です。
なので、学生で最初のクレジットカードを作る方はみんな真っ白の状態。同じスタートラインに立っているはずなんです。真っ白なキャンパスになんでも描けるはずなんです。若いっていいな。
それなのに、「え?オレ審査落ちたけど?」という学生さんがたまーに現れます。その理由を一覧で、考えうる限り見ていきたいと思います。基本的な作り方や流れはこちらにまとめてあるので合わせて参考にしてみてください。ここでは審査落ちの理由に特化して解説します。
審査落ちをしてしまった学生の方は当てはまる項目がないかチェックして、しっかりと対策を立てて再度申し込んでみてください。これからクレジットカードを申し込もうとしている学生の方は当てはまることがないかチェックすることに役立ててみて下さい。
概要
【チェック1】申し込んだクレジットカードが「学生申し込み不可(または高校生不可)」のものではないですか?
申し込んだクレジットカードは学生が申し込んでもOKなものでしたか?
ゴールドカードやプラチナカード、アメリカン・エキスプレス・カード、ダイナースクラブカードといったクレジットカードを申し込んでしまっていませんか?
ゴールドカード以上のクレジットカードは基本的に「安定した収入」が条件になっているので、本業が勉学の学生が申し込めるものはありません。
楽天ゴールドカード、楽天プレミアムカードなど一部は例外で、X(旧Twitter)で交流がある学生さんでもバンバン発行されていますが、あくまでクレジットカードを数ヶ月−数年使ってきた方々なので、初めてクレジットカードを申し込む場合には落ちる可能性が大きいです。
また、JCBが発行するJCB GOLD EXTAGEや三井住友カードが発行するプライムゴールドカードと呼ばれる若者向けのゴールドカードもありますが、それでも20歳以上で安定した収入が必要、つまり学生は不可にされています。大学4年時に通る人もいるらしいですが、ごくわずかです。
ゴールドカードなどではなくても、学生の方には「作れないクレジットカード」がたくさんあります。各クレジットカードの申し込み条件に自分の年齢が引っかかっていないかどうか(18歳以上のものと、20歳以上のものが多いです)、「学生は除く」「学生不可」といった記載がないかどうかをよく確認してみましょう。学生でも申し込み可と明示されていない場合は、申し込み不可だと考えたほうが無難です。2022年4月からは18歳以上が成人となり、作れるカードは増えましたがそれでも「学生不可」の注釈が付いているカードもあるのでご注意ください。
また、学生カードが用意されているのに、社会人向けのクレジットカードを申し込んでしまっている場合も審査に通らない可能性があります。
特に銀行系クレジットカードの三井住友カード、国際ブランドのJCBが発行するJCBカードなどは学生用カードと社会人用カードに分かれています。これらのクレジットカードは元々審査がしっかりとしていることもあって、学生なのに社会人向けのほうで申し込んでしまった場合、それが原因で審査に通らなかった可能性が高いです。
ちなみに、楽天カードは学生専用カード(楽天カードアカデミー)が用意されているのに、通常の楽天カードも学生申し込み可能という稀有な仕様になっていますがこれは例外というか一応学生用も用意している程度に考えて良いでしょう。
また、2022年4月の民法改正で高校生の方でも18歳以上であれば一部のクレジットカードは作れるようになりました。ただし、18歳以上でも高校生では作れるカードはまだ限られていますので申込み条件に「高校生不可」があるかどうかをよく読むようにしてください。現状ではオリコカードやセゾンカードが高校生でも作れるカードです。高校生(18歳以上)が作れるクレジットカードや注意点はこちらを参照してください。
【対策】学生でも申し込めるカードで申し込みし直してみましょう
学生が申し込み不可のクレジットカードを申し込んでしまって審査落ちをしてしまった場合には、学生でも申し込みOKなクレジットカードを申し込んでみましょう。
↓は大学生以上が申し込めるカードです。
エポスカード↓
リクルートカード↓
三井住友カード NL↓
JCB CARD W↓
下記、「一度に何枚も申し込んでしまっていませんか?」にある通り、短期間に何枚も申し込んでしまうのはNGですが、最初の1枚を間違えて申し込んで次の1枚を申し込むくらいなら全然大丈夫です。ただし、18歳以上とはいえ、高校生の方は親とよく相談してください。高校生のうちはクレジットカードがなくても代替のデビットカードやブランドプリペイドカードで乗り切れることがほとんどだと思います。
焦って変なカード申し込んでも申込み履歴が増えて次のクレジットカードが作りにくくなるのでまずは↑のような、発行元が大きな会社のカードを作ることをおすすめします(スペック的にも優秀ですし)。
【チェック2】短期間に何枚も申し込んでしまっていませんか?
まだクレジットカードを申し込んだことがない学生の方は知らなくて当然なのですが、一度に複数のクレカを申し込むのはNGです。浮気ダメ、絶対。
「え?バレないでしょ?」と思われるかもしれませんが、各クレジットカード会社は申し込んだ人の情報を共有しています。信用情報機関というところに情報が集約されていて、そこには「申し込み履歴」も存在しています。何時何分何秒にどのカードに申込んだかがわかります。浮気のLINEとかが全部筒抜けみたいなものだと思ってください。
なので、一度申し込んだら、そのクレジットカードの審査結果が出るまで待つ必要があります。
「は?なんで?」と思われるかもしれませんが、仮に一度に何枚も申し込んで作れてしまったら、利用限度額が20万円程度のクレジットカードが何枚も作れてしまう=80万円くらいの借金が出来てしまう可能性が出てくるので、そのための対策です。
【対策】1ヶ月ほど時間を置いて1枚だけ申し込んでみましょう
申し込みをしたという記録は6ヶ月間残り続けます。なので、確実性を求めるのであれば6ヶ月後に申し込み直すのが良いでしょう。
学生カードだとそれなりに便宜を図ってもらえるという話も耳にするので、1ヶ月程度時間が立ってから学生専用カードか楽天カードなどを申し込んでみると良いでしょう。それでも駄目だったら、6ヶ月後まで待つしかありません・・・。
【チェック3】ケータイ料金の未払い・家賃の未払いが続いていませんか?
本来、クレジットカードの利用履歴が真っ白なはずの学生に黒い記録(悪い記録)が付いているとしたら、その原因はケータイ料金の未払いや家賃の未払いに関するものである可能性が非常に高いです。
クレジットカード会社が審査の際に参照する情報(信用情報)は、クレジットカードの利用履歴や申し込み履歴の他に、借金(キャッシング)の記録も掲載されています。
学生でキャッシングサービスを利用される方は少ないかと思いますが、実は、ケータイ料金もキャッシングの対象になり得るんです。ケータイ料金それ自体は未払いをしてもケータイが止められるだけで信用情報に傷がつくことはありませんが、問題なのは、端末の分割払いをしているケースです。
端末を月々払いで分割払いをしているあなた、それ、借金です。なので、未払いしてしまったら、借金をして返済期日までに支払わなかったということになります。ウシジマくんに追いかけられても文句は言えません(嘘です)。
「え、借金だなんて知らなかったよ」という方もいらっしゃるでしょうが、ケータイ会社にうまくごまかされています・・・。借金の未払いですから、信用情報に傷が付いても文句は言えません。
また、2022年から家賃保証・賃貸保証会社の全保連が信用情報機関に登録したので、家賃の未払いも信用情報に傷をつけることになります。この動きは他も続くと思います。合わせてご注意ください。
信用情報には「遅れたけど支払った」ということも記録されるので、遅れたのが短期間ですぐに支払ったケースが1、2度なら学生でも申し込み可能なクレジットカードの審査に落ちるケースは少ないです。ただ、何度もあると、いわゆるブラックリスト入りで、クレジットカードの審査落ちの理由になり得ます。
自分で支払っていなくて、親が支払っていて延滞を繰り返している場合でも同様です。
【対策】まずは自分の信用情報がどうなっているのかを正確に把握しよう
まずはCICなどの信用情報機関に問い合わせて自身の記録をチェックしてみましょう。信用情報機関に保存されている情報を見る方法の詳細はこちらに記載してあります。
支払いの長期間の延滞記録が乗っていた場合は、最大で5年間は記録が残り続けます。そうなると消費者金融系のよほど審査が簡単なクレジットカードを申し込んでみる、もしくは5年間はデビットカードなどで凌ぐしかありません(学生で長期延滞を繰り返すケースは少ないとは思いますが)。
もし、1、2度、短期の延滞(Aマーク)がある程度でしたら、ブラックリストにはなっていないので、商業系など審査が緩めのクレジットカードを選んで再チャレンジをしてみてください。
【チェック4】記載した情報に誤りはありませんでしたか?
クレジットカードの審査は、記載している情報間違えてしまったら一発アウトになりかねません。
特に氏名、電話番号、住所に間違いがなかったか確認しましょう。特に電話が繋がらなかったらその時点で一発アウトです。
試験で名前を間違えたらアウトなのと同じ。学生だからといって間違えても大目に見てもらえるわけではありません。
また、本人確認書類(免許証や保険証など)をオンラインでアップする場合にはそのデータが古かったりしないように気をつけましょう。
【対策】電話で記載ミスを修正しよう
もしも審査に落ちてしまった後(もしくは審査中)に、記載ミスに気付いたときは、クレジットカード会社に電話をかけてみましょう。
「記載ミスに気付いてしまって・・・それが原因で審査落ちしてしまったのであれば修正したいのですが・・・」といった旨を伝えればOKです。
「なぜ通らなかったのか理由が全くわからない」くらい言ってしまってOKです。
大抵のカード会社は便宜を図ってくれますよ。
【チェック5】バイト先に電話がかかってきてきちんと応対しましたか?(あまりないケースです)
近年は学生として申し込んだ場合にはほとんどないケースですが、クレジットカードは審査の際に、勤務先のところに記入したバイト先に確認のために電話をかけてくることがあります。
「絶対にかかってくる」というわけではなく(例えば、学生カードの三井住友カードなどはかかってこないカードのほうが圧倒的に多い)、殆どのカードは記載された情報が怪しかった場合などにかかってくる可能性がある、程度に考えておきましょう。フリーターとして申し込んだ場合はかかってくることが多いのでご注意ください。
電話がかかってきた場合でも大抵個人名でかかってくるのでクレジットカード会社からの電話だとバレることはありません。というか、悪いことをしているわけでも何でもないのでバレてもなんの問題もないでしょう。
問題なのは、バイト先で電話をとった人が切ってしまったり、「そんな人いない」などと言ってしまった場合です。知らない間にかかってきて、知らない間に切られてしまった場合です。細かいかもしれませんが、筆者はこの被害にあっています。念の為、そういうケースもある、くらいに考えておきましょう。
【対策】電話がかかってきたか確認をしよう
記載にミスがあった場合と同様に、カード会社に電話をかけてみると良いでしょう。
「バイト先に電話かかってきましたか?いない間に電話があったから落ちてしまったのかなと思って・・・」という感じで尋ねれば、たとえバイト先に電話をかけていないとしても、審査落ちの原因が絞り込めます。
【よくあるデマ】両親がブラックリスト入りしているのが原因で審査落ち
両親がブラックリスト入りをしていると子供もブラックリストになってクレジットカードの審査には通らない、という説があります。これはデマです。
クレジットカード会社が信用情報を確認する際に見ているのは、電話番号に紐付いた「個人」の情報です(信用情報機関によって違いはあります)。たとえ親に確認の電話をする際でも、「申込者以外」それが親であっても、その信用情報を参照する権利は持ち合わせていません。よっぽど有名なブラックリスト常習者だったら名前だけで判明することもあるのかもしれませんが、そんなことはほぼほぼないと考えて良いでしょう。
ただし、学生時代のケータイ代金を支払っているのが親御さんだった場合(かつ端末を分割払いで支払っている場合)、支払いが遅れてしまったら、あなたの名義がブラックリスト入りしてしまっている可能性はあります。
学生のクレジットカードの審査落ちの際にチェックするポイントのまとめ
というわけで学生の方がクレジットカードの審査に通らなかった場合にまずチェックしてほしいポイントを見てきました。
- 申し込んだクレジットカードが「学生申し込み不可(または高校生不可)」のものではないですか?
- 短期間に何枚も申し込んでしまっていませんか?
- ケータイ料金の未払いが続いていませんか?
- 記載した情報に誤りはありませんでしたか?
- バイト先に電話がかかってきてきちんと応対しましたか?
以上、5つのポイントをチェックすれば、審査落ちの原因&対策が見えてくると思います。
さすがに学生にしてブラックリスト入りしてしまっている場合は(そんなケースは本当に少ないと思いますが)、5年間はネットショッピングなどではデビットカードを使うなどするしかありませんが、9割以上の学生さんはクレジットカードが作れるので、諦めずに対策をよく読んで、再度チャレンジしてみてください。