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日本のキャッシュレス、5年間を振り返って

日本のキャッシュレス、5年間

いまから5年前。2014年6月、当時アメリカで仕事をしていて、帰国したたぶん翌日。外で作業をしようとたまたま立ち入った某大手チェーンのカフェ。そこが現金のみだと入ってすぐに知りました。

もやもやしたので、するはずだった作業をほっぽり出して、サイト名を2秒くらい考え、この現金いらずコムを立ち上げたのをなんとなく覚えています。

あれから5年。せっかくの節目なので、この5年間の日本のキャッシュレスの変化を振り返ってみたいと思います。

参考までに2014年というのは笑っていいともが終わったり、消費税が8%になった年です。流行語大賞は「ダメよ~ダメダメ」と「集団的自衛権」。

チェーン店はほぼキャッシュレスに

2014年の時点で、日本で展開している大手カフェチェーンでクレジットカードが使えたのは有名どころではスターバックスだけでした。

他にドトールが一部で交通系電子マネーに対応していたくらいで、コメダも、タリーズも、ほぼ現金が必須という環境でした。

2019年現在ではコメダもタリーズもクレカ&電子マネーがほぼ完備、ドトールは交通系電子マネー完全対応とドトールバリューカード(2019年4月にはアプリ化)に対応という環境です。

コメダで使える電子マネーなどのアクセプタンスマーク

なんならスターバックスカードとクレカ(一部LINE Pay)が基本で路面店では交通系電子マネーとか使えないスターバックスが初めて入る人には一番不便なんじゃないかと立場が逆転した感じ。その分、スターバックスカードお得&便利なので使ったら抜け出せないんですけどね。

ファーストフードチェーンも変わりました。

マクドナルドは2014年の時点で、iD、楽天Edy、WAONのみでしたが、2017年夏にクレカに対応&交通系やnanaco、iD、QUICPayなど電子マネーを拡充しました。↓は当時の新聞の一面です。

今ではコンタクトレス決済も利用できる、決済手段が充実している代表的なチェーン店の1つに。今は静岡と沖縄限定ですがモバイルオーダーなどの取り組みも拡大しています。

他にも2014年にはモスカードのみだったモスバーガーも現在では2017年から一部電子マネー、2018年3月からはクレジットカードが利用可能に(今はiDもJCB系も入ってます)。

モスバーガーでクレジットカード利用可能

ロッテリアもクレジットカード&電子マネーはほぼほぼ利用可能な状況です。

ロッテリアで使えるクレジットカード、電子マネーのアクセプタンスマーク

牛丼チェーンだけ見ても大分変わりましたね。

2014年にはすき家は現金が必須の状況でしたが、電子マネーを2015年1月に導入、次いでクレジットカードも導入。今ではレジはセミセルフです。

すき家のセミセルフレジ

2014年から一部で交通系電子マネーを入れていたのみだった松屋は、交通系電子マネーをほぼ完備、2018年になって各種QRコード決済を導入。現在では「これでもかっ」というぐらい使えます。しかもコードの種類は自動判別機能付き。

松屋の券売機のQRコード決済読み取り部分

2014年にはWAONのみだった吉野家は、2018年末には交通系電子マネーを導入、さらに一部QRコード決済、2019年になってnanacoとQUICPayまで導入。吉野家がnanacoとQUICPay入れてるってもはや違和感ありあすぎて2014年の僕が知ったら笑うと思います。

吉野家で使える電子マネー一覧

そんなこんなでチェーン店の皆様、多方面のご担当者様方の対応には感謝しかないです。ありがとうございます!

ただしサ○ゼリヤぁぁぁぁぁ、、、(ry

Apple Payの影響力、パない

この5年で日本の決済環境を変えた大きな要因は個人的にいくつかあると考えていますが、やはりApple Payが1番大きかったように感じます。

Apple Pay

実際、2016年10月にApple Payが日本のFeliCaに対応することを発表してから各社チェーン店がいきなり電子マネー対応を拡大しました(iD、QUICPay、Suica等交通系)。

2017年はAppleのおかげでチェーン店がどんどん導入した印象です。↑で記載したコメダやタリーズなどのカフェも時期、タイミング、対応している電子マネー的にApple Payの影響が大きかった気がします。

他には、例えば、マツキヨとかもそうですね。もちろん内情は定かではないですが、2014年は楽天Edyくらいだったのが、Apple Payが登場してから対応電子マネーが拡充しました。

マツモトキヨシのアクセプタンスマーク

スマホをかざして決済するというと以前から日本にはAndroidのおサイフケータイもあったわけですが、色々持っていかれた感が強いです(昔からのおサイフケータイユーザーの方からの反論はあとで聞く)。

今はおサイフケータイはGoogle Pay(旧Android Pay)に集約されてきていますが、FeliCa対応&低価格で優れたモデルも出てきている中、今後Apple Payとどういう対立をするでしょうか。

まー、おかげで個人的には財布、マネークリップはほぼほぼ出さなくなりましたね。マネークリップすら持ちたくないと感じています。

次の5年以内には今現在どうしてもマネークリップに入れざるを得ない免許証や保険証をiPhoneに入れれるようになっていて欲しいものです(マイナンバーカードiPhoneで読み取れるようになるし、日本に来るかはともかく、Appleは生体認証とNFCでiPhoneをパスポートや身分証明書にする特許を2018年に出願している)。

「電子マネー、クレカが使えないから避ける」が割と現実的に

少しだけ人の意識の話もしておきたいのですが、少なくとも2014年の日本で「え、あそこ電子マネー使えないから行きたくない」などと発言をすると、「何なん?」とか言われる空気感だったと記憶しています。

しかし、こうも連日キャッシュレスが連呼されると「最近の流行りに乗っている感じの人なんだねー」みたいな、カジュアルな受け取られ方をされることも増えてきたかなと。

もちろん、人と一緒にいるときに口にすると、まだまだ「何なん?」と言われることもあるでしょうが、1人でご飯を食べるときなどは「電子マネー、クレカが使えない店は避ける」人は増えていると言えるのでは?

5年前と比べて財布の中に現金入っていますか?小銭ジャラジャラするの嫌だから足が遠のいたお店とかありませんか?

・・・えっと、気のせいですかね?

キャッシュレス関連のキャンペーン回顧録 -PayPayとauWALLETプリペイド-

やっぱりキャンペーンの話題も外せません。

直近ではとにかくQRコード決済系。そもそも2014年には国内ではQRコード決済なんて1つもなかったんですけどね。2016年くらいから出始めてきた感じなので、まだ長いもので歴史は3年くらいなんですが、ポイント還元や割引、そしてキャンペーンの力でここまで勢いをつけています。

その中でも登場が遅かったPayPayの100億円キャンペーンはさながらビッグバンのようなもので、QRコード決済を使ったことがある人、使える店、市場それ自体が一気に拡大しました。20%バック+一定の確率で10万円まで返ってくるキャンペーン。こんなのはもうこの先はないでしょう。

PayPayの100億円あげちゃうキャンペーン

他のQRコード決済なども追従して一気にキャンペーンが拡大しましたが最初のインパクトは相当でした。

PayPayの全額キャッシュバック画面

PayPayってこれを書いている2019年6月時点で登場してからまだ半年ちょいですからね・・・。マネー is ヤバタン。

まあここ最近のQRコード決済系のキャンペーンは別として、5年という年月、キャッシュレスの歴史という文脈の中で言うと、ちょうど5年前、auWALLETの登場&開始時のキャンペーンも無視できません(2014年5月8日に申込み開始)。

au WALLET

発表直後にはアメリカにいた僕の目にも情報が入ってるぐらいには騒がれてました。

実際に、当時のau WALLETプリペイドカードのキャンペーンを見てみてみましょう。

2014年のauWALLETのキャンペーン

4億円に目がいって「100億の25分の1かよ!しょっぺえな!」とか思ったあなたはだいぶ脳の報酬系の領域がアレな感じになっているので、一回清めてきたほうが良いです。

実際に話題になった、というか一部の方々からフル活用されたのは、じぶん銀行からのチャージで5%増額の方でした。2014年末までと半年間、長い間続いたキャンペーンだったのも特徴ですかね。

じぶん銀行からのチャージで1回最大25,000円×0.05(5%還元)✕10(月10回まで)=最大で月に12,500円がもらえるというキャンペーンでした。5月から12月までフルに活用した方は8-9万円くらい得した形。

「9万とかPayPayのくじ当たったら一発やん!しょっぺえな!」となったあなたは脳の報酬系の領域がですね(以下略)

このauWALLETプリペイドのキャンペーンは、消費税5%→8%の増税直後のタイミングでもあったため、人々の節約意識と相まって盛り上がった記憶があります。

もうすぐ消費税が10%に増税される今の環境と似ていますよね。

ちなみに、auWALLETプリペイドは事前チャージ式で、かつ、国際ブランドが付与されたブランドプリペイドカードの先駆けであったことも忘れてはならないでしょう。

LINE PayカードやKyashリアルカードなどなど、今でこそかなりの種類が発行されているブランドプリペイドカードですが、その先駆けとして日本のキャッシュレス界隈に与えた影響は間違いなく大きかったです。

キャッシュレスに関する5年間の国の動き

キャッシュレスに関する国の動きは以下の通り。各政府報告書などのキャッシュレス部分の筆者の要約です。

2014年

  • 「キャッシュレス重要っぽい」日本再興戦略 改訂 2014(官邸)

2016年

  • 「オリンピックに向けて国際基準でキャッシュレスやらなくちゃ、ビッグデータ活用しよう」日本再興戦略 2016(官邸)
  • 改正割賦販売法公布

2017 年

  • 「決済記録の電子化、キャッシュレス大事」FinTech ビジョン(経済産業省)
  • 「2027年までに4割のキャッシュレス化を目指す」未来投資戦略 2017(官邸)

2018年

  • 「やっぱ4割とか言ってたけど、それ現金派のほうが多いし遅いしダメだし前倒ししよ、協議会作ろ」キャッシュレスビジョン(経済産業省)
  • 改正割賦販売法施行
  • 「協議会作ろ」未来投資戦略 2018(官邸)
  • キャッシュレス推進協議会の設立
  • 「消費税増税に合わせてキャッシュレス・消費者還元やる」政府&キャッシュレス推進協議会

2019年

  • 協議会がキャッシュレスウィークとか実施、各社が号令に従ってキャンペーンを打つ。
  • 「目標、2027年、日本全国どこでも誰でもキャッシュレス!」キャッシュレスロードマップ(キャッシュレス推進協議会)

2019年10月から(予定)

  • キャッシュレス・消費者還元事業スタート

    いや雑なんですけどね。流れです。

    自分は未来投資戦略2017を読んで目標が「2027年までに4割」だったときにはその志の低さに机に頭を打ち付けてました。

    キャッシュレスビジョンでおかしさに気付いてくれて本当によかった・・・。

    この簡易年表見てもわかるように国が本気出してきたのはこの2年くらいです(少なくとも外から見てる限りでは)。

    でもやっぱ2年で与えたインパクト、これから与えるであろうインパクトは良くも悪くも相当です。2年でいきなりフルアクセルかけてきた感じ。空回っている感じもやや見受けられますが・・・具体例は避けます。

    国が動いてからマスメディアが堰を切ったようにキャッシュレスという言葉の露出度を高めた印象です。どことは言いませんが、クレジットカード会社が広告の打ち出し方をキャッシュレス中心にしたのも国が動いてからだと言えます。

    さて、10月から始まる国主導のポイント還元、果たしてどうなるでしょうね。

    次の5年

    財布いらずのマネークリップ

    まだまだ語りたりませんが、私が見てきた日本のキャッシュレス5年間はすごく大雑把に説明するとこんな感じです。

    キャッシュレス派でも現金払いせざるを得ないシチュエーションでもまとめているように公共機関や個人店や地方では導入がまだまだですが、こうしてみると、5年間で「環境」はかなり変わっていませんか?

    2019年にキャッシュレス協議会から出されたキャッシュレスロードマップによると次の5年は、公共サービスのキャッシュレス対応も進み、事前注文や無人レジが拡大して「レジという概念がなくなる」ところまで進んでいく予定となっています。

    突飛に聞こえるかもしれませんが、レジで会計をする必要がない取り組みは、アメリカにあるAmazonの無人スーパーAmazon Goほどハイテクではないものの、例えばローソンではアプリ内で会計ができるローソンスマホレジなどがすでに始まっています(2019年10月までに1,000店舗に対応拡大予定)(ついでと言ってはあれですが、この5年のローソンの決済システムのご担当者様方のお取り組みに敬意を)。

    答え合わせは5年後。

    決済はコミュニケーションの1つだと考えているので、関わる全員が気持ち良い環境になると良いなと思います。願います。

    PS

    ありがたいことに連日、日本各地から情報をご連絡くださる方々がいらっしゃり、皆さん本当に優しくて、御蔭様でなんとかやってこれています。

    この場を借りて改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございます。お役に立てるよう、微力ながら知恵を絞っていきたいと思う次第です。

    PS2

    家にあるカードの枚数、どうにかしたい(サムネイル撮るために床に広げたカード群の残骸を眺めながら)。